NISSAN STAGEA 250RX (4AT) 2003年4月

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  完成度の高い足
〜ん,思ったよりはるかに気持ちのいい足でした。正直いって,そんなに期待はしていなかったのですが,スポーティーなLクラスワゴンとの位置付けに恥じない走りを披露してくれました。走り始めはうちのBH9レガシィに較べて「重いな」と感じたステアリングも,慣れてしまえば重すぎず軽すぎず,ちょうどよく感じます。乗り心地は結構フラットライド。試乗車は250RXの2WDという,どちらかといえばラグジュアリーなモデルだったのですが,フワフワせずに引き締まった乗り味です。その分ハーシュネスは目立ち,顕著にコツコツきます。タイヤは205/65R16ですから,そんなに硬いとも思えませんが…。

  エンジンも含め,走りはOK!
60km/hほどでS字を切り返して,ほぉっ!と思いました。ロールも少なく,ステアリングに率直に反応して鼻の向きが変わります。なんともでかい車ですが,車としての出来はなかなかのもので,意外なくらいスポーティーな感覚でした。V6のVQ25エンジンは直列6気筒なみとはいわないまでも,振動騒音ともによく押さえられていました。静粛性もいいし…もしかしたらスカイライン・セダンよりもいいかもしれません。215ps27.5kg-mという,排気量の割りに欲張った出力/トルクを出しているエンジンですが,街中で乗った限り自然に力(りき)が出ていました。アクセルの踏込みに対して素直にパワー(トルクといった方が良いかも)が高まり,非常に乗りやすいと感じた次第です。さすがにこのクラスになるとシフトショックも感じません。セカンドへのシフトアップが不器用なレガシィより,上手に変速をこなしています。

着座姿勢はとても自然。レガシィよりもヒップポイントが高くて,ややアップライトな姿勢になり,視野が確保しやすい上,ウィンドゥ・グラフィックがきちんと四角くく切れていて,後方の車両感覚が掴みやすく感じました。後席は笑ってしまうくらい広いですね。このあたりは,レガシィとはクラスの違いを感じさせられます。もっとも,私の体型(164cm&48kg)では両車のスペースとも余裕しゃくしゃくですから,あまり関係が無いといえば無い大きさです。

  使い勝手は?
ただしトノカバーの操作性など,ワゴンとしての使い勝手は,BH型までのレガシィに未だ及ばすというところでしょうか。このトノカバー,セールス氏によると「きしみ音の原因になるので,あまり使わない方が…」とのこと。車上狙いが頻発している昨今,これは無いんじゃないかなぁ。それとも駐車/走行するたびに脱着しろということなのかな?もう一つ気になったのはテールゲートの形状。下部は完全にバンパーとツライチのため,例えばバックで塀や電柱にこつんと…軽く接触しただけで,テールゲートの交換となるのでしょうか?

実はこの試乗,BP型レガシィより先に行い,Web SiteにUPしようかどうか迷っていたにですが,今となっては車としての出来はステージアの方が上のような気がしてきました。これで車両本体価格268万円。2WDでこの値段ですから,AWDのレガシィに比較して絶対的には決して安い値段ではありません。しかし経費対効果は決して悪くないと思います。四輪駆動がどうしても必要だという向きでなければ,恰好には目をつぶって…(Test:2003/04/29)