NISSAN SKYLINE 300GT S-Collection(5AT) 2001年7月

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   これがSKYLINE?
スカイラインのイメージって,最近でいうとR32のGT-Rに象徴される,サーキットでの無敵をねらったスポーツセダン…ですよねぇ。今回,C110系(そう“ケンメリ”です)以来続いていた丸目のテールランプをやめた新型スカイライン(V35系)は,そうしたイメージをすっかりひっくり返してしまいました。デザインはどう見たってセド/グロやシーマの路線で,スポーティというより豪華狙いの方向。シートもどちらかといえば楽ちんにくつろげる形状だし…。試乗車のSコレクションは黒の内装ですが,標準車やPコレクションはベージュの内装でとてもスポーティとは…。小径ハンドルだけが血統を主張しているかのようです。

   gのトルク
3000ccのVQエンジンのトルク感はさすがでした。自然吸気なのに最大出力260PS,最大トルク33kgmとか。うちのレガシィ250T-Vが167PSと24kgmですから,こうしたデータはしっかりスカイラインですね。発進トルクから中程度の回転数まで,どこでどう踏んでも感心するばかり。必要とする力がきちんと出るといった印象です。残念ながら試乗コースが信じられないほど短かかったこともあり,フルスロットルやマニュアルモードを試す機会は一度もなかったので,高回転域は不明。ただ絶対的な車速は伸びるのですが,回転感はいまひとつ重たげでした。このあたり,“スポーティ”というより“高級車”志向なんでしょうか。

   乗り心地とパワステ
一方,乗り心地はとってもGOODでした。いまどき55タイヤなんて珍しくもなくなりましたが,硬すぎもせず,もちろんフワフワもせず,しっかりしたものです。さすがはスカイライン!言葉を変えると,もう少しビシッとしていてくれたほうがワクワクするのに…というところ。パワステのアシスト量は明らかに少なめ。交差点でもかなりの重さを感じました。コーナリングやレーンチェンジを試せるような道路は走れなかったので,これ以上はコメントできません。セールスさんによると,乗り心地のわりにロールはしないということでしたが…試させてくれなきゃ試乗する意味ないじゃん!(思わず興奮)

   エンジンの振動とブレーキと
アイドリングでの振動はやはりV6,ブレーキペダルに(つまり足の裏に)結構感じました。最近試乗したトヨタのブレビス(直6の1JZ搭載)あたりに比べると,やっぱり負けてしまいます。レガシィの水平対向4気筒2.5gより気持ち振動が少ないかな?という感じ。でも遮音はすごいですね。低回転ではクラウン並か?というほど静か。3500rpmくらいから“クゥオー”というエンジン音が高まりますが,それもどこか遠くの方から聞こえてくるという印象でした。
ブレーキは…いまひとつですね。もちろん効きそのものに不足はないのでしょうが,比較的ストロークが大きく,イメージする減速に対して予想より大きな動作を必要としました。やや違和感のある踏み心地です。ブレーキといえば足踏み式のパーキングブレーキ。スポーティーカーを名乗るとは思えない設定じゃありませんか?

NISSAN SKYLINE 250GT (4AT) 2001年7月

   退屈なので,ABSを効かせてみました
上記の試乗コースがあまりに短かったので,もう一軒ディーラーをはしご。こちらの試乗車は2500ccでした。エンジンの回り方は3gよりやや軽いかなという感じ。45PSと5.5kgmの性能低下に対して,20kgしか軽くなっていませんが,街乗りに限っていえば動力性能の差は分かりません。65タイヤを履いた足回りはかなりソフトな設定のようで,直進でもややフワつきを感じました。あくまでも300GTとの比較の上での話ですが。

こちらのディーラーでも,驚くほど短く,単調な試乗コースでした(誘導するセールス氏が途中で道を間違え,抜け道のようなところでUターンさせられたのには笑っちゃいました)。万が一,虎の子の試乗車を壊されては…というところなのでしょうか。300GTに乗ったディーラーで,以前プリメーラ(先代)に試乗したときはもっと長かったのにねぇ。

それはともかく,何んにも無しでは面白くないので,今度は70km/hからフルブレーキを踏んでみました。ブレーキアシストの効果は分かりませんが,タイヤも鳴かずにABSがあっさり作動してしましました。どちらかといえば,ABSが早めに介入する設定のようです。レガシィに比べて,安定志向が強いのでしょうか。減速感はまずまずで,普通に踏んだときのような違和感は感じませんでした。そうそう,ノーズダイブは明らかに少ないことは特筆ものです。サスペンションのセッティングの賜物でしょう。「ロールが少ない」というのを想像できる挙動でした。

   SKYLINEって…
R31(7thスカイラインです)で肥大した反省からかR32では引き締まり,R33では再びでかくなってR34で…。スカイラインって意外に定見のない車なのかもしれませんね。デザインやATしかない設定だけでなく,乗ってみた印象からもR32のときのようなワクワク感を感じ取れなかった今回の試乗。案外,歳をとって高級車が欲しくなった,かつてのスカイライン党世代をねらった企画だったりして。そういう意味では,小径ハンドルをつけた旦那グルマというのは当たりなのかもしれません。そうそう,GT-Rはどうなるんでしょう。輸出向けに2ドアを作るという話もあるそうですが,GT-Rは全く別の車になるという予想もあるということ。こうした訳の分からなさが話題になるのも“SKYLINE”ならではですね。