TOYOTA SIENTA 1.5X (Super CVT) 2003年11月

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実車はもっとダックスフント風です

  これ,意外に良い
ぜぇ〜んぜん期待せずに乗ったら,意外にいいじゃないか…というのが,シエンタを走らせてみての印象。アベンシスのような欧州仕様は別にして,典型的な国内向け大衆車でこの乗り味。トヨタ車としてはGOODといっていいでしょう。珍しく誉めちゃいます! ファンカーゴのホイールベースを伸ばしたらこんな乗り心地…と感じましたが,その通りだから当たり前過ぎる形容でしたね(笑)。まぁ背高車の割にはきちんと躾けられている感じです。よく試乗で使う長いコーナーとS字を含んだ道を走ったのですが,定常的な旋回ではまぁまぁ良い動きをします。ロールはそれなりに出るものの,傾いていく動きは比較的ゆっくりしていて,怖さはありません。ステアリングの感触もいいですね。非常に軽めの設定ですが,途中で変に重さが変わったり,(電動パワステと違って)妙なフリクションを感じたりすることはありませんでした。ただし,S字を切り替えしたら,ダァ〜っとアンダーが出ましたね。こじればどんな車でもアンダーが…というほどの操舵レベルでなかったのですが。でもまぁ,背高のファミリーカーだからこんなもの,なのでしょう。普通の人は,この車でこういう運転はしないでしょうしね(^_^;
「でも,この動きはヴィッツよりうんとましだね…」とセールス君に言ったら,「ヴィッツは安作りの極限ですから」と言うておりました。自社の車,しかも自店扱いの車をそこまで言うかぁ(笑)。

1,210kgの車重を支えるのは今時珍しい70タイヤ。175/70R14というサイズは,履き替えの際の出費が安く済みそうでいいですね。その70タイヤの恩恵もあってか,乗り心地は良好です。路面の凸凹をいちいち拾うことなく,良い意味でトヨタ車らしい,嫌味のない乗り心地でした。しかし,ロードノイズがけたたましいのにはまいりました。遮音材をケチったのか,納入価格を叩きまくったOEタイヤのせいなのか…なんだか凄い!! けたたましいといえば,加速時のエンジン音も凄いです。回転がポンと上がるCVTの宿命かもしれませんが,スバルのR2やホンダフィットはこんなに煩くなかったように思います。フィットはともかく,軽のR2より煩いというのはちょっと情けないかも…。あ,三菱のコルトはこんなものでした。

  一応,6人は乗れますし
でも,ヴィッツの1000tが積むSZ系に比べると,同じトヨタの小型車用でもNZ系のエンジンは悪くありません。少々煩いといっても加速は許容範囲だし,CVTの作動もスムーズで違和感がありませんでした。プレーキも強力とはお世辞にもいえませんが,フィーリングは決して悪くありません。トータルで見て,どうしても6〜7人乗れる安車(失礼!)が欲しいという向きにはいい車といえるのではないでしょうか。そうそう,3列目シートのシートバックは,そこそこの高さがありました。2クラスは上のウィッシュの3列目シートよりずっとまともです(あのシートバックは肩甲骨あたりまでしかありません)。6人分の安全性は一応確保されているわけですから,一番近くのファミレスまで行くだけなら,お尻が痛くなる云々の問題は無視して…(笑) この3列目シート,たたみ方は基本的にはファンカーゴの2列目と同じ方式のようですが,僅かな力でスムーズに動きました。フィットの2列目シートほど感心するような動きではありませんが…。

  オプションなどなど
最近の小型車の例に漏れず,トノカバーはオプションでも付かないそうです。車上狙い対策は,ダークガラスで十分なつもりのようですね。そりゃね,車内に貴重品はもちろん,バッグ類をいっさい置かない!を徹底するのが得策なのは分りますが,う〜ん,やっぱりトノカバーは欲しいなぁ。フィットもマイナーチェンジの際にオプション設定されたことだし! オプションといえば,HIDが4.5万円のメーカーオプションになっていました。HID,普及して安くなりましたねぇ。うちのBH9(C型)購入時には,オプション設定すらされていなかったのに…あ,当時もGT系には付いていましたし,D型からは2.5gも付けるようになりました。内輪ネタで済みませんm(_ _)m。これは結構うらやましいぞ!!! ちなみにサイドエアバッグは“G”と“X”にオプションで,廉価版の“Eパッケージ”には設定なし。ラウムのように全車設置なしよりはいいのですが,安いグレードの車を買う人は,安全にも投資しないと読み切っているのでしょうか,トヨタという会社は。(Test:2003/11/16)