TOYOTA RAUM “C package” (4AT) 2003年05月
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この車で「試乗記」っていうのは,あまり意味がないかもしれません。どちらかというと「試用記」の方が適当な車です。荷物を運んだり,街乗り程度の距離を子どもやお年寄りを乗せて移動したりする道具として,良否を判断すべきものでしょう。なにせ,このWeb Siteに時折登場してもらうトヨタ嫌いの悪友が,「(道具として)あれはいい」と,えらく気に入ったほどですから。
使い勝手は◎
確かに後席〜ラゲッジスペースはよく考えられています。特に後席をダブルフォールド(座面を後から前に上げるのは,正しくはタンブルっていうんですね)したときには,そこそこ実用的なスペースが生まれます。ただ,このタンブルシートは試乗車のC packageと標準車には装備されず,豪華仕様のG packageとスポーツ志向のS packageにしか付かないのはどうしたことかと。これがあって初めて,日産のキューブに差がつけられると思うんですが。目玉のひとつ,左後ろの電動スライドドアは操作しやすくて◎。なんでも旧型のスライドドアが開け閉めしにくく,不評だったために採用されたとか。ドアノブの形状や位置をいじるのではなく,電動化してしまうのがすごいですね。自分は右側の手動スライドドアの操作にも不都合は感じなかったのですが,まぁ,小さな子どもや力の衰えたお年寄りには適当な装備だと思いました。Good!な背もたれの高さ
もうひとつ良かったのはシートバックの高さが充分にある点。最近のコンパクトカーや軽自動車,また3列シートのミニバンのシートバックの低さは「いいかげんにしろっ!」の物が多いのですが(同じトヨタのWISHのサードシートときたら,背中の3分の2までしか高さがない噴飯ものです),これはしっかりもたれる事ができました。ただし後席の座面はやや短めで,これは×な点ですね。床面から座面までの高さとの関係もあるのでしょうが,私の脚の長さではどうにも落着きません。子ども用と割りきればいいのかな?ま,WILL Cyphaよりはましですが(笑)。インテグラル・シートベルト
感心したのは左側のピラーレス化に対応して,助手席シートベルトの肩ベルトがシート自体に組み込まれていること。これなら天井に肩ベルトのアンカーを置くのに較べて,後席の出入りの邪魔になりません。ましてやRX-8やエレメントのように,リアドアにアンカーが付いていることを思えば,衝突でドアを持っていかれた際にも,引かれたベルトで大怪我をする恐れもありませんし,もちろん助手席でベルトを締めていてもリアドアを開ける事ができ,出入りの自由度がはるかに高いことは言うまでもありません(RX-8のリアシートとは性格が違うから当たり前?)。ベルト組み込みのインテグラル・シートって,結構お金がかかっていそうですよね。こうした点は,トヨタの底力を感じさせられます。走りは…(^0^;
で,走りの方はというと,早くいえばファンカーゴとほぼ同じ乗り味でした。特に印象には残らないけれど,悪くはないな,というもの。ハンドルの操作感,乗り心地とも,まずは合格点かな?のレベル。比較的背が高い車の割にはロールは少な目ですが,レーンチェンジ後,直進に戻る時に気味の悪い動きをしました。タイヤとボディが別々に動いているというか…。ましてやダブルレーンチェンジは,試さない方が無難でしょう(^_^; ムニョムニョした感じで…あの感覚っていったい?エンジン音はややうるさめですが,1500ccの大衆車(これって,もはや死語?)ならこの程度は我慢の範囲内でしょうか。キューブもこの点では似たようなものだったし。ただ同じ1500クラスでも,カローラなどの3Boxセダンだともう少し静かですね。シフトショックも大きめで,特に2速にシフトアップする時は顕著にゴツんッと来ました。やはり大衆車に,多くを求めてはいけないのでしょうかねぇ(^0^; (Test:2003/05/18)
PS.
上記のトヨタ嫌いの友人から試乗したとのメールが届きました。「コメントは《次に期待したい》…どうも日本人としての“共通了解”に欠ける様で,当分日本車には乗らないんでは?と思います(^^) また,側方エアバック,設定在りませんでした(褒めて損した)。」 だそうです。ちなみにこの友人はフィアット・プントに乗り,車庫の奥にシトロエン2CVを隠し持っているという状況ですから,普通の日本人の感覚とは違うかも…(^_^; でも,いまどきサイドエアバグなしとは!?