冬タイヤ編

MENU

スタッドレスタイヤのサイズダウン

世はインチアップばやり。私の同僚にも,ホンダS‐MXに17inホイールを履かせてスプリングを換え,ローダウン仕様を楽しんでいる人がいます。それはともかく,スタッドレスを選ぶとき,幅の狭いタイヤにして接地圧を上げるべきか,幅広のタイヤで接地面積を稼ぐかで迷ってしまいます。スパイクタイヤの時代なら文句なしに接地圧重視でした。北欧出身のラリースト達がモンテカルロ・ラリーを走るのに,WRCカーの巨大なホイールハウスに不釣合いな細いスパイクタイヤを履かせている写真を見たことがあるでしょう?

しかしミラーバーンが問題となる昨今,接地圧を上げることには意味がなく,接地面積を広げて雪面を捉えるほうが理屈に合っていそうです。そのせいか,最近はロープロファイルのスタッドレスタイヤがどんどん登場しています。実際スキー場の駐車場では,標準と同サイズのスタッドレスを履いたスポーティーモデルを見かけるようになりました。50とか55とか…。

私は単に経済上の理由で細めのスタッドレスを履いています。ドライでの運動性能を考えれば,たしかに標準と同じ方がいいに決まっています。しかし,スタッドレスはノーマルタイヤに較べたら絶対的にグリップが劣る訳ですし,派手に走ったらサイプはめくれるは,ブロックはちぎれ飛ぶは…になることが目に見えています。ならば冬の3ヶ月間は,タイヤをいたわる気持ちでのんびり走ればいい,と開き直っています。AE92では185/60R14に対して175/65R14を,BG9では195/60R15に対して185/65R15を選びました。ドライ路面ではやっぱり頼りないものの,雪道で困ったことは,ほとんどありません。ちなみに,あるカーショップでBSブリザックMZ-01/02の1本あたりの値段をみたら,下表の通りでした。

  60シリーズ 65シリーズ 70シリーズ
AE92 185/60R14 ¥16,900 175/65R14 ¥12,300 175/70R13 ¥10,800
BG9 195/60R15 ¥20,300 185/65R15 ¥15,000

4本分にしたら,かなりの差になってしまいます。ちなみにレガシィ用の場合,16inの50/55シリーズで3万円前後,17inの45シリーズとなると4万円に達します。このタイヤの高価さが,私がGT-Bを買わなかった理由の一つでした(GT-Bはブレーキが16inなので,大幅なインチダウンが難しいのです)。

ただ,インチアップにしろサイズダウンにしろ,外径には十分注意しなくてはなりません。スタッドレスの場合,ノーマルタイヤに比べてただでさえ外径が大きいのですから,少しでもオーバーサイズだと速度計の誤差が大きくなりすぎてしまいます。実際,185/60R14が標準で,ブレーキサイズが13inのAE86に,インチダウンした185/70R13を履かせてしまった私は,速度違反で捕まったことがあります。40km/h制限の道を,メーター読み12〜13km/hオーバーで走っていたところ,15km/h超過と計測されてしまったのです。外径の差を考えると,このくらいの違いは確かに出そうです。ちなみにこのときの取り締まりは,どうも15km/h超を止めていたようでした。タイヤ屋さんのアドバイス通りにしたのに,トホホ…。ひょっとしたら,175/70R13の在庫がなかったのでしょうか…?

MENU

BG9レガシィの新しいスタッドレス MICHELIN MAXI-ICE

レガシィを購入して4回目の冬を迎えます。以前,AE86で1度だけ履かせたダンロップのスタッドレスを,ケチって4シーズン目まで使ったところ,雪上でのグリップの低下に驚いたことがあります。これは別にダンロップのせいではなく,スタッドレス一般の使用限界のようです。ということで,ボーナスをあてにして新しいスタッドレスを購入することにしました。今回も前回(ブリジストン・ブリザックMZ-01)同様,サイズは185/65R15です。

さて,問題は銘柄です。まだスタッドレスが出始めの昭和58年(1973)から,主として真円度の問題からブリジストンを履き続けているため(当時はホロニックという銘柄でした),今回もBSにするつもりでした。しかし店頭でブリザックMZ-02の実物を見ると,いかにも繊細なブロックとサイプです。雪上/氷上性能は文句なしによさそうですが,ドライでの耐久性がはなはだ心配です。

冬じゅう雪道しか走らない地域に住んでいるならともかく,本当にたまにしか積雪が見られない東尾張地方に住み,ひと冬に数回スキーに行くだけの条件では,このブロックパターンでは心配です。ドライでコーナリングをしたら,ブロックがちぎれて飛んでしまいそう。これまでのMZ-01でも,サイプがめくれ気味だったし。うーん,どうしたものか…。

そんな心中を見透かしたかのように,タイヤショップの店員がいいました。「BSもいいですが,最近うちではミシュランがで良く出ていますよ」見ればブロックはかなりしっかりしています。「これでゴムはずいぶん柔らかいから,アイスバーンでもいいようですよ」そうか,ミシュランという手があったか。ミシュランも真円度では定評があり,以前友人が使っていたWエッジはけっこう良かったとのことだったなぁ。

そんなこんなで,結局ミシュランのマキシアイスに決定。3年後のゴムの状態はBSの方がいいそうですが,雪道を走る前にブロックとサイプがいかれてしまっては話になりません。去年から今年にかけてスタッドレスを買った車好きの友人や同僚は,みんなMZ-02を選んでいるのがちょっと気になるものの,1本あたりちょうど1000円高いミシュランの性能(含耐久性)を信じることにしましょう。

  雪道を走ってみました
早速“おんたけスキー場”まで行ってきました。ドライ路面では比較的静か。特にブリザックMZ-01では55〜60km/hで聞こえ始める「クウォー」というロードノイズが,65km/h位にならないと発生しません。音量そのものも,かなり小さいようです。ドライグリップはまずまずです。操舵時の剛性感は絶対的には高いとは思えませんが,BSのMZ-01よりはいいようです。高速道路では80km/hまでしか出しませんでしたが,その範囲ではシミーは出ませんでした。

さて肝心の雪道での性能。舗装路にうっすら雪が付いた道を10kmほどと,圧雪路を数km走ったのですが,圧雪路でのS字コーナーの切り返しといったシチュエーションで,応答が遅れるような気がします。一瞬アンダーステアが出てから,クゥーッと切れ込んで行くように感じました。そのことを考えに入れて運転すれば,どうということもないのですが,岡本理研製(ほら,ミシュラン・オカモトですから)はこんなものかという感じでした。やっぱりBSにすべきだったか,とちょっと後悔しています。(写真は走行後のもの。ホイールはトピー工業のスチール製)

  凍結路も走ってみました
ひさしぶりに,自分の居住地域にも雪が降りました。地球の温暖化のせいなのか,都市部は本当に雪が少なくなりましたね。今回は一たん溶けた雪が再凍結し,朝になったら見事なアイスバーンになっていました。白い圧雪路のところどころが黒光りしている,いわゆるブラックアイスってやつですね。

そんな条件でも,ミシュラン・マキシアイスは縦方向には強力なグリップを発揮します。アイスバーンの上でもブレ―キングを試みてみましたが,一度もABSが作動しませんでした。ふだんより10km/hほど遅いペースで走る限り,雪道だからといって,特別な運転技術を駆使する必要もありません。レガシィが四輪駆動であることも大きいのでしょうが,加速でも安定したものです。こうした縦方向の性能は,ブリジストンより上かな?という感じです。

しかし圧雪路と同様,凍結路でもコーナリング・フォースの立ちあがりは遅いようで,操舵後の一瞬,非常に不安定な感覚が生じます。もちろん,どんなスタッドレスでもドライやウエットのようにはいかないのは承知の上ですが,ブリジストンに較べていくらか劣るような気がします。やっぱり日本の雪道には,世界のブランド“ミシュラン”より,純和製のBSのほうがいいのかな,という気もします。ブリザックMZ-02の性能を体験していないので断定はできませんが…。

※ 今年,13年ぶりに買い換えたスキーはMizuno D-mode CV。こちらは特に国産にこだわったわけではありませんが,スペックと試乗記で選ぶとこうなりました(スキー板も試乗記っていうんですね)。 右の絵は以前にTopページで使ったBG9レガシィのイラスト。スキーキャリアに積んでいるのがMizuno D-mode CVです(笑)。

MENU

   BH9レガシィのスタッドレスは60シリーズ BLIZZAK MZ-03

   65のつもりが60に…
BH9レガシィにもスタッドレスタイヤを用意する季節になりましたが,MICHELIN MAXI-ICEはBG9とともにスクラップ。新しいタイヤを購入することになりました。幸い(?)ホイールはアルミが1組余っていますから,そのまま使うとして,タイヤの銘柄とサイズ選びです。今年のMICHELINはDRICEという駄洒落的ネーミング。ドライでも氷上でも…という意味のようですが,かつて流行って廃れた“高速スタッドレス”の再来を思わせます。なんだか中途半端だけれど,まぁ加速減速といった縦方向の性能は満足できたMAXI-ICEより悪くなっていることはないだろうと,MICHELINを選びかけたのですが…。

なんとMICHELINの65とBridgestone BLIZZAKの60の価格差があまり無いことに気づきました。AE86レビンでは標準の185/60R14に対して185/70R13を,AE92カローラGTでは同じく185/60R14に対して175/65R14を,そしてBG9レガシィでは195/60R15に対して185/65R15をと,ひたすらハイプロファイルのスタッドレスを選んできたのは,主に経済的事情。スパイクの時代は細いタイヤで面圧を上げて押しつける,というのもありでしたが,スタッドレスは面積で稼ぐ理屈ですから,値段が大差ないのなら思い切って60を,ということになります。11月中に納品するなら1割引きというので,決めてしまいました。それにしても60,安くなりましたねぇ。(下表は1本あたり,着脱工賃込み,消費税別の価格)

  185/65R15 195/60R15
MICHELIN DRICE \12,495 \14,910
BS BLIZZAK MZ-03 \11,290 \12,760

ちなみにBLIZZAKもMZ-03になって,ブロックの剛性感が高まりましたね。MICHELIN,特にDRICEのしっかり感にはおよびませんが,02ほどの頼りなさではありません。ただ,見た目は回転方向指定のMICHELINの方が格好よさそうです(^O^)。
そうそう,上の「スタッドレスのサイズダウン」を読んで,ハイプロファイル狭幅のタイヤを購入した方もいらっしゃるとのこと。時と共に情勢が(値段が)変わったということで,ご勘弁ください。

  ドライ路面での静粛さ
これまで,ハイプロファイル のスタッドレスに変えると,うるさいけれど乗り心地は良好というのが常でしたが,60⇒60では当然乗り心地は若干悪化。トレッドパターンのゴツゴツ感と,ばね下が重いぞ的ドタドタがいくらか感じられます。フィアットのプントに
BLIZZAK MZ-03(165/70R14というマイナーなサイズ!)を履かせた友人が,「ハンドルが異様に軽くなった」と言っていましたが,BH9ではさほど顕著に感じられません。もともとBH9Cの車速感応パワステはむちゃくちゃ軽いですから,タイヤを替えても差が出にくいのでしょう。特筆すべきなのは静粛さです。MICHELIN MAXI-ICEの項でも書いたように,これまで履いたスタッドレスでは60km/h前後での“クウォー”というロードノイズが気になったのですが,今回のMZ-03では(62〜63km/hまででは)気にすれば気になるといった程度にしか聞こえてきません。肝心の氷雪上での効きはともかく,こんなところでも進歩しているんだぁ…と感心した次第です。雪道での使用報告はまた後日。(2001/12/25)

  BLIZZAK MZ-03で,雪道を走ってみました
2002年は新年早々の積雪で明けた東尾張地方。1月3日の朝はさっそく走りに出てみました。べたべたの里雪のため,路面はシャーベット状という最悪の条件。上記のMICHERIN MAXI-ICEの試乗記は御嶽山の雪をベースにしているため,直接の比較はできませんが,縦方向のグリップ(特に制動時)はミシュランの方がいいような気がします。しかし,舵を切ったときの反応はブリジストンの方が素直ですね。ミシュランのような反応遅れは感じられず,比較的スムーズにターンインしました。もっとも,基本的にべたべたずるずるの雪ですから,アンダーは出まくりなんですが…(^o^) ちょっと無理かな?と思えるようなかなりの急坂(ここはほぼ新雪でした)にもチャレンジしましたが,軽くタイヤを空転させながらも,ちゃんと上がってくれました。最新のスタッドレスですから,性能が悪い訳はないんですが,まずは一安心です。

そうそう,185/65と195/60の差は,はっきりいって分かりませんでした。タイヤの銘柄が違い,車が違い,そして雪の条件が違っては,感覚的に分かるような違いはないということでしょうか。う〜ん,我ながらつまらない答えですねぇ(^_^;