MAZDA Roadster SP 1600DOHC 2004年02月
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希少な1.6試乗車
ひさしぶりにロードスターの試乗をしました。というのも,時折顔を出すディーラーに珍しく1.6gの試乗車があったから。1.6gはNBが出たばかりの頃に試乗したきりですが,すでに別項でも書いたように,その時はエンジンにも足回りにも,あまりいい印象がありませんでした。NBの2型が出たときにフライホイールの軽量化を始めとした改良が施されたと喧伝されましたし,パーティーレース用のNR-Aも同じエンジンを載せているのですから,一度乗ってみたいと思っていました。しかし1.6gの試乗車ってよほど少ないのか,あちらこちらのディーラーに声をかけていたのですが,なかなか見つかりませんでした。改善された足回り
試乗車は2,800q走ったNBの3型。2003年の秋にNB3型改が出ましたが,エンジンや足回りは基本的に変わっていないとのこと。ホワイトメーターって案外見にくいなァ,などという瑣末なことに気を取られながらスタート。最初に感じたのはステアリングの軽さ。といってもパワーアシストがいくらか強いのか,それともうちのNA6のタイヤが古いため(5年前のGRIDU)に重くなっているだけなのか…という程度で,特に気になるほどの差ではありません。それはともかく,足回りは格段によくなりました。しっかり感は1.8gのRSに近いかもしれません。レーンレンジ,コーナリング,S字の切り返し,いずれのシチュエーションでも動きは滑らかで,NBの1型で感じた腰砕け感はまったくありません。特にレーンチェンジでの安心感はぐっと増しました。ステアリングに対する応答性がよく,軽やかに向きを変えますが,NA6のようなひらひら感とは違うように思いました。ボディーの剛性感が高いせいでしょうか。12年半,6万qを経たうちのNA6とは大違いです(おまけに上記のようにタイヤが…較べるのには無理がありますね)。魅力のないB6エンジン
エンジンははっきりいって非力。うちのNA6より80〜90sほど重くなっているとはいえ,これほど差があるの?と思うくらい走りません。もっとも,普段は1人で走っているのに,試乗ではセールス氏が横に乗りますから,実質百数十sの差があることになります。パワーウエイトレシオは,だいたい8.2s/psと9.1s/psになりますから,1割違えばさすがに素人にも分かるということですか…。それにしても,床までアクセルを踏んでも「あれっ?」という加速しかしません。ホント,ぜんぜん力感がない。街中で踏み込んでも「こりゃぁやばいかも」という緊張感がまったくないんですね。数値的な問題だけでなく,エンジンの性格も大きいのでしょう。NA6のころから,もっさりが特徴(^_^;のB6エンジンとはよく言われますが,NBになっていちだんと乗用車っぽくなっているのかも。基本的にはNB1型もNB2/3型も変わらないようです。いくら足がよくなって,エンジンよりシャーシが速いといっても,これではねぇ。スポーツカーを操る楽しさがスポイルされてしまいます。NC型?がRX-8ベースの2g車になる,との予想がありますから,5ナンバーのライトウエイトスポーツが欲しければ,NBを買っておくしかありません。が,ビルシュタインを載せたNR-Aが面白そうだとはいえ,1.6gでは役不足だと思いました。NB登場当時,ベストバイは1.6gと書いた雑誌が多かったのですが,日常的に峠でフルスロットル!という使い方をするのでなければ,(そしてチューニングのベースに…を前提とするのでなければ)やっぱり1.8gが欲しくなりそうです。(Test:2004/02/14)