SUBARU LEGACY B4 2.0R (5MT) 2004年01月

MENU


BP/BL型の絵,そろそろ飽きてきた?

  私見,最良のBP/BL型レガシィ?
これまで新BP/BL型レガシィは,ツーリングワゴンのGTspecB(5MT),GT(5AT),2.0R(4AT),3.0R(5AT),B4のGTspecB(5AT),3.0R(5AT),そしてアウトバックの3.0R(5AT)と,SOHCを除くほとんどの車種に試乗してきました。そこで感じたのが,「現状では,B4の2.0Rをマニュアルミッションで乗るのが,一番いいんじゃぁないだろうか」ということ。既にさんざん書きましたが,BPはワゴンとしてはまだ未完成の部分が多いから,どちらかといえばB4の方がまし。エンジンはともかく,足は2.0Rが一番バランスが良さそう。そのうえで,マニュアルミッションなら面白かろう…と。

今回,アウトバック2.5iの試乗車はないかとスバルのWeb Siteを覗いていたら,なんとBG9,BH9を購入したディーラーにB4の2.0R,それも5MTの試乗車があることになっている! これは僥倖,まるで私の為に用意してくれているようなものでは…と正月早々から営業中のディーラーに,確認と試乗予約の電話をいれました。

  これで何が不足 190PS
踏めば踏んだだけきちっり回るエンジン。Loと2ndでは,レッドゾーンすれすれまで回してしまいました。確かにターボ車はもちろん,うちのBH9の2.5gに較べてもトルク感は薄く,特別な力強さは感じないものの,車速は速やかに,確実に上昇します。正月の空いた国道で,高速道路での制限速度にあっさり到達してしまいました。3.0Rの6気筒やBH9に較べると加速時のエンジン音は大きめですが,快音とまではいかないまでも,不快なものではありません。2.0Rの4AT版に対して+10PS/300rpmの190PS/7100rpmは,今時のエンジンとしては驚くほどのスペックではありませんが,ろくに踏む場所もない280PSより,踏める190PS方が絶対に楽しい! このエンジン,例の等長等爆エキゾーストのおかげで,排気音からはボコボコ感は一掃されていましたが,アイドリングではやはり水平対向エンジン特有の振動が出ていました。

クラッチは非常に軽く,これで190PS/20.0smもの出力を制御するの?と不安になるほど。ただ,ストロークは大きめで,左足は結構忙しい感じです。シフトにはカチカチ感はなく,“グニュッ”とまではいかないけれども,“にゅっ”とした,やや頼りなさを残す柔らかなフィール。でも,ストロークは大きくはなく,スムーズに入ります。ペダルのレイアウトもよく,慣れない車なのにヒール&トゥが楽に決まりました。ブリッピングに対するエンジンの反応も見事で,回転合わせがしやすいのも美点です。

  曲がりでも 満足
レーンチェンジではターボ車に較べて柔らかめな足の設定のせいか,ポンと一発で切り込むとややロールへの入り方が速く,唐突に感じる動きが出てしまいます。しかしそれさえ意識しておけば,日常行う速めのレーンチェンジ程度ではまったく問題はありません。加速しながらのレーンチェンジも試みましたが,なかなか快適な動きをしました。

コーナリングではややアンダーぎみなものの,ロールは押さえられ,安定した姿勢で回ります。215/45R17(銘柄はPOTENZA RE050Aでした)という,2.0gNAエンジンの車としてはとんでもない寸法のタイヤを履いていますから,トリモチ走りをしても当然といやぁ当然ですが。このタイヤ,ディーラーで交換すると手間賃込みで15万円とか! エンジンの性格とミッションのギヤ比のマッチングもよく,コーナーからの立ち上がり加速もほとんど快感! インプレッサWRX Sti のような,ほとんどビョーキの加速とはもちろん別の次元ですが,レガシィのターボ,それもAT車よりはワインディングでの扱いは確実に良さそうです。

  長距離も OKそう
同じ17inを履いたGTや,それよりややましな18inを履いたGTspecBを確実に凌駕する乗り心地。もしかしたら3.0Rよりいいかもしれません。曲がりの性能は(サーキットへ持ち込んだりすればともかく),上記のように現実的にはほとんど犠牲にはなっていませんから,良好な乗り心地は長距離のツーリングの際には強みになるでしょう。それにしても,1,340kgもあるセダン(高さだって1,425o)とは思えない爽快な動き,走り。当日は上ってしまったバッテリーの充電を終えたばかり(^_^; のロードスターで出かけたのですが,ほとんど遜色のない面白さでした。

ロードスターとの比較でいえば,ステアリングはかなり軽めの設定。意外だったのがBP/BL型のパワステでいつも感じていた,切り足すと重くなる傾向がなくなっていたこと。個体差の問題なのか,それとも既に改良されたのかも…セールス君に聞いても分りませんでした。今回気になったのがサイドミラーによる視界の阻害。太鼓状になった橋に右折で侵入するという,やや特殊なシチュエーションではあるものの,一瞬進行方向の視野が阻まれてしまいました。位置の問題よりもミラーそのもののでかさが原因。雨滴除けのためにミラーのふちが広がってるからでは…とはセールス君の弁。宣伝に役立てるつもりでせっかく覚えたのに,言い訳に使うことになって可哀相…(笑)

荷運びの道具としてのワゴンが必要とか,渋滞の中を這いずり回るからATは必需とか,実際にはそう簡単に結論は出せないのでしょうが,クルマとしての面白さだけから言えば,予想どおり最良の新型レガシィでした。 (Test:2004/01/03)