SUBARU LEGACY B4 3.0R spec.B (6MT) 2004年10月

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  地味目の外観
BP/BL系のレガシィの試乗,実はもう10台を越えています。別に全車種制覇しようなどという気はないのですが,ディーラーが身近なせいもあってつい…(笑) 今度の追加車種,B4 3.0R spec.Bはフランクフルト,ジュネーブ,パリ・ショーで派手にデビューした割には,特にスカートやウイングがつくわけではなく,外観/内装ともに普通の3.0Rと殆んど変わりません。外観で違うのは7本スポークの18inホイールくらいなのですが,これがちょっと見には2.0iの16inホイールに間違えそうという地味さ加減。本当の違いは乗らなきゃ分らない…しかし追加車種なので,どこの販売店にも試乗車があるわけではないとのこと。そこで,Touring Wagon 2.0R(4AT)に乗った本店まで(わざわざ)出かけてきました。

  クラッチは…△,エンジンは○
クラッチは比較的ストロークが大きく,しかもかなり手前の方で断続するタイプ。ちょいと踏込むだけで直ぐに切れるのはいいのですが,繋ぐ時には左脚の動きが大きくなる上,ハーフクラッチの領域が狭いため唐突に繋がる感じになってしまいます。試乗としては距離があり,しかも交通量が多くて発進&加速の機会が結構多かったのですが,最後まで慣れることが出来ず,助手席のセールス氏の首の揺れを無くせませんでした(^_^; 油圧クラッチって調整が簡単ではないそうですが,GT系はもっと下で断続するのですから,同じ設定にしようと思えばできるのでは…? ただ発進トルクは十分強いため,スナッチを起こしたりストールしかけたりなんてことはありませんでした。さすがは3gですね。雨模様だったためベタ踏みは試みませんでしたが,3,000rpmくらいからのトルクの盛り上がりが顕著です。この特性,ATでは気が付きませんでした。シフトダウン時のヒール&トゥを試しましたが,アクセルとブレーキの配置がよく,フェアレディーZ(Z33)あたりよりよほどスムーズに決まります。おまけに中吹かしでの吹き上がりが軽くて鋭く,3g6気筒とは思えないほどでした。

  シフトストローク
カタログに「ショートストローク化をあえて行わず」と開き直って書かれているシフトストローク,確かにインプレッサWRX Stiの6MTより大きいように思いました。もちろん,うちのロードスターとは較べるべくもなく,カチカチとショートストロークのシフトを決めて…を望む向きには不似合いです。ここは狙い通り,ゴクッ!ゴックッ!とした硬い感じをなくし,滑らかにゲートに入るトランスミッション作りに成功したことを評価すべきなのでしょう。まだ500kmしか走っていない下ろし立ての新車なのに,スゥーッと舐めるように(?)入りましたから,これはなかなかのものです。この6MTと18inホイールで3.0R(5AT)に対して10kg(と15万円)増し。Stiもそうですが,スバルの6MTって相当に重いのかも。

  妥当で安心な足の設定
走り出してすぐ「あぁ,これは3.0Rより硬い足だな」と感じました。2gのターボ車の場合,17inホイールのGTより18inを履いたGTspec.Bの方がしなやかな設定なのですが(雑誌にはspec.Bの足が硬い硬いと書かれますが,何度乗ってもGTよりは角が取れた乗り心地に感じます),3.0Rの場合は17in仕様が非常に滑らかな乗り心地だけに,18inを履きこなすための設定では,さすがに硬く感じてしまうのでしょう。しかし19inを履いた日産FUGA 350GT Sports Packgeのように,乗っていて気持ちが悪くなるようなことはありません。またGTspec.Bほどには硬さを感じさせず,もちろんGTのような厭な突き上げもありません。実際,試乗している間にほとんど慣れてしまった…その程度です。さすがに軽快感には欠けるものの,コーナリングでは非常に素直な動きを示し,安定感も抜きん出ています。川沿いのゆるいカーブで制限速度×3(!!)まで加速したのですが,うちのBH9で感じるような不安感はまるでありませんでした。

  安全装備は贅沢装備?
不満は例によってのセットオプション。サイド&カーテンシールドエアバックやVDCを付けようとすると,マッキントッシュのオーディオとのセットになってしまいます。15万円高(!!)のオーディオを付けたって,私の耳では違いが分かるわけではなし…(^_^; サイドエアバックやVDCって,安全装備というより贅沢装備という認識なんでしょうかねぇ,スバルでは。(Test:2004/10/30)