SUBARU LEGACY Lancaster6 (4AT) 2000年6月
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6気筒が復活
アルシオーネSVX以来の水平対向6気筒だそうです。スバリストでない私にとっては,はじめて経験するスバル製6気筒エンジン車の試乗です。そういえば,先代レガシィ250Tを所有し,現行モデルもツーリングワゴンGT-VDC,同GTB-Eチューン,セダンのB4RSKと結構試乗しているにもかかわらず,グランドワゴン/ランカスター系には乗ったことがありませんでした。オフロード系には関心がないのですョ。
イベント中だけあって,ランカスター6の試乗は順番待ち…のはずがすぐ乗れました。担当セールスマン(ちょっと年配の方です)の力でしょうか。ひとり飛ばしてしまったみたいでゴメンナサイ。ひたすら静かで滑らかで
閑話休題。試乗車はすでにエンジンを回していました。しかし,駐車場内の他の車のエンジン音にかき消されて,車外でもまったく聞き取ることができません。乗りこむとさらに静か。うっかりスターターを回してしまいそうですが,タコメーターをみると確かに700rpmくらいでアイドリングしています。この静粛性はクラウンに近く,BMWを仮想敵にしているだけのことはあります。アイドリングでの振動はDレンジに入れてもほとんどなく,BG型250Tでは結構気になるハンドルの振動も,注意すれば感じられる程度です。走り出してもひたすら静か+滑らか。流れに乗って走っている限り,わずかなシューンという音がするだけで,水平対向エンジンらしさどころか,振動もほとんど感じられません。オーディオからエンドレスで流れるデモテープが主張するように,高級車然としています。この後に乗った自分の250Tのエンジンがざらついて感じられました(乗せる人乗せる人に「静かだ」と絶賛されるのに…)。
フルスロットルをくれてやると,さすがに4000rpmくらいからエンジン音が高まり,水平対向らしい音質になりますが,それも遠くから聞こえるような…という感じ。6400rpmからがレッドゾーンでしたが,5800rpmあたりでシフトアップしていました。パワーモード゙を選べば,もっと上まで引っ張るのかもしれませんが,短い試乗の上,交通量もかなりあったので試せませんでした。
乗り心地は250T+レグノの勝ち!
B4RSKの試乗記でも書いたように,パワステのアシスト量は半端じゃありません。B4とちがって旦那仕様の車ですから,これはこれでいいのかもしれませんが,好みではありませんね。そのほかにも気になる点もいくつか。ひとつはセカンドへのシフトショック。自分の250Tよりはよほど改良されていますが,例えばトヨタの中型車に較べると完全に負けでしょう。高級車を名乗るのならもうひと頑張りしてほしいところです。ふたつめは発進の瞬間のトルクの出かた。どんなにじんわりとアクセルを踏んでも,ポンという感じで発進してしまいました。助手席のセールスさんの頭がトンとヘッドレストに当たるのが気になって気になって。エンジンとミッションの相性のせいなのか,それとも発進トルクのなさを(ひところのホンダみたいに)スロットルを開けることか,トルコンのチューニングでごまかしているのでしょうか…。
みっつめは乗り心地。デモテープは「市街地には最適な高級車」とのたまっていましたが,これはとっても疑問です。確かにサスペンションの動きはスムーズなようですが,215/60R16のタイヤがマルチパーパス志向のせいか,若干ドタドタ感がありました。これなら最近ブリジストンのレグノGR7000(195/60R15)に履き換えた自分のBG9型250Tの方が滑らかです。(ランカスターのタイヤの銘柄をチェックするのを忘れました)
こんなレガシィがあったら…
試乗後,セールスさんに「そろそろどうですか」とおきまりの言葉をいただきましたが,BG9に不満が無いのに加えて,現状では「これ」というモデルがありません。ツーリングワゴン+6気筒エンジン+5速のスポーツシフトATなんて車が出たら真剣に考えてしまうかもしれませんね。もっとも,3g車の税金の高さを考えると,自分には分不相応という気もします。そのうえ1570kgの車両重量は重すぎでしょう。2.5gの6気筒(180PSくらいかな?)が,軽量になって出るといいのですが。カタログだけでなく,デモビデオやTシャツまで頂いてしまったのに,我ながら勝手なことばかりほざいてしまいました。セールスさん,本当にありがとうございました!!