TOYOTA iSt 1.3F (4AT) 2002年6月

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   外見とはうらはらに
新聞の経済欄に,iStの売れ行きが好調と出ていました。5月の販売実績はフィット,カローラ,マーチについで4位。結構癖のある外観の車なのにねぇ,と思いつつ,ディーラーへ足を運びました。ショウルームで見る実車は,予想にたがわず,なかなかアグレッシブなデザイン。でも運転席に乗り込むと,これが意外にも普通な印象。1530oの全高に見合ったアップライトな運転姿勢ですが,ユーノス・ロードスターを運転していったのにもかかわらず(^0^),特に違和感はありません。同じ日に試乗した日産のマーチが,へんてこりんな着座感だったのと対照的です。全長がマーチより16p長い分,カーゴルームのスペースも十分で,しかもリアのシートバックを倒すとほぼフラットになり,これなら十分実用に耐えるなぁと思いました(カテゴリーの違う車を較べても意味がないか(^_^;

   後席シートベルトが…
展示車を見ていて一番気になったのが後席のシートベルト。肩ベルトのアンカーがCピラーについているのですが,位置が前過ぎてベルトが肩から浮いてしまいます。万が一のことを考えると,これはけっこう怖いかもしれません。衝突の瞬間,上体(と頭)が前に振り出されることになるのですから…。レガシィなどのワゴンに見られるように,リアクオーターウインドの上からステーを出す形にしたいですよね。トヨタも値段の安い車には,安全装備に金をかけない傾向があるようです(ex.ヴィッツの安いモデルには,リアのヘッドレストが付かないとか…ね)。

   走らせると…どたどた
アナログのセンターメーターが小さめで見にくいのには閉口しましたが,走らせた印象はわりあい自然。ヴィッツがベースということですが,ホイールベースが長いせいか挙動は落ち着いています。そういえば,ファンカーゴもヴィッツよりよかったですね。下りのコーナーでもステアリングのインフォメーションはしっかりあって,現行カローラやアリオンより安心して運転できます。しかし,乗り心地は誉められたものではありません。セールスさんが「15inタイヤを履いています」と自慢していましたが,そのせいかバネ下が重い感じで,かなりどたどた感があります。フィットのゴツゴツもひどかったのですが,これもちょっと…遠慮したいなァの乗り心地。個人的には,フィットの方がまだましかな?

   1.3gではちょっとね
試乗コースにちょっとしたのぼり坂がありました。坂の下の信号は赤。で,ゼロ発進を試すことになりました。床までアクセルを踏みましたが,エンジン回転数の上昇のし方,スピードののり方とも“ちょっとね”です。1トンちょうどの自量で1.3g87馬力ですから,贅沢をいっては罰があたりますし,フツーに街乗りに使うに分には,特に困ることもなさそうです。しかし坂道が多い地域に住んでいると,少々辛いかもしれません。セールスさんは「スポーティに走りたいなら1.5gを…」といっていましたが,走りの方はデザインのアグレッシブさには程遠い感じでした。