HONDA Insight (ホンダマルチマチックS) 2000年9月
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2台目のハイブリッド
トヨタのプリウスに次いで登場したハイブリッドカー,インサイト。労組関係の環境リサイクルイベントに動員されて出かけたら,展示車と試乗車がありました。インサイトの実物を見るって初めてなんですね,これが。ディーラーではもちろん,街を走っているのさえ見たことがありません。見た目ナローな感じですが,全幅はホンダ車の常で1,695o。デザインは2代目CR-Xを風洞実験でリファインし,空力的に磨いたのだそうです。テールゲート下の窓なんかまんまですね。展示車をしげしげと見ていたら「試乗してみませんか」と声がかかりました。けっこう普通でした(^o^)
プリウスと違ってスターターを回してエンジンを始動してやります。だからゆっくり発進・加速しても,モーターだけで走り出すプリウスと違って,エンジンの力で走ることになります。街中の比較的遅い流れに乗っていると,加速中でも充電中の“CHRG”の表示が点灯します。アクセルをオフにすると“CHRG”のバーグラフがずらりと点灯しますが,回生ブレーキ(なのかな?)が効くせいのか,サイドブレーキを戻し忘れたような妙な引きずり感がありました。アクセルを踏み込むと“ASST”の表示が点いてエンジン+モーターで加速。1000ccエンジンらしからぬ加速力を示します。モーターでアシストしているのだから当たり前ですね。1500cc級に相当する出力が得られるそうです。アシストの始まりはスムーズで,どこからアシストが始まるのか分からない上手なセッティングでした。
乗り心地は…
ステアリングはこれまたホンダらしい率直なもので,けっこうきれいに回頭します。外観に似合わず足回りは特にスポーティーというわけではないように思いました。省燃費タイヤのせいかタイヤノイズが大きく,どたどた感はありませんが,ざらざらした乗り心地が気になりました。交通量の多い街中のため,フルブレーキングとはいきませんが,約50km/hからブレーキを踏み込んでみました。スキール音はかなり出たものの,ABSは作動しませんでした。白川公園のまわりを2周しただけの本当のちょい乗りですから,ハイブリッドとして云々は全く…。ブレーキを踏んだまま停止するとエンジンが止まるのが,エコカーらしいところでしょうか(フットブレーキを放すと勝手に始動)。もっともハイブリッドでなくても,アイドリングストップの車が出てきた昨今,珍しくもないかな?カタログデータの35km/gが出るかどうかはともかく,ハイブリッドカーとしてはプリウスほど面白くはないなぁというのが“ちょっとだけ”乗った感想です。