SUBARU IMPREZA Sports Wagon 1.5i G Package (4AT) 2005年7月

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  代車は試乗車
BH9レガシィで信号待ちをしていたら,突然後退警告音が鳴り始めました。えぇー?ともかくディーラーに電話をしたら,「今日は混んでいるので,後日ではいけませんか」というのを無理やり頼んで持ち込みました。原因はトランスミッションとポジションインジケータのスイッチを結ぶハーネスがショートしていたとのこと。バックアップランプも点灯していたそうですが,なにより驚いたのは「かなり発熱していて,このまま走らせていると車両火災になる恐れがあります」と言われたことです。ひぃえー!!当初のディーラーの言葉通りに放置していたら,どうなっていたことやら。「預けて行って下さい。でも代車がありません」というのを「帰れないよ〜」と泣き落として(笑),試乗車のインプレッサ・スポーツワゴンを借り出しました。

  良好なコーナリング
現行のインプレッサ,WRXやSTiには散々試乗してきましたが,ノーマルのモデルに乗るのは何と今回が初めてです。ベーシックな1.5iに,見た目だけ?スポーティーかつ少々豪華に装った,Gパッケージという仕様のFWD車。乗ってみると,これが意外にいい車でした。ステアリングは少々軽めの設定ながら,ハンドリングはとても素直。切り始めにはすんなりと向きを変えますし,タイトなS字コーナーにちょっと速めに進入しても,スムーズに曲がります。もっとも,うちのBH9より240kgも軽いのに,同じ寸法のタイヤ(195/60R15)を履いているので,よく踏ん張って当然かもしれませんね。S字の切り替えしでも,操作途中でパワステの重さが変わることもなく,まずは良好な操作感でした。フラットなコーナリング姿勢も特記しておくべきでしょう。アクセルを踏みながらステアリングを切り込んだときにアンダーが出ないのは,(四駆でない)FWDゆえの素直さもあるのかもしれません。ボディの剛性感は十分以上。WRCイメージのインプレッサの面目躍如というと褒め過ぎでしょうか。ただ,狭い道をちょこまか走るというシチュエーションでは,ステアリングのギヤ比が遅いように感じました。あれぇ?と思ってカタログを見ると,Stiはもちろん,WRXよりもスローになっていました。

  乗り心地とABSと
完全にノーマルの脚周りなのに,そこそこ良好なコーナリングをする代償は乗り心地。特に荒れた路面でなくても,硬いゴムの上に座っているようなゴツゴツ感がお尻に伝わってきます。ただ,下ろしてで200kmも走っていない新車だったため,タイヤの空気圧が高めに設定してあった可能性もありますから,断定は出来ません。いずれにしろ,我慢できないほどではありませんでした。一方,かなりハードな減速も試してみましたが,下り坂だったにも関らず,ABSは作動せずに軽くタイヤを鳴かせて止りました。ABSはかなり遅めに介入する設定のようです。これもタイヤのサイズの余裕のせいかもしれません。このあたりはWRX Stiと似ていますね。まさかコンピュータのプログラミングが同じではないでしょうが…。

  エンジンはこんなもの?
パワーはタウンカーとしては必要にして十分という程度。1,230kg(Cセグメントの車も重くなりましたねぇ。かつて乗っていたAE92カローラGTより200kg増しです)に100PSですから,余裕があるとはとても言えません。急な上り坂でゆっくり踏み足す程度では失速しそうなもたつきを示し,それではと踏み込んでやると思ったより速くキックダウンしました。トルクの出方とトランスミッションの特性の相性が今一つなのかもしれません。新車だけあって平地を走っている限り静かで,アクセルへのつきもいいのですが,低いギアで回すとさすがに煩いですね。回転感そのものは結構滑らかで,うちのBH9より振動が少ないほどですが,音質はやや耳障りでした。所詮1500ccの4気筒ですから,まぁ許容範囲内とすべきなんでしょうか。

  室内では
フロントシートはなかなかスポーティーなデザインで,座面幅は十分でしたが,レガシィと較べてしまうと前後長は若干不足気味。私の脚の長さでもわずかに不安定さを感じました。1.5i-Sのスポーツシートならいいのかもしれませんが,こちらの試乗車/展示車はなさそうですね。ま,ホールド性満点のWRX系のシートとは雲泥の差です(当たり前ですね)。ウエストラインがやや高めで,囲まれ感があるといえば聞こえがいいのでですが,シートを低めにセットすると縦列駐車の際に窓越しに振りかえると「見ずらいなぁ」と不満を感じました。WRX Stiでは特に不満を感じませんでしたので,実用車と意識すると見方が変わる,私の感覚も勝手なものですね。ところでGパッケージに付く革巻きのステアリングホイールは,手触りが妙にザラつき今ひとつの感触でした。WRXやレガシィのmomoの革巻にはるかに及びません。こんなところは,コストゆえなんでしょうか。

  トノカバー…やっぱりこだわってしまします
最近軽視の一途にあるトノカバーは例によってオプション設定で,試乗車には付いていませんでした。リアドア,リアクオーター,バックドアのウインドゥは濃色ガラスで防犯対策を兼ねているようですが,カーゴルームに鞄を入れればやっぱり外から見えてしまいます。車上狙いが頻発する昨今,買い物に寄るのにいちいち鞄を持って,というのは面倒臭いものですよね。ま,試乗車にそうしたセキュリティ求めるのが,土台無理な話なのですが…(Test:2005/07/14〜16)