NISSAN FUGA 350GT SPORTS PACKAGE (5AT) 2004年10月
▲MENU
256色のうちで，ブロンズに近い色を出すとなると…
NISSAN FUGA 350GT SPORTS PACKAGE (5AT) 2004年10月
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256色のうちで，ブロンズに近い色を出すとなると…
日産店が元気
カルロス･ゴーン氏ご自慢の高級車，フーガに乗ってきました。このクラスの試乗ってあまりしないのですが，クラウンの記事を書いたのに日産車はなしでは片手落ちだろう，ということで…。このフーガ，デビューはしたものの試乗車はおろか展示車もなかなか見つからないという，一頃のトヨタの新車のような情況の中，ネットで見つけた日産店のディーラーへ出かけました。この頃プリンス店（レッドステージ）より日産店（ブルーステージ）のほうが活気があり，接客も丁寧気がするのはなぜでしょう？ それはさておき，試乗に用意されたのは350GTスポーツ・パッケージという，245/40R19タイヤを履いたスポーツ系の上級モデルでした。本皮シートとBOSEのオーディオをオプション装備したこの車，〆て525万円（消費税込み）！！直進性は抜群ですが…
車重が1,680kgもあっても，280PS/37.0kgmあればさすがに軽々と走ります。VQ35DEエンジンは，回すとちょっと品のない音質なのが残念でした。Zやスカイラインではさほど気にならない音でも，この車には不似合いなのかも…絶対的な音量はもちろん“静か”なのですが。120km/hまで加速してみましたが，直進性は抜群です。ひどい轍でも，245というとんでもなく太いサイズのタイヤの割にはハンドルを取られないなぁ，という好印象でした。レーンチェンジではリアアクティブステアのせいか，スゥーと滑らかに移動するものの，直進に戻す際にはオーバーシュートぎみで，この点は慣れが必要なようです。パワーステアリングはどっしりしていて，特に中央付近での安定感はGoodですが，インフォメーションは少々不足気味に感じました。245/40R19を鳴かせて…
比較的タイトな信号交差点を右折しながら加速…リアタイヤが小さく悲鳴を上げました。VDC（ビーグル･ダイナミクス･コントロールね）が付いてはいるのだけれど，遅めに介入する設定なのかもしれません。うちのBH9レガシィと違って，VDC作動時のインジケーター音はないそうですから，控え目に介入していた可能性もありますね。まぁ，37.0kgmのトルクをかければ，さすがの19inタイヤも鳴くということで（笑）。とはいえ，タイヤを鳴かせながらもコントロール性は良好でした。また，タイヤの鳴く音が遥か後方から聞こえるような気がするのは，遮音性のいいデカイ車だけのことはあります。デカイといえば最小旋回半径は5.6m。17in仕様車に5.3m対して＋30cmは，もう少し何とかならないのかなぁ…の数値です。いくら245/40R19といってもねぇ。逆に2.9mのホイールベースなのに，5.3mで回るのはエライとはいえます。いくらスポーツ系といっても…ねぇ
最悪だったのが助手席での乗り心地です。路面の細かな凸凹を見事に拾い，まるでマッサージチェアに座っているよう。ビシビシ，トントン，ブルブル，それはそれは凄いの一言。少し盛り上がったマンホールではドスン！ときました。これに較べたら，クラウンらしくない硬い設定の足周りを持つ現行クラウン・アスリートですら，高級車然とした乗り心地に思えてしまいます。並みのスポーツカーよりもゴツゴツ感が…。中でも一番嫌だったのがブルブルした粘っこい振動。あまりに酷いので後席に避難。こちらではブルブルは感じず，かなりマシでした（あ，ディーラーを出て渋滞地域を抜けるまで，セールス君が運転していた訳です。虎の子の試乗車ですから）。さらに運転席では完全に許容範囲内となります。私の場合，運転さえしていれば，スポーティーカーのハンドルを握っているのと同じ意識になってしまうせいもあるのですが。BoxsterでもBMW120でも，座席による振動の違いがありましたから，着座位置による乗り心地の差はありがちなこととかもしれません。いずれにしろ19inタイヤ，まだまだ履きこなせていない印象で，買い急ぐことはないな…という段階です。モニター類と後席と
最近の日産車お得意のギミック，サイドブラインドモニターも使ってみました。前輪がちゃんと写っていて，それなりに使えそうですが，慣れるまでに一苦労でしょう。バーチャル感覚なんてもんじゃなく，隔靴掻痒そのものです。いっそのこと｢リバースに入れたら後輪がはっきり写る｣ってところまでいくと，切り替えして側溝いっぱいに寄せる際に，サイドミラーの補助になるのだけれど（カメラをどこにつけるんだ!?）。バックビューモニターも同様，あんなの見てる暇があったらミラーと窓の外を見ていたほうが，さっさと車庫入れができてしまうという程度のもの。ただしフーガの場合，リアバンパーがキチンと写るので，壁際ぎりぎりまで下げるのには重宝です。後席のすわり心地は最高！で，停まってさえいれば眠くなってしまいそうです。これがXV系なら，動いていても眠くなるんでしょうか。おまけにシックスライトですから，クラウンの後席より開放感がありますしね。ただ，後ろが下がったルーフラインから予想されるように，頭の横の余裕はミニマムでした。こうした車も，今や前席優先なんでしょうかねぇ。 (Test:2004/10/24)
