TOYOTA COROLLA FIELDER 1.5X ”G EDITION (4AT) 2004年8月

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  マイチェンで足周り改良
「春のマイナーチェンジで,カローラの操縦安定性が変わったんだと」とは,古本屋で車雑誌を漁ったという友人の情報。ふぅ〜ん,カローラがねぇ。その雑誌,なんでもトヨタの足周りがイストから変わり,ウィッシュでその変化が明らかになって…と,えらく持ち上げていたとか。自分の印象では,イストは15inのタイヤを履きあぐねてドタドタした乗り心地だったし,ウィッシュのコーナリングはロールを感じさせずにスパッと切れ込むスポーティーな感覚であるものの,2人乗車では“これがミニバンの脚かぁ???”という,信じられないほど硬くゴツゴツと突き上げるセッティング。いくらF1と共にサーキットを走る広告をしたかったといってもねぇ(順序が逆か…)。とまぁ,半信半疑で乗ってみることにしました。

足回りは確かに改善されています。トヨタFF特有の操舵時の接地感のなさがなくなり,不安感はかなり解消しています。無茶な突込みをすればともかく,交差点でのちょっと速めのコーナリング程度ではそれなりのアンダーは出るものの,それがちゃんとインフォメーションとして伝わってきます。何処までがサスペンションの改良で,何処からがパワステの変更の結果かは分かりませんが。また80km/h程度での直進での不愉快なチョロつきも,今回は感じられませんでした。カローラといえば,なんだか“うにゅうにゅ”した乗り味が当たり前(AE86のGTVでも,AE92のGTでも,スポーティーな設定の奥底に,どこかそんな感じがありました)でしたが,それがかなり減っています。ウィッシュほど乗り心地を犠牲にしていない分,上手にバランスをとった仕上がりです。

  速度感応型電動パワステ
パワステは1.8リットルも電動アシストに変更。マイナーチェンジでよくぞそこまで,と感心します。1.5gは以前から電動車速感応ですが,この電動パワステ,設定は変更されているようで,日産車のそれのような“ねばぁ〜”っとした抵抗感がなく,またBMW Miniのようなセンター付近での違和感もなく,とても自然なフィーリングで…とまずは捨てたものではありません。ただし曲率が一定の長いカーブを加速中,60q/hあたりで保舵力が明確に変わったのには…速度感応型の設定の仕方の問題なんですかね。でも以前に較べると,確実にいい感じです。

エンジンの騒音振動もかなり改善されました。田舎道で80q/hほどまで試しましたが,ざらざら感はあまり感じませんでした。試乗車を下ろしてから数ヶ月,あたりが付いた頃だったせいかもしれません。パッソと同じ試乗コースだったのですが,さすがに1.5g,この速度までなんのストレスもなく(といって,もちろん感動もなく)加速します。1.5gのカローラだからこんなもの,と思って乗ったからなのか,加速力に不満は感じませんでした。1NZエンジンの熟成が進んだのかもしれませんね。もちろんトランスミッションの改良もあるのでしょうが。

普通のトヨタ車に乗って,これだけ誉め言葉を並べたのは久し振りです。4年目の大改良,ちゃんと成果を上げているようですね。プロボックスやボクシーのリアシート/サードシートの固定ラッチが,力いっぱい押し込まないと掛からない,とか,やはりこの2台の車のフロントシートの前後スライドのラッチが掛かりにくいとか,製造品質の点で“?”が付く最近のトヨの車作りですが,やはり看板車のカローラとクラウンには手間とお金をかけているんでしょうかねぇ…(Test:2004/08/29)