DAIHATSU Copen (5MT/4AT) 2003年1月

MENU

  ひさびさに感動ものの足
う〜ん,すごいすごい。ことコーナリングに関しては,確実にうちのユーノス・ロードスターの上を行っています。川沿いのフラットなワインディングを走ったのですが,ユーノスでは80km/hで少々不安になるコースを,同じ速度でシレッと駆け抜けます。ロールが少なく,ステアリングに正確に反応して滑らかに向きを変えるのには感動もの。切り替えしなんか,ほんと,快感といってもいいくらいです。なにしろ軽ですからハンドルは軽め。車両感覚も掴みやすく,道幅の狭いコーナーでいっぱいに寄せるなんてことも朝飯前です。サーキットではマツダ・ロードスターより速いなんて話もあるようですが,あの足回りならさもありなん。近来まれなコーナリング・マシーンですね。

  エンジンは穏やか
エンジンも,まぁ○でしょう。軽のターボエンジンについて,適確に論評できるほど乗ってはいませんから,眉に唾つけて読んでもらっても結構なんですが,低速からまずまずのトルク感があり,街中で乗るのには問題なそうです。もちろん力が増してくるのは3,000rpm台も終わりの方。4,000rpmを越えてからがそれらしい加速感をしめす領域です。小排気量らしくヒュンヒュン回る感じで,ターボラグもあまり感じませんでした。車の性格からすると,もっととんがった性格でもいいように思いますが,女性の購入がかなりあり,半分がATで売れているという状況からすると,妥当なのかもしれません。

  シフトも○
MTのシフトストロークはユーノスと似たようなもの。特にカチカチと決まるというほどではありません。数百kmしか走っていない割には軽く動くかな?という印象です。シフトレバーが長く,斜め前から突き出したような形なのは,昔むかしに乗っていたカローラ20のよう。クラッチも軽く,ちょい乗り用としては申し分ありません。フェラーリまがいの金属球は,少なくとも私の好みの感触ではありませんでした。ATでも加速感が削がれることはなく,なかなか上手なセッティングだと思います。マニュアルモードはちょっと操作しにくい感じでしたが,慣れれば問題なしという程度…でしょうか?

  剛性感は…(^_^;
もっとも剛性感のなさは致命的で,ステアリング,床,シートがわなわなブルブルしていました。もちろんオープンの状態での話です。クローズで試乗した後,同じコースをオープンで走ったのですが,走り出してすぐに剛性感の低下がわかるほど。特に大型車の通行で荒れた路面では,許容範囲を越えそうなくらいわなわなします。かといってサスの路面追従性が悪化するわけではないのが不思議です。オープンといえば,小さなウインドデフレクターの効果なのか,驚くほど風の巻き込みがありませんでした。着座位置が低く,囲まれているせいもあるのでしょう。サイドウィンドを降ろしていると,さすがに風が当たりますが,上げると60q/hくらいまではほとんど風を感じません。この点は確実にユーノスより優れています。

  ユーノスの後継になるか?
これで149万円はお買い得!なのかなぁ? ユーノス並の装備に持っていくにはオプションをかなり付けることになりますし,なにより上記の剛性感のなさでは,ちょっとしたドライブでも疲れてしまいそうです。電動ハードトップを閉めれば剛性感はぐっと上がりますが,せっかくのオープンスポーツなんだから…残念ですね。試乗の後,12年目となったユーノスで帰途に就いたのですが,う〜ん,やっぱりクラスの違いは歴然です。コペンにはコペンの良さ,ロードスターはそれなりに,という感じで,直接比較する相手ではないようです。ということで,後継車にはなりえない…という結論でした。