TOYOTA CELICA SSU"Super Strut Package" (6MT) 1999年10月

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   今度はMT車
試乗車が入ったら連絡をするように依頼しておいたディーラーから,ようやく2週間後の日曜日に試乗できるとの案内の電話が入りました。やはり,よほど試乗車の数が少ないようです。さて,今回の車両は最上級グレードのSSU"Super Strut Package"。トランスミッションは売り物の6速マニュアルです。ノーマルサス+4ATのSSUに対して,どれだけのアドバンテージがあるか興味津々でハンドルを握りました。

500kmも走っていない新車のせいか,シフトはかなり固め。1速の左がリバースのため,最初は1速へのシフトにためらいがあり,3速へ入れてしまいました(当然エンスト…恥ずかしいよぅ!)。しかし2回目からはもう大丈夫。シフトストロークはけっして小さくありませんが,軽いクラッチとあいまって,けっこう気持ちのいいシフトができます。

   加速感はAT車といっしょ
ローとセカンドでは,7000rpmまでひっぱってからシフトアップ。ATのときと同様,滑らかさが印象的ですが,やはり「速さ」が実感できません。新設計190psのスポーツエンジンと6速MTの組み合わせですから,80km/h,100km/hまでの到達時間は,ユーノスに比べて圧倒的に短いようなのですが,だからどうしたという感じです。残念ながら期待はずれでした。

エンジン音はアイドリングでは非常に静かですが,回すにしたがってかなりのボリュームです。しかしAT車のときと違って窓を開けていたせいか,こもり音としては感じられませんでした。したがって春や秋は音の問題はなし…と。ただ,ユーノスのようなライトウェイトスポーツと違い,GTを名乗る以上これではちょっと…というのが実感です。

   スーパーストラットとスポーツ ABSは○
レーンチェンジで馬脚を現わしたノーマルサス車と違って,"Super Strut "のハンドリングはさすがでした。コーナーへのターンインでのスムーズさ,蛇行させたときの安定感ともに,納得のいくものでした。これなら一度,ワインディングで乗ってみたいと思いました。しかし大きな欠点,最小旋回半径の大きさは無視できません。ノーマルサス車の5.2mに対し,5.7mに膨らんだため,ディーラーの駐車スペースから道路に出すにも切り返しがいる始末。うちのマンションの駐車場では,朝晩ストレスがたまりそうです。

ブレーキはGセンサーのついたスポーツ ABSを装備。100km/hからの減速では激しいスキール音のあと,停止寸前でようやくブレーキペダルにキックバックが感じられました。ABSの作動を控えめにして,減速Gを高めるセッティングのようですが,姿勢の乱れもなく一気に減速しました。これはなかなか秀逸なしろものです。

    ノーマル車はサイノスの後継?
こうして乗り比べてみると,足回りの違いだけでまったく別物に仕上がっていることがわかりました。サイノスが生産を終えた今,特にSSTはトヨタのデートカーとしての役割を持たされているのでしょう。少しでも「走り」を志向するなら,一番高いSSU"Super Strut Package"を選択せざるを得ないようです。