TOYOTA CALDINA 2.0GT-FOUR“N EDITION”(4AT) 2002年11月
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スポーツカーは嫉妬するか?
駐車スペースから道路へと動かし始めてすぐに,ステアリングの適度な重さに感心。最近乗った例では,同じくトヨタのランドクルーザー・プラドのステアリングもよかったのですが,カルディナもなかなかのものです。スポーツモデルらしい重さ(つまりプラドよりかなり重い)が与えられており,うちのレガシィ250T-V(BH9C型)の軽い軽いパワステに慣れた身には,ちょっと重すぎるか?とも思えましたが,慣れればこれくらいのほうが…というアシスト量です。舵角を大きくとっても,同じ感覚で切れていくのがいいですね。セールスさんが同乗しなかったのを幸い(?),ちょっとしたワインディングも試してみました。4輪駆動のスポーティーカーらしく,オンザレールできれいに回ります。初めての車にもかかわらず,不安を感じずに走れたのは,安定志向が高いといえるのかも。こうした場面でも,ステアリングの感じはいいですね。右左と速めに切り返しても,最近のトヨタ車にありがちなバーチャルな無感触っぽさは出ませんでした。レーンチェンジも○。といっても2〜3車線の道はかなり混んでいたため,側道からの合流時に80km/hまで加速しながら中央レーンへ入ったのを別にすれば,40km/h+αでやや加速気味という状態でしか試せませんでした。そうした条件に限れば変なロールもなく,かなり気持ちよく操舵できます。ここんとこはちょっと…
逆に気になったのは,ステアリング中立付近の遊び。ステアリングホイールの円周上で,およそ指2本分の遊びがあります。つまり微舵があてにくい。直線に近い緩〜いカーブでは特に嫌ですね。この部分は空回りしているような感触のため,直進状態でもピシッとまっすぐに走らせているという気になれません。もう一つ気になるのはABS。60km/h+αから試してみたブレーキの効きそのものはまずまずですが,スポーツABSという割には介入が早いような…セリカのスポーツABSより早く作動たように思います。キックバックは小さめでした。一番の問題は,最後にハンドルを振られること。2回試して2回とも,停止直前に右にハンドルを振られてから止まりました。ひょっとすると轍の影響か,それとも個体の問題なのかも?まだまだ3S-GTE
エンジンは古典的な3S-GTEですが,ひところより音は静かになったように思います。3000〜4000rpm回っていれば,まずまずのトルク感を伴って加速します。そうそうフルスロットルを踏めたわけではありませんが,スバルのシングル・ターボ車に見られるような段付感は感じませんでした。もちろん大排気量エンジンのような低回転からのトルク感はありませんが,単にターボラグが小さいというだけではなく,スゥーッとトルクが増していくといったスムーズさです。もっともその分,ターボ車らしい刺激もスポイルされているといえそうです。少なくとも,血の気の引くような加速感は期待できません。RECAROと乗り心地
最上級グレード“N EDITION”に標準のレカロ製シートのホールド感はさすがです。ワインディングを走らせたときでも,細身の私を十分にホールドしました。逆にいえば,豊かな体型の人は長時間は辛いかも。サイサポートは一段引き出した状態が私の脚の長さにはベストでした。これでシートの前端がもう少し下がってくれると,言うことが無いのですが。ここでも一つ苦言が。急な減速やコーナリングでは,シートレールの辺りからギギッという低級音が。う〜ん,これもレカロらしいと言えばレカロらしいんですが(^_^;値段を考えるとちょっと…。乗り心地は本当に硬い。細かなハーシュネスは適当にいなしますが,大きな路面の凹凸に対しては,レカロ・シートの硬さもあいまってか,しっかりショックを伝えてしまいます。純粋にスポーツカーとして峠を攻めるだけならこれでもいいんですが,ワゴンとして長距離を走るとなるとねぇ。ドライバーはまだ我慢できても,パッセンジャーは疲れてしまいそうです(あ,これってアテンザにも似たようなことを書いたっけ)。車庫入れテスト
最後は例によっての車庫入れ。屋外の展示コーナーから走り出したので,同じ場所に戻したのですが,車両感覚の掴みにくさにはまいりました。逆三角形のリアクォーターウィンドゥと幅広の台形のDピラーによる左後方視界の不良は,外観から想像されるよりはましでしたが,幅寄せには非常に気を使いました。またリアウインドゥが上下・左右とも予想外に小さく,後方の感覚も掴みにくいため,壁までの距離が分からず,いったん降りて後方を確認しちゃいました。SUVや1BOXのようなリヤアンダーミラー,あるいはTVカメラが欲しいかも。それとも,この程度はオーナーになって「慣れれば終い」なんでしょうか。重箱の隅つつき(笑)
パーキングブレーキは足踏み式。いくらATの設定のみといっても,いくらなんでもこれは…。そりゃあ,サイドブレーキを引いてスピンターンをしたり,ドリフトのきっかけを作ったりというユーザーの割合は限りなく零に近いでしょう。しかし「スポーツカーが嫉妬する」なんてキャッチコピーを掲げるくらいなのだから,気分を盛り上げるためだけでもサイドブレーキにしておいて欲しかった…。作動にも解除にも,結構大きな脚の動きを要求しますしね。だいたい足踏み式のパーキングブレーキって,作動中はフットレストに左足を置けません。スキー帰りの渋滞にはまった時や,運転席に座ったまま待機するなんてシチュエーションでは,左足の置き場に困ってしまいます。ラゲッジスペースはアウディA4アバントのような四角くトリムされたお洒落なもの。絶対的な最大積載量ではレガシィやアテンザにヒケを取りそうですが,日常的には十分かな,というレベルです。ところで,ハードボードのトノカバー(リクライニング用の隙間埋め〜これは先々代から進歩せず〜がくっついています)は,出先で思わぬ荷物を積む破目なったらどこに仕舞えばいいのでしょうか。床下には入らないし,ちょっと片隅に…というには大きすぎるし。セールス氏は「家においてから出かけていただくしか…」と言っていましたが,駐車場が遠い人はどうすりゃいいんでしょうね!(2002/11/06)