TOYOTA BREVIS Ai250 (5AT) 2001年8月

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   トヨタCクラス?
エスティマ・ハイブリッドが発表されたとき,どんな四駆システムなんだろうと資料を貰いにディーラーに出かけました。その際,店頭に置かれていたのがこのブレビス。最初「なんでCクラスがこんなところに置いてあるんだろう。お客の車か?」と,冗談抜きに思いました。Cクラス,もちろんメルセデス・ベンツのCクラスです。ウインドー・グラフィックといい,トランク周りのラインといい,本当にそっくりです。

そういえば,今度のセルシオのウインドウ・グラフィックも,先代のメルセデスSクラスにそっくりですよね。ひところ,マツダの車が外国車のそっくりさん(FCのRX-7がポルシェ944,5代目ルーチェがベンツのSクラス,7代目ファミリア4ドアが同じくベンツの190E)といわれましたが,トヨタのやることも同じだったりして…。

   やっぱり直6!でも…
2.5gには前後可動式のペダル(まるでF1のレーシングカーみたいな装備)はつかないものの,シートの調整とステアリングのチルト及びテレスコピックによって,ドライビングポジションの選択幅はかなり広そうです。シートはクラウンより固めでしょうか。室内は思ったよりも狭い感じ。基になったプログレが“コロナ・サイズの高級車”を謳っていましたから,こんなものなのでしょう。しかし重量はなんと1520kg。クラウンの2.5gロイヤルサルーンと変わりません。同じエンジンを積むとはいえ,なんとも納得がいかない重さです。

その2.5gの1JZエンジンは,先に乗ったマークUの1G-Fエンジンと違ってさすがに余裕しゃくしゃくです。直列6気筒というレイアウトのエンジンは今や減りつつありますが,“完全バランス”といわれるだけあって非常滑らか。音も振動も極めて少ないのが印象的です。以前,レガシィのランカスター6に乗ったときにも振動のなさに驚きましたが,ブレビスもそれに勝るとも劣りません。ただ防音は,クラウンほどではないようです。車の性格付けの問題なのかな?

気になったのがアクセルと回転とのつながり。クラウンでも踏み込み量と回転の上昇の関係に違和感を憶えましたが,それとは違って踏み始めが妙に重く,あるところから急に軽くなって回転が上がる,というもの。ひところのベンツが,踏み始めの反応をわざと鈍くしているという話がありました。そこまで似せているのかと思いきや,セールスマンは「直接噴射のD-4のせいでは」と言っていました。

   さすが…の乗り心地と操作性
55タイヤを装着していましたが,さすがにトヨタの高級車,乗りごごちは良好です。サスペンションを含めて,クラウンのロイヤルサルーンよりは固めの設定でしょうか。ステアリングはとても素直です。クラウンほどにはバーチャル・リアリティー的な感じはなく,操舵,保舵ともにある程度の手ごたえを感じることができました。プログレが基本的にはアルテッツァをベースにしているらということなので,その亜種であるブレビスの脚がいいのは当然かもしれません。防音の件といい,いくらかスポーティーな味付けになっているのでしょう。

ブレビスAi250に試乗した時点でのクラウン・ロイヤルサルーン2.5およびアスリート2.5との価格差が1万円(マイナーチェンジでクラウン2.5gにもD-4を積むようになった今は3万円差)。クラウン,特にアスリートとの違いはどう考えたらいいのでしょうか。選択の基準は,車庫の大きさだけ?