TOYOTA AVENSIS Wagon Xi (4AT)　2003年10月

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　　英国製トヨタ車
ヨーロッパではトヨタ・ブランドの最上級モデルだとか，あちらでは1.6�g，1.8�g，2�gディーゼルを積むんだとか，なかなか話題豊かなセールスさんでした。ということで英国製のトヨタ車。国産車に試乗する際，普通だとシートを一杯に下げた位置でドラポジを合わせるのですが，チルトハンドルが意外に下がらないので，今度ばかりはシートリフターのお世話になりました。イギリス人は座高が高い？　あ，テレスコもちゃんと付いていましたが，一番奥に押し込んでセット。やっぱり私の腕脚比は，イギリス人よりも…(Ｔ_Ｔ)　シートは一見すると薄くてちゃちなようなのですが，なかなかしっかりした造りで寸法も十分にあり，ホールド性もなかなかで，結構スポーティーなものでした。しかし，インパネの造りはちゃちで，トヨタ車とは思えない出来具合。まぁスバル並みの仕上がりです(笑)。

　　納得のパワープラント
直噴D-4エンジンは，直列4気筒としてはかなり静かな部類でしょう。振動も少なめですが，ファスト・スローの際の排気音は車格に似合わず，いささか勇ましく聞こえました。で，走らせてみると，平地では全く問題がありません。流れに乗ってはもちろん，踏み込んでやっても期待した通りの加速を示します。音と振動はそれなりに高まりますが，まず許容範囲内ですね。で，今度は上り坂。1.4ｔの車重は，155ps/19.6kgmの2�gエンジンにはちと荷が重いようで，思うようには加速してくれません。アクセルペダルをじわじわと踏み足すようなやりかたでは，「おーい，失速するなよ〜」という感覚に襲われます。もちろんキックダウンさせてやれば問題なく走るのですが，かなり踏まないとシフトダウンしないようです。次はシフトレバーをSポジションに入れてのマニュアル操作。反応が比較的早い上に，変速ショックも少ないというかなりの出来ばえ。エンジンブレーキ使用時ばかりでなく，山道の上りなどでも重宝しそうです。だからキックダウンが鈍くてもいいというつもりかも？

　　効きは良好，鳴きもすごい！プレーキ
プレーキはBOCH製。踏み始めのペダルの遊びが大きく，少々慣れを要するのですが，踏込んでしまえば実に気持ちよく減速します。ABS作動までは試しませんでしたが，これは優れもの！と思いました。ただ，止まる寸前に“コゥィー”と鳴くのはご愛嬌？先のセールスさんによると，まだ対策ができていないんだそうです。BOCH製ねぇ，効くからいいと諦めるしかないのかな？鳴くといえば，サスペンションのきしみ音が車内に侵入する個体もあるんだとか（さすがにセダンではなく，ワゴンに限られるようですが）。効いてる証拠，動いてる証拠…と笑って済ませる日本人がどれだけいるんでしょうか。

　　トヨタ車とは思えない…足回り
ハンドリングはGood！の一言。交差点でも緩めのカーブでも，はたまたレーンチェンジでも，少なめのロールで確実に向きを変えます。最近の国産車に良く見られる，とっちらかるようは危うさは微塵もありません。ひょこひょこレーンチェンジを繰り返して遊んでしまいました。ステアリングはうちのBHよりはかなり重めなのですが，途中で重さが妙に変わることもなく，快適に走れました。そうそう，アコード・ワゴンで違和感を覚えた下りのS字も，ステアリングの感覚をしっかり保ったまま綺麗に駆け下りました。ここではさすがにロールが出ましたが…。とにかくアリオン/プレミオあたりとは比較にならない足回りの仕上がりです。カムリも割りとしっかりした足でしたが，走らせていて面白くも何ともない車でした。それに対してアベンシスはずっと運転していたくなる（ちょっと誉めすぎ？），トヨタ的ではない車，といった方が良いのかもしれません。トヨタもヨーロッパ仕様はちゃんとした車を作っているんだぁ…ん？ということは，トヨタって会社，日本人を舐めとんのかぁ？

リアシートをダブルフォールドした際，外したヘッドレストの置き場所がない！とか， 荷室拡大時にはパーテーションネットが使えない！とか， Liという高いグレードにしかカーテンエアバグが付かない！とか，Liは155psしかないのに280psのレガシィなみに215/45R17というロープロファイル・タイヤを履く！とか，気になる点は多々ありますが，四輪駆動の必要がなければ，これはこれでいい車だなぁ，と思いました。四駆は例によってVフレックスと称するオンデマンド方式だから，面白くないのですが。そうそう，この車も全幅はアテンザと同じ1760mmあります。ヨーロッパ基準ねぇ…(2003/10/19)