TOYOTA ALTEZZA AS200 Z EDITION (4AT) 1998年11月
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雑誌などでべたほめのアルテッツァ。RSについて辛口の試乗記を書いた自分が変なのかと反省し,もう一度乗ってきました。こんどは某評論家が「ベストバランスセダン」と評した,直6の1G-FEを積んだAS200の4AT。Z EDITIONのため,タイヤは直4版と同じ215/45ZR17を履いていました。スタートして加速する様子はスムーズの一言につきます。日頃6発に乗りなれていないせいもあり,静粛性と振動の少なさには脱帽もの。以前試乗したプログレの3gには及ばないかもしれませんが,長距離を巡航するときなどには,疲労が少なそうです。
ステアリングの応答性は4発と似たようなもの。長い6気筒が乗っているからといって,そんなに影響はなさそうです。もちろん,ちょっと素早いレーンチェンジをした程度での感想ですから,峠などへ持ちこめば,また違った評価が出るかもしれません。渋滞気味の低速走行でハンドルを左右に軽くゆすってみましたが,4気筒の頁に記したように,さほど敏感ではありませんでした。45扁平のタイヤとは思えない乗り心地の良さを再確認。でも45タイヤって高いんだろうなぁ。
さて,セレクターをDレンジに入れたままでのフル加速。3桁の速度に乗るまでの時間は,やはり4気筒よりかかる感じです。しかしシフトショックが少なく,快適に加速してゆきました。もっとも我がBG9は,現代のミディアムカーらしからぬ大きなシフトショックを示しますから(特に1速→2速),それを基準に較べたら,大抵の車は合格なんですがね。特別にトルクの谷やもたつきも無く,スムーズな回転の上がり方が印象的でした。ゲート式のセレクトレバーは,Dと3が隣同士。操作感が良く,エンジンブレーキをかけるときには重宝しました。このシフトパターンは,誤操作の心配も少なさそうです。
ちょっとスポーティーな外観の,普通のコンパクトセダンが欲しいという向きには,結構いいかもしれません。4気筒の6MTより乗りやすそうですから,通勤で渋滞の中を這いずり回るにはbetterです。でも,元気に走りたい人にとっては「アルテッツァの6発じゃなきゃ」と,積極的に選択するだけの理由も,あまりなさそうです。そうそう,例のクロノグラフメーターで,4発6MTには油圧計がついているところに,燃料消費計が付いていました。なぜ,全グレード同じ油圧計ではいけないのでしょう?少なくとも「スポーツセダン」を標榜しているのですから…。
ふと思ったのですが,アルテッツァは必ずしも卓越したハイパワー車ではないこと。一覧表にしてみると…
車名・グレード(変速機) 馬力荷重 トルク荷重 ALTEZZA RS200 Z EDITION (6MT) 6.48kg/ps 61.8kg/kg-m ALTEZZA AS200 Z EDITION (4AT) 8.31 65.2 LEGACY TouringWagon 250T(4AT) 8.00 59.6 EUNOS Roadster 1600 (5MT) 7.92 67.9
こうしてみると,RSの馬力荷重はたしかに目を見張るものの,他のデータは,そうたいしたことはありません。動力性能だけで判断せず,やはり峠のワインディングや,それこそサーキットにでも持ち込まなければ,アルテッツァの真価はわからないのかもしれませんね。