Audi TT Coupe 3.2 quattro S-line (DSG) 2004年03月
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3.5gV6+DSG
いやぁ,おもしろかった。3.2gV6エンジンから繰り出される250ps&32.6smの馬力とトルク。さすがにすごいすごい。低速でも3or4速入れっぱなしでOKのトルク過剰感(笑) アクセルを床まで踏んでやれば,それこそ怒涛の加速。過給エンジンじゃないから,実に気持ち良く回転の上昇とともに力が出ていることが実感できます。フェアレディZの3.5gより軽やかに吹き上がる感じです。目玉のDSG(ダイレクト・シフト・ギアボックス)も特筆もの。限りなくショックレスの上,変速があっという間に完了します。パドルを操作ちょんと引くだけで即座にシフトアップ。タコメーターの指針が下がるので変速が確認できるというくらいショックがなく,マニュアルモード付きトルコンATとは別次元です。シフトダウンでは自動的にプリッピングが入りますが,これはMR-SのシーケンシャルMTの方が上手いかな?というところ。ただ,パドルの低質感はなんとかならないものかと…とても¥5,350,000の車の,しかも鳴り物入りで登場したシステムのパーツとは思えないちゃちさです。足回りも良好
ステアリングは重め。3.2quattro に限らず,TTはみんなこうなのだそうですが,極低速での切り始めは「えっ?!」と思うほどです。しかし変なフリクションはなく,なかなかスムーズです。スピードが乗ってしまえば重さは気にならなくなり,60〜70km/hでのレーンチェンジではぐっと落ち着いた手ごたえとなります。試乗コース程度では「ロールって何?」というほど安定していました。緩いカーブの片側2車線の道路でのフルスロットルでは,制限速度の2倍を少々超えてしまいましたが,ぴたーっと張り付いたようなコーナリングで,全く不安感がありません。ボディの剛性感も極めて高く,ミシリとも…まぁスポーツカーの新車なら当たり前ですか。いっぽう乗り心地はそんなに悪くなく,街乗りにもリーズナブルです。1,550kgもあれば,たとえ40タイヤ履いていても,このくらいの乗り心地は当然かも。でも音は凄いですよ。Loや2ndで踏み込むと,すざまじいエキゾーストノートが室内を満たします。フェアレをディZのような重たい音ではありませんが,いまどきの高価格車には珍しい大音量です。これも刺激の1つと割り切れば,それはそれでいいのですが。DSGの話題に戻りますが,Dレンジに入れておくとトルコンATのような楽チンさ。トルコンがないからトルク増幅はしないけれど,エンジンのトルクが十分以上にあるから全く問題になりません。ン〜,これ買ったらマニュアルシフトなんかしないで,ずぅーっとDレンジに入れっぱなしのままで,ナマクラを決め込んでしまいそうです。しかしこれは,速く走るための道具としてはひとつの選択なのでしょうが,(クラッチつきの)MTとは全く別ものと考えた方がよさそうです。(Test:2004/03/28)