Alfa Romeo ALFA156 TWIN SPARK SELESPEED 1999年11月

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このWebページに時折登場する友人が,3日間の試乗という条件で,ディーラーからALFA156TWIN SPARKの「電子制御式油圧作動クラッチ」搭載版,SELESPEEDを借り出してきました。以前に5速 MTのTWIN SPARKには試乗したことがありますが(前項参照),そのときにはあまり良い印象がありませんでした。しかし,友人が試乗した MTのTWIN SPARKは,V6より軽快感があって良かったと主張するものですから,ものは試しと運転してみることにしました。

   シティモードは不快
まずは自動制御のCITYmodeでスタート。トルクコンバーターがなく,当然意図的な半クラッチもできないわけですが,案外簡単にスタートできました。でも最初のシフトアップで早々に「あれれ…?」。シフトアップの瞬間に,空走感ばかりかエンジンブレーキがかかったような感触があるのです。2速から3速,3速から4速でもまったく同じ。スロットルOFF→クラッチ断→シフト→クラッチ接の後,スロットルを開くタイミングが遅いのでしょう。例えばレガシィの1速→2速に見られるように,ドンと前に押されるように感じる,トルコン車でのシフトショックとは対照的です。とても乗りつづける気になりませんでした。

そこでマニュアルモードに切り替え。といっても,シーケンシャルのシフトレバーを操作してやれば,自動的にモードが変わります。きっと,マニュアルが基本という発想なのでしょう。こちらはけっこう快適です。厳密にいえばシフトアップ時の減速感はあるのかもしれませんが,意識的にシフト操作することで,普通のマニュアル車を運転するときと同じ心構えになる,つまり一瞬の空走感を覚悟するせいか,気になりませんでした。

   ロボットがブリッピング?
シフトダウンは秀逸です。シフトレバーを引くたびに,自動的にブリッピングを入れながらギヤが落ちていきます。ヒール&トゥの必要がないばかりか,人間より上手だったりして…。ただ,これはシフトアップにもいえることですが,最新のレガシィB4のステアシフトより反応が遅いようです。びっくりしたのは,ステアリングのスポークにつけられたボタン(右図参照)で作動しなかったこと。友人が借り出した直後から具合が悪くなりだしたとかで,わたしがハンドルを握った時点ではまったく操作を受け付けませんでした。このステアリングのボタンが売りの一つのはずなのに…こうした電気系の弱さが,やっぱりイタ車ですね。

   ドタドタヒョコヒョコ…
話は変わって,足には“?”がつきました。日本仕様はヨーロッパでのスポーツサスが標準なのだそうですが,これが固いばっかり。おもいきりドタドタして,乗り心地は最悪。助手席に座っていると,わだちに足をとられるのか,ヒョコヒョコするのがわかります。205という比較的広い55扁平のタイヤのせいでしょうか?TSの5MT車や,V6の6MT車ではあまり気にならなかったのですから,サスの設定が違うのかもしれません。また,普通のディーラーでの試乗と異なり,ワインディングや荒れた路面をもふくんだ十数kmにおよぶドライブだっただけに,あらが目立ったのかもしれません。しかし,それにしても…のレベルです。最近の国産スポーティーカーの足のしなやかさが印象的だけに,差がついてしまいます。

おまけに右ハンドル仕様のせいか,フットトレストに合わせてポジションを調整すると,アクセルが近すぎて右足の膝が浮いてしまいました。MT仕様では気にならなかったのは,足回り同様,試乗距離の違いのせいかもしれません。ちょい乗りならともかく,長距離を走った後でワインディングに挑戦するなどというシチュエーション向きではありません。「スポーツセダン」を自称するのですから,そうしたシチュエーションこそ得意でなければならないのにね。

   スタイルは一流
でも,走り去る後姿はやっぱり魅力的です。アルテッツァあたり以来,日本車もかなり塊感があるデザインになってきましたが,アルファロメオにはまだまだかなわないようです。またエキゾーストノートも,やっぱり「アルファ」と思わせるものでした。機械的な完成度以外のところに価値を見出せる人にとっては,380万円の価値があるということですか…。