MAZDASPEED ATENZA (6MT) 2005年12月

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MAZDASPEED ATENZA

  思ったほど過激じゃない…
ロードスターが世話になっているディーラーを覗いたら,なんとマツダスピード・アテンザが試乗車に下りていました。ターボ過給,四輪駆動という,文字通り速さ指向の仕様です。「これは珍しい」と,ひさしぶりに試乗好きの虫がうずきました。マツダ自慢のMZR2.3gにターボがついたL3-VTDエンジンは272PS/38.7kgmと,排気量の割りに控え目なスペック(スバルや三菱の四駆ターボに較べて,ですが)。“マツダスピード”の名を冠していて,いかにもバリバリのホモロゲーション・モデルのようですが,ライバルはインプレッサSTiやランサー・エボリューションという訳ではなさそうです。実際に直線路でアクセルを踏んでやると,確かにシートバックに背中が押し付けられる強力な加速は示すものの,頬が引きつるような突進という感じではなく,グゥーと力強く前へ出るという表現の方が当てはまりそうです。年末の国道&県道は交通量が多くて思うように加速できなかったため,4速までしかシフトアップできませんでしたが,どのギヤでもほとんどターボラグを感じさせずに,比較的低回転から粘り強い走りを見せ,とてもいい感じでした。

  久々のエンスト経験
ただしアイドリング+αという極低回転でのトルクは細く,アクセルを踏まずにクラッチを上げるといとも簡単に?エンストしてしまいました。それも長からぬ試乗の内で2回も…(T-T) 圧縮比は9.5ですから,そんなに低いわけでもないのに…1500rpmくらい回さないとスムーズな発進は難しいな,という感じでした。もっともこれは試乗車のクラッチの癖のせいもあったようです。踏み始めから途中までが重く,ある点を過ぎるとスコッと踏み込め,その変わり目で一気に繋がるという妙なクラッチ。そのせいかヒール&トゥもスポーティーカーとは思えないやりにくさでした。同乗したセールス氏によると,試乗車が最初期生産の個体のためらしく,最近納車した車はすでに改良されたのか,こんなことはなかったそうです。

 良好なコーナリングとジェントルな乗り心地
一方,コーナリングは予想に違わず非常に気持ちのいいものでした。ステアリングを切った分だけ素直に向きを変え,交差点での左折のようなRの小さなコーナリングでも,ロールが極めて少なめで安定した姿勢のため,安心して飛ばせる感じです。タイヤがしっかりと路面を捉えている感覚が伝わってきました。その割りに乗り心地も良好で,路面の小さな凸凹はサスがしっかり吸収してしまいます。路面に対してタイヤがきちんと追随しつつ,その上うねりもいなしてしまうという洗練された仕上がりです。大き目のギャップではさすがにドシンと来ますが,インプレッサSTiのように“走りのためには乗り心地なんて…”という方向とは明らかに路線が異なります。エンジンの特性と足周りの設定がきちんとバランスしている印象。同じ215/45R18を履く23Zの乗り心地が良かったのは以前にも書きましたが,乗り心地はそれと大差のないものでした。おまけに23Zにみられたロールからの回復時の不快感もないし…

“マツダスピード”というだけあってか,速度計は280km/hまでスケールが切られていましたが,リミッターはやはり180km/hで介入するとのこと。目盛の間隔が狭くて見にくいだけのような…これはあんまりいいとは思いませんでした。

これで税抜き車両本体価格が288万円。レガシィB4 GT spec.B(5MT)と全く同じ値付けというのが…やはりターゲットはこのあたり,というのが図らずも明らかに(笑)。(Test:2005/12/25)