TOYOTA ALLION A20 S-package ” (Super CVT) 2002年1月

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   ステアリングのフィードバックが
のっけから苦言で何ですが,下り坂のコーナーでなんとも言えぬ違和感を感じました。現行カローラ(120系)の試乗記に「試乗コースに,降りきったところが信号交差点の下りカーブがあったのですが,ここを駆け下りて止まるまでが,いってみればテレビゲームのような感じ」と書きましたが,今回も似たような感覚でした。ハンドルを切れば切っただけちゃんと曲がるのですが,フィードバックが全然ないんですね。これは気持悪いですよ。

試乗コースがと〜っても短かく,かつ交通量もそこそこあったため,上記のコーナー以外は普通に走っただけで,レーンチェンジや急制動は試せませんでした。その限りでは本当にフツーのトヨタ車です。足回りのセッティングもブレーキも,特筆するようなことはありません。試乗車は2gのCVTでしたが,上り坂の途中でも変速ショックがないことを除けば,特に良くも悪くもなし。例のD4という直噴エンジンだからといって,特徴があるわけではありません。この点はブレビスの時のセールス氏の言とは異なります。

ある雑誌によると,Opaのシャシーを使っているのだとか。ひところのトヨタ車のようなブカブカフワフワした感触ははさすがに無くなりましたが,「足のいいやつ,カリーナ」というコピーでデビューした初代は遠くなりけり…です(あ,だからカリーナやめてアリオンなのか!?)。同乗してくれたディーラーの所長が「千葉真一っていっても,うちの若い所員には分からないですから…」と嘆いていました。

   トランクスルーはいまいち
プレミオと同様,トランクスルーが可能なうえ,セダンなのにリアシートがダブルホールドするのが売りですが,起したシートクッションが固定できないなど,あちこちグワグワしてなんだかとっても安っぽい印象。カローラ・フィールダーの部品を流用したのかな?と思ってしまいました。ダブルホールドなのにシートバック部分がフラットにならないのは,カルディナといっしょ。リアシェルフはしっかりしたハードボードで,リクライニングに対応して可動するように工夫されているのですが(カルディナの安っぽいビニールに較べたら格段の進歩!),いっぺんトランクスルーのために外したら,再度装着するのにはひと苦労しそうです。シートベルトを再セットするのもたぁ〜いへん。ボルボやレガシィのような自立式にするのって,余程お金がかかるのでしょうか?

シートと言えば,運転席・助手席が小さい小さい。ひところ日産車のシートが小さいと言われましたが,トヨタよ,お前もか…になってしまいました。レガシィのシートが比較的大きいので,余計にそう思うのかも知れませんね。

   バックガイドモニターは,でも
ギミックと舐めていたバックガイドモニターは,意外や優れもの。NAVI用のディスプレイを利用し,後方の映像に重ねて,車両の延長線とハンドルを切った量に対応する予想進路が表示されるのですが,この画面だけを見てバックしたのに,駐車スペースに一発できちんと入れることができました。ただし,この装置に必要な純正のNAVIのお値段は27万円から…とのことでしたね(^_^;