HONDA ACCORD 24TL & WAGON 24T(5AT) 2002年12月

MENU

  

  シートはいまひとつ
こんどのアコード,また少し大きくなりました。大きくなったり,引き締まったり,なんだかスカイラインみたい…。セダンの試乗車,24TLは,本革と人工皮革のコンビネーションの内装を持つ,いわば旦那仕様の最高級グレードです。シートはどちらかというと小ぶりなのに,座面前端が妙に硬く盛り上がり,膝裏が当たってしまいます。身長164cmの自分では,ペダルを踏み下ろすような格好になり,あまりいい気分ではありません。インスツルメント・パネルは,いまどきの車には珍しいくらいの高さ=ボリューム感で,やや圧迫感があります。おじさんは,ひところ言われた日産の「絶壁」を思い出しました。

  スポーティーなサス・セッティング
走り出してみると,ステアリングはやや重め。うちのBH9レガシィよりかなり重い印象ですが,操舵に対して素直に向きを変えてくれます。ただ,大きく切り込んだ時には,重さが妙に変化するように感じました。低速域での乗り心地はお世辞にも誉められません。路面の凹凸をこまめに拾ってしまい,常にコツコツと突き上げられます。55タイヤの割には硬い乗り心地で,街乗りには不向きでしょう。しかし速度を上げると次第に気にならなくなり,80km/hを超えると(^_^;非常にフラットになります。ワインディングで速めのコーナリングを試みても,変なロールも出さずにオンザレール感覚で曲がって行きます。さすがはホンダ!アコードを買おうという人は,旦那仕様でもスポーティーな脚回りがついていた方が納得できるということなのでしょうか。また,上下に大きくうねった道を60〜70km/hで通過してみましたが,サスペンションが底付きすることはありませんでした。かつてと違い,最近のホンダ車のサス・ストロークは長くなったというのは本当のようですね。

  さすがはホンダ!のエンジン
2.4gから200馬力を搾り出すエンジンは,いかにもホンダらしく綺麗に吹けます。長い直線道路は交通量が多かったので,そんなに深々とアクセルを踏めたわけではありませんが,けっこうな加速感を示し,その割には騒音は控えめな方です。やっぱりエンジンのホンダ,の面目躍如です。もっとも車両重量が1,430kgもあるためか,劇的な加速という訳にはいきません。トルクでドーンと持っていくというより,回転を上げて…というエンジンの性格が,この車重を持つクラスの車にうまくマッチしていないのもしれません。直角バックではウエッジシェイプが強いためか,左後方の感覚がやや掴みにくいのですが,ボディ前後の絞込みが大きくないため,真っすぐに止めるのは比較的楽でした。

  楽しくは…ないかも
ただ,トヨタ車のようなバーチャルな感覚ではないものの,いまいちステアリングへのフィードバックがなく,正直いって,運転していてあまり楽しいとは思えませんでした。とても無機質な感じといえばいいのでしょうか。コーナーへの進入の際も,なんとなく「分かりにくさ」を感じてしまい,もうひとつ踏込めずに躊躇したところがありました。もう一つ気になったのがシートに伝わるエンジンの微振動。十数分間の試乗の終りごろになって収まったので,暖機が不充分だったとも考えられますが,アイドリングは800rpmほどで落ち着いていたし,前の人の試乗が終わるのを待っていて乗ったのですから,もう十分に温まっていたと思うのですが…なにか釈然としない振動でした。

  ワンモーションリアシート…
こんどはワゴン。ワゴンのリアシートは,一操作でダブルフォールドするという面白いカラクリの“片手でスマートに収納,ワンモーションリアシート”。起こした座面もしっかり固定されて,これは面白い優れもの…と思ったのですが,実際に操作してみるとかなりの力を要します。ヘッドレストを倒して座面を跳ね上げ,シートバックをたたむという手順を一括して行うので当然かもしれませんが,片手ではちょっと無理でした。「女性でも片手で…」とのセールストークでしたが,よほど筋力トレーニングを積んだ人がテストしたのでしょうか。おまけに座面自体も薄く,なんだかシートバックの背も低いし…座り心地ではレガシィの敵ではないな,というところ。頻繁にシートをたたんだり起こしたりするなら別ですが,一般的な(少なくとも私の)頻度ではここまでしなくても,と思いました。

  売りはパワーテールゲート
モーターでリアゲートを開閉するパワーテールゲートが標準装備。スーパーでいっぱい買い物をしたときには,確かに便利そうです。でも,ゲートが開く時の後方への張り出しは比較的大きいので,後ろの車や壁にゴツンとやらないか心配です。また,ヒンジやアクチュエーターをカバーするためでしょう,天井がぐっと下がってしまっています。ルーフラインの割りに,リアクオーターウインドの上下幅が小さい理由はこんなところにあるのかも。先代のアコードワゴンと違って,トノカバー下の高さは十分ですが,荷室の全高はあいかわらず不足気味になってしまいました。パーテーションネットはBG/BH型レガシィと同じような,シートバックにつく2分割のタイプがオプション設定。これが31,000円。ルーフレールもオプションで,写真で見る限り少々不細工なものが35,000円。うちのBH9レガシィ250T-V並みの装備にすると,かなりの価格になりますね,これは。

  走りはセダンと大同小異
ワゴンはセダンに較べると騒音の侵入は大きいようです。そんなに回さなくても,わりと耳につくなぁと感じました。試乗した24Tの車両重量は1,540kg。二輪駆動なのに,四輪駆動のレガシィ250T-Vより70kgも重い数字です。セールスさんも重量に関しては言葉少なでした。上記のパワーテールゲートも重量増加に加担しているに違いありません(リアシートも電動にしたらいいのに…といったら,重量的に無理でしょうといわれました)。ボディ構造による音の侵入に加え,どうしても重量に抗して回しがちになるのも煩い理由なのかもしれません。

ワゴンの試乗コースに,下りのS字がありました。セダン同様,操舵量に応じてきちんと向きを変えるのですが,ステアリングとタイヤとが直結していないような感覚です。テレビゲームとまではいいませんが,スバルとはえらい違いでした。一定速度で走行中の乗り心地もざらざらした印象。車好きらしいセールスさんが「スバルは,あたりはソフトなのにしっかり最後まで粘るサスなんですよねぇ。ホンダはそこがちょっと」といっていました。