HONDA S2000 (6MT) 1999年5月

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   HONDA S2000発表
HONDA S2000,すごい評判ですねェ。書店の店頭に並んだ自動車雑誌は全て特集で取り上げているし,1台1冊の臨時増刊号も両手の指に届くのではないかというフィーバーぶりです。S600の生産終了から30年,NSXの市販からでも10年になろうとしています。フォーミュラ1に挑戦するホンダの久々のオープン2座スポーツに,いやがうえにも期待が高まるということでしょうか。いい年をしたおじさんが,ユーノス・ロードスターなんぞでディーラーの発表会に行くものだから,その2週間後に早速セールスマンから試乗案内のрェ入りました。

   大柄な外観,タイトなコクピット
さて,試乗に用意されたS2000はシルバーストーンメタリック。色の名前はうちのユーノスと同じですが,どちらかといえばややガンメタっぽい感じです。色のせいもあってか,車体そのものはかなり大柄な印象を受けました。前にショールームで見たときも同様に感じ,その時は屋内に置かれていたせいで実質以上に大きく見えるのかと思ったのですが,屋外でも印象は変わりません。特に前後のフェンダーの張り出しは1,750mmの全幅以上に大きさを感じさせます。ユーノスが1675mmですが,75mmの違いとは信じられないほどです。4,135 mmの全長も,よくいえばのびのびとしていますが,悪くいえば間延びしたといえなくもない感じです。

シートに腰を下ろすと,ホールド゙感の良さはなかなかのものです。コクピットはかなりタイトで,着座位置が低いせいかはたまたウエストラインが高いせいか,囲まれ感は強めです。チルトステアもなく,シートスライドとシートバックの角度調整だけのシンプルな設定ですが,私の場合は違和感のないポジションが取れました。ちょっとクラシカルな,ストレートアーム気味のドライビング・ポジションが似合うようです。

   エンジン始動とステアリングと
いよいよエンジン始動。キーをひねった後,メーター表示がゼロに戻ったところで,例の赤いボタンを押してエンジンスタート。よく「レーシングカーのような」と形容される手順ですが,オートバイはみんなこうなんですよね。さすがはホンダ!ほとんど瞬時にかかったエンジンは意外に静か。もちろんオープンでの試乗ですが,排気音も気になりません。アルテッツァのチューニングカーなみの排気音とは対照的です。レーシングをしてやると吹きあがりは2gのエンジンとは思えない軽さです。これも予想外に軽いクラッチを踏んでギヤを1速へ。シフトストロークはユーノスよりもさらに短めです。

1,500rpmくらいでクラッチをつないで発進。さすがは2000cc,こんな低回転からでもトルクを感じさせて滑らかにスタートします。360mmという小径のステアリングは,パワーアシストの量が適切で重過ぎず軽過ぎず。いやもう少し重い方が「らしい」かな。センター付近の遊びがほとんどないのはユーノスと同様です。試乗中とても快適だったのは,このステアリングホイールの功が大きかったように思います。

   走ってみると…
50〜60km/hまでの加速はスムーズの一言に尽きます。新車のはずなのにシフトはコクコクと楽に入るし,エンジンの吹きあがりも全くストレスを感じさせません。乗り心地も上々。まぁ今どきは45タイヤを履いたレガシィGT-BやアルテッツァRSでも良好な乗り心地を示すのですから,55/50タイヤのS2000の乗り心地に驚いていてはいけなのかもしれませんね。しかしスポーツカーというキャラクターを考えると,特筆物の乗り心地といえるでしょう。

さて,交差点の右折レーンで先頭になりました。対向車が途切れたところで,思いきってアクセルを踏んで発進。ほんのわずかにロールしたまま,安定してするどく加速します。7,000rpmくらいでシフトアップしていくと,たちまち制限速度の2倍以上に…困ったものです。フルスロットル時にもアルテッツァで感じたような段つき感は全くなく,VTECの完成度の高さを思わせます。同乗したセールス君によると,出たばかりのころの1.6gのVTECは(たしかシビック用でしたね),結構くせがあったそうですが…。9,000rpmのレッドゾーンに入れてもなお回転の上昇が衰えないのは,さすがにエンジンのホンダです。

   で,結論は…
9,000rpmのレッドゾーンまでなんなく吹けて行くさまは,自動車というより本当にオートバイみたいでした。何だか非現実的というか,こま落し的な加速感は5kg/PSの馬力荷重ならではでしょう。しかしたとえば NSXのような感動はありませんでしたね。ハンドリングといい,エンジンといい。おまけに,F1ライクというデジタルメーターも,必然性が感じられません。だってレーシングカーのメーターって,タコがデジタル表示なんでしょう?おまけに結構読み取りにくいんですね,これが。まぁ慣れの問題が大きいのかもしれませんが,そういうところはアルテッツァのクロノグラフメーターといっしょです。

結論としては,ユーノスの後継車としてはちょっと…。この大きさとパワーは見晴峠や戸越峠では持て余してしまいそうです。値段も値段ですしね。ちなみに現在,予約の解除があいついでいるそうです。事前の予想では250万円といわれていたのに,蓋を開けたら340万では二の足を踏むのは当然かもしれません。熱烈なホンダファンならいざ知らず,ちょっとオープン2シータでースポーツを…という向きにはマツダ・ロードスター1800RSでいいなァというのが,今日の結論でした。ホンダさん,ホンダファンの皆さん,ごめんなさいね。