槍ヶ岳登山記 その3 3日目と感想
3日目はひたすら下山。2日間かけてきた道をそのまま下る。
違うルートで帰ることも出来るが今回は見送り、普通に戻ることにした。

朝、山頂再挑戦もあり得たがやめておいた。
晴れてはいたが、遠くには霞が掛かっていたので素直に下山することに。
天気も時の運、風景そのものは山荘で見ても山頂で見ても
高度差100mほど、実はそんなに違うわけではない。


ご来光。5時5分頃だったかな?
山頂でご来光を見る人たちは
4時前からライトを付けて登っていた。
3時頃に外に出てみたら満天の星空。
高度3000mで見る夜空はまた格別。
星が見えすぎて星座が分からないほど。
ちなみに、写真左端の小さい方の
突起が有名な(?)小槍。
大喰岳方面を望む。
名残惜しいが6時10分出発。


標高2600m付近に湧き出る水場。
冷たくておいしい。水を補給。
自宅にもペットボトルで持ち帰り、
留守番組におみやげとした。
梓川の清冽な流れ。
恐ろしいほどの透明度。


1時15分頃上高地バスターミナルに到着。
とたんにスコールのような大雨。ぎりぎり逃げ切った感じだ。
途中、30分休憩や昼食を挟みながら、またしてもコースタイムを上回り、
自分でも驚くハイペース山行となった。
自分の日頃の体力増強、ダイエットの効果もさることながら、
息子の体力の伸びも著しいと感じた。
別にレースしている訳でもないが、午後雨になりがちな山中においては
早め早めの行動は、結果的にも気分的にも余裕をもたらす。

結果論的には、1日目に今回2泊目の目的地の
槍ヶ岳山荘まで一気に登り切ることも可能だったかもしれない。
氷河公園コースの選択もあり得た。これは本音では行ってみたかったな。
だが、私たちは親子山行である。そもそも、経験の絶対値が足りない。
万一の事態は勿論のこと、疲労や天候の急変のことも考えると
あらかじめ無理目なプランを立てることは避けるべきであろう。
実際、2日目は午後大雨になった。無理していたらどうなっていたか・・・
逆に、2泊プランであれば行動時間に余裕があるので、
欲張った計画をしなければ、素人でも山頂に立てる可能性が高いと言える。
また、早い時間に山小屋の受付をすると、端っこの壁沿いの布団が
割り当てられるので、個室でなくとも多少マシな環境が得られる。

道中、小学生らしき登山者も何人か見かけた。
しかし、よく見ると、ほとんどは父親が山岳部出身か?といった感じで
当然のようにテント泊である。小屋泊の小学生はほとんど居ない。
テント泊もちょっとあこがれるが荷物が重くなるし、悪天時の地獄図を想像すると
ちょっと引いてしまう。と言うか、今の私のレベルでは無理。

子ども連れ山行は親のエゴで無理に連れて行くと失敗する可能性が高いだろう。
子どもは今さっきまで元気で走っていても、突然電池が切れてしまうことが多い。
それだけに、本人のやる気、集中力の持続は非常に重要な要素と言える。
最低限の経験と基礎体力、基礎知識を備えているのは当然の条件。
大人でも同じだけど、体力も必要だが、気力の方がもっと必要なのである。
「頂上に立つんだ」という目的意識の強さだけが足を前へと運ばせる。
性格的な向き不向きもあるだろう。
計画立案に始まり、コース設定やペース配分の判断力、
天候不順やケガなどで断念する場合の勇気は親の務めだ。

今回は運良く全く雨具を使わないで済んだ。
午後に雨が降るのは山の天気だから致し方ないが・・・
時期的にも3年連続で同じ時期だが、俗に言う「梅雨明け10日」は
本当に天候が安定しているというよい証左であろう。
そのかわり、一番混雑している時期でもある。

よく靴売り場に掲示してあるポスターのように靴のソールなんて剥がれないよ
と思ってるみなさん、ソールは剥がれます。
しかもいったん剥がれ出すと、どんどん剥がれていってしまうのです。
こういった場合の補修にも、ビニールテープはとても役立ちます。
今回の持ち物の中で、実際あって最も助かったのはこれだったかもしれません。

ともあれ、今回も満足の行く3日間を過ごせたと思う。
なお、槍ヶ岳山荘ではドコモは通じます。
電話も忘れずに持っていくことをお勧めします。

                          2005年8月8日作成
                          2005年11月21日一部追記


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