「闘い」という意味の女性名詞。これ一語でもおそらくプロレスの意味として通用するのでしょう。ちなみに母音 a で終わる名詞はまず女性名詞だと思って間違いないです。またスペイン語はアクセントのある母音をちょっと伸ばしてもいいので、マサ斉藤のような「ルーチャですか?」という発音も可。 例) ルチャ・リブレ(御存知プロレスに相当する西語) 英語で「フリー」にあたる形容詞。従って lucha libre を直訳すると free fight となるものと思われます。何かで「自由への闘い」とか訳されたりしているのを見たことあるが、正しいのだろうか? 例) ルチャ・リブレ * luchador(るちゃどーる) レスラーの意。「ドール」は「マタドール(闘牛士)」とかのと同じで、動詞から「〜する人・物」を表す動作主名詞(agent noun)をつくる接尾辞。女子レスラーは女性形の luchadora(るちゃどーら)となる。 例) ルチャドール(プロレスラー) * el(える) 男性名詞単数形につく定冠詞。早い話が、ザ(the)。 例) エル・サムライ、エル・カネック、エル・ヒガンテ 女性名詞単数形につく定冠詞。早い話が、ザ(the)。 例) ラ・ケブラーダ、ラ・マヒストラル 英訳すると、「ワン、ツー、スリー」。スリーカウントはこう数える様ですよ。ドス・カラスのドスもこれ。 顔。ドス・カラスというのは「2つの顔」の意味ということになるのですが、別にそんなアシュラマンみたいなマスクしてる訳でもないよなあ。ジキル&ハイドみたいなニュアンスってこと? この件に関して閲覧者の方から情報が寄せられました。この「2つの顔」はマスクのデザインの「双頭の鷲」のことだそうです。ナルホド! 例) ドス・カラス(複数形) * mil(みる) 1000。ミル・マスカラスってのは怪人二十面相みたいなノリなのカシラ。それにしても「千の顔を持つ男」とはうまいこと訳したものだと思うのです。 ma の a の上にはアクセント記号がのっかってます。アクセント記号付きの単語はアクセント記号の着いた母音にアクセントです。当然と言えば当然です。覆面、仮面、マスクの意の女性名詞。más はプラス(+)といった意味なので、文字どおり顔(cara)に着けるもの、という成り立ちの語でしょう。 例) ミル・マスカラス(複数形)、マスカラ・コントラ・カベジェラ 英語でいうところの前置詞 against。ま、「対」って感じデスかね。 例) マスカラ・コントラ・カベジェラ、マスカラ・コントラ・マスカラ * cabellera(かべじぇら・かべいぇら) スペイン語では「LL」は[y]とか[j]な感じで発音。特に中南米では濁りやすい。意味は髪の毛。 例) マスカラ・コントラ・カベジェラ(ところでこの「敗者覆面剥ぎor髪切マッチ」のことを一般的にはなんて日本語訳?) * tope(とぺ) 衝突、突き当たるといった意味の男性名詞。 例) トペ・コン・ヒーロ、トペ・スイシーダ 英語でいうところの前置詞 with。 例) トペ・コン・ヒーロ、ケブラドーラ・コン・ヒーロ 回転の意の男性名詞。スペイン語では「G」の発音は[h]と[g]の2種類があり、g の文字が i と e の前にある場合のみこの語のように[h]「ハ」行の発音になります。その他の場合は「ガ」行の発音です。 例) トペ・コン・ヒーロ、ケブラドーラ・コン・ヒーロ これ最後の ra が何だかさっぱり判らんのですよ。綴りはこうらしいんだけど。quebrar という壊す、砕くの意味の動詞があって、それの形容詞(過去分詞)は quebrado にはなるんだけどねー。ナニよ一体、ra って。 情報提供者現る!! 追跡調査結果(99/1/28) 先生曰く、まず 「quebradora は形容詞的な用法であろう」と。「えー、破壊者って意味の単語が形容詞ってゆーと「破壊者的」とかそんな感じ? そんな言葉おかしくないか?」と思ったもんですが、形容詞的というのはあくまで文法的に、のハナシ。それに、「者」って訳にこだわる必要もないことに気付きましたでス。だって英語の例えば piledriver の er も別に人を表しているわけではなく名詞化なんでしょうから。エース・クラッシャーなんてのもあるわけですしー。 そして何故女性形なのかという謎に関しては 「quebradora の前に女性名詞の省略があると考えられる」とのこと。例えば、drop の意味の名詞 caida(i の上にアクセント記号付き)が省略されているとする。「なんたらドロップ」だと長いから「ドロップ」を省いたんだろう、てな解釈である。すると、caida は a で終わることから予想されるように女性名詞であるので文法的にも上手いこと説明がいくのである! ・・・こんなとこで許してくださいよう。 例) ケブラドーラ・コン・ヒーロ * suicida(すいしーだ) 自殺者、命知らずな者の意。英語ならスイサイド。自殺的な、って形容詞でプランチャとかを後置修飾してるのかも。 例) トペ・スイシーダ、プランチャ・スイシーダ シカゴ大学西英辞典によると、flatiron, metal plate; gangplank; blunder だって。アイロン?金属板?大失敗? でもそれらしい単語これしかないし。動詞 planchar がアイロンかける、プレスする、って意味だからプレスって感じかも、ダイビング・ボディ・プレスみたいに。「自殺的大失敗」だったら嫌ですナ。 例) プランチャ・スイシーダ * quebrada(けぶらーだ) ええと、普通日本ではラ・ケブラータと発音されていることが多いと思うのですが、それらしい言葉が見つからないんですよね。かわりにケブラーダならあるのですよ。それも峡谷とか谷間とかいう意味の女性名詞で。こいつじゃないですかね。昔『ゴング』かなにかで技のフォームからこの「崖」の名が付いた、てなことを読んだこともありますしー。定冠詞が付いていますから、どこか特定の自殺名所みたいなとこなんかを指しているのかも知れません。 てなことを憶測で書いていたのですが、ようやくメキシコはアカプルコの「ラ・ケブラダ」(La
Quebrada, Acapulco)にて1934年に始まったと云う、1日5回、45mもの断崖絶壁からのダイビングショーが由来だと知りました。写真を見る限り、洒落にならないもンの凄いダイヴに思えるんですが・・・。 例) ラ・ケブラーダ * huracán(うらかん) ハリケーン、熱帯性低気圧の意の男性名詞。c の次の a の上にアクセント記号が付いてます。アメリカ(WWF)では「ハリケーン・ラナ!!」って叫んでます(byじむろす)。 例) ウラカン・ラナ * らな これ綴りが判りません。lana か
rana なのか。ちなみに、 WCWのページにRey Mysterio,Jr.のトコにSignature Maneuver:Huracanranaって書いてありますので、どうやらカエルの方みたいです。びよ〜んと高く跳躍、という点ではリープ・フロッグ(leap frog)と共通点がありますからね。 例) ウラカン・ラナ * sentón(せんとーん) しりもちの意。o の上にアクセント記号付く。職人ヒロ斉藤は相手の上に背中ではなく名前通り臀部を落としてますよね。でも三沢や川田らの背中を落とすのも好きだったり。 例) ダイビング・セントーン(半分スペイン語じゃないけど・・・(^^;)) * gran(ぐらん) 形容詞 grande の語尾脱落形。英語の great,grand にあたる。 例) グラン浜田、愚乱浪花 蝶。ちょうちょ。マリポーサ殺法といえば絶品ウラカン・ラナの遣い手グラン浜田ですね。モチ、↓の名は彼に由来するのでしょう。 形容詞。まあ英語の ultimate だと思っていいでしょう。最後の、究極の、という意味。u の上にアクセント記号がついていますの。 例) ウルティモ・ドラゴン、ウルティモ・ゲレーロ わざわざ言うまでもないですが、龍、ドラゴンの意味の男性名詞。ただスペイン語では o のうえにアクセント記号が付くので英語とアクセントが異なりますが。ウルティモはメキシコマットとWCWとでいちいちアクセント記号付けたりとったりしてたんでしょうかね。 スーパー。えー、これ以上説明すること無いです。極上の、とか最高級の、とかとてつもない、とか適当に訳して下さい。 例) スペル・デルフィン * delfín(でるふぃん) イルカ。i の上にはアクセント記号アリ。i にアクセントが付くときは、棒(|)の上の点(・)が(´)に変わります。 英語の dolphin の他に dauphin(ドーフィン。1349-1830年のフランスの第1王子の称号)って意味もありますが・・・、そんな称号知らないです。 例)スペル・デルフィン * doctor(どくとる) ま、判ると思うんですけれども、英語だとドクターに当たる語です。なにせスペルも一緒ですからね。ちなみにドクトル・ワグナーJr.のワグナーって作曲家のワーグナー(Wargner)からとってるそうですね。「わーぐなー?」って方のために乏しい知識をひけらかしておくと、藤原組長の入場テーマ『ワルキューレの騎行』を作曲した人です。こういったとっかかりからクラシックに入っていくのもいいんじゃないでしょうか。 例) ドクトル・ワグナーJr. 見事な、熟練した、権威ある、教師らしい、信頼できる、横柄な、といった意味の形容詞。英語のマスター(master)と語源的に同じだと思われまする。 例) ラ・マヒストラル * rey(れい) 王です。キングです。単語の頭に r がある場合は巻き舌で「るるるぇい」くらいに発音すると通なカンジで得意げぜよ(そうか?)。 例) レイ・ミステリオJr. 秘密、謎、神秘の意の男性名詞。過去の来日時はマスクマンだった天才児レイ・ミステリオJr.ですが、ケビン・ナッシュにマスクひっぺがされた今、素顔でヒップホップ小僧な風貌になってしまっていますから、神秘も何もあったモンじゃないですが。あ、あの妙なツノ(どうやってくっ付けてるの?)は神秘かも。アメリカWCWマットでは Mysterio と英語ふうに綴られています。 例) レイ・ミステリオJr. ネクタイ。このコルバタなる技、そんなに認知度が高くないと思うので僭越ながら拙い説明をいたしますと、ケブラドーラ・コン・ヒーロ(いまさらだけども風車式バックブリーカーね)をかけられたところをヘッドシザースホイップで切り返すような感じの技でして、なるほどネクタイっぽいかと。メジャーどころでは全日の浅子がわりと好んで使ってると思います。 御存知吊り天井、ロメロ・スペシャルの開発者はラウル・ロメロ、というレスラーだそうです。私ウカツでした。ロメロっててっきり人名だと思って調べるの怠っていたのですが、巡礼者、旅人、ピルグリムの意味の名詞だったのですね(同綴異義語としてローズマリー(植物)の意味もあるようですが)。おそらくラウルの方が人名(Raúl)なのでしょう。 例) ロメロ・スペシャル、ラウル・ロメロ(レスラー名) ロメロ・スペシャルとドラゴン・スリーパーの複合技とでも言えばいいんでしょうかねえ、カベルナリアって。言葉自体は洞穴の、洞窟の、という形容詞です。横から見ると掛け手と喰らい手が輪状あるいは三角形状になっていますから、そこから洞穴にでも見立てられたのでしょうか。でもなんで形容詞なんだろう?? なんか名詞の省略があるんだろうけど調べようがないなあ。 ゲレロファミリーのゲレロは戦士という意味の男性名詞です。これの女性形がゲレラになります。また、「ルチャ」の項にも書きましたが、アクセントのある母音は伸ばして発音しても良い(むしろ普通?)ので「ゲレーロ」という発音もアリです。 例) ゴリー・ゲレロ、チャボ・ゲレロ、エディ・ゲレロ、フーベントゥ・ゲレラ、ウルティモ・ゲレーロ * canek(カネック) メキシカンといえば空中殺法、というイメージが強いですが、昔からパワーファイターとして活躍して来た(らしい)エル・カネック。ついに2001年末、総合格闘技(DEEP)に登場。最初にその報を見た時にはオイオイ・・と思ったものでしたが見事に勝利を飾ったようで。スイマセン私は一度も動いているカネックを見たことがないのです。 そしてさらに申し訳ないことにカネックの意味が分かりません。綴りはcanekで間違いないと思うんですけど、そんな単語見つからないです。canecoで酔っぱらった、という形容詞がありますが、これ? でもカネックって『盗賊仮面』なんですよねえ、キャッチコピーが。うーんわかりません。ゴメンナサイ。 どうもカネックはアステカの王様の名前だとかいう話です(未確認)。 例) エル・カネック 叱責、罵倒はこちらまで → emeraldsword@lycos.ne.jp ルチャ語 知ったかぶり in 日本ぶどうCAN (c) BigTheぶどう |