○宵のまに| 仄 かに|       |  人を |みか月の|
 宵の間に|ほのかに|       |あの人を |見た時 、
     |ほのかに|空に光っていた|     |三日月が、
                           
○あか |で    |    入り|に   |し|    影 ぞ|恋しき
 よく見|ないうちに|山の陰に入っ|てしまっ|た、その月の姿が!|恋しいように、
 物足り|ないまま |    別れ|てしまっ|た、その人の姿が!|恋しいことだ。

 
正解です 「三日月」と「見」が掛詞です。三日月は、夕方西の空に架かるので、⇒の方向から太陽に照らされて右半分が光り、それが真南ではなく西空にあるので、細く見えます。そして、西空の低い位置にあり、宵になって二時間ほど経つと西の地平線に沈んでしまいます。これは地球が二十四時間で一回自転しているからです。この歌は、もっとずっと見ていたかったのに、十分満足しないうちに山の陰に入ってしまった美しい三日月の姿と、深い仲にならないままに分かれてしまった美しい人の姿を重ね合わせて、名残惜しく、恋しいと詠んでいるのです。

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