えー、今夜は、もう一度彼女の声が聞きたいという皆さんからの多数の声、 えー、そしてわれわれも、もう一度、彼女の声を聞きたい、そして彼女の日記。 かよちゃんの、6月30日に亡くなった、特集をしています。 あの、うん、実は先ほどの声から、えーしばらく彼女は、連絡が取れない状 況になったんです。というのは、一度、病状が重くなりまして、えー、日記 にも、その、病状が重い頃の日記というのは、えー、日記を見ますと、彼女 の字はですねえ、えー、本当にリズミカルで、きれいな字なんですけども その、病状の重い頃の字というのは、えー、字がゆがんでて大変苦しそうな 字です。 えー、ぼくらもそのころ彼女から手紙をいただきまして、えー、と思った時 がありました。え、しかし、また彼女はここでがんばるんです。 これが最後の出演になるんですが、えー、次に、うん、あ、そうそう、こ れを言わなきゃいけませんでした。あのー、先ほどは、骨髄移植が受けれる ということで、彼女たいへん喜んでいました。 しかし、えー、さまざまな事情があったんでしょう。ドナーの人が、ま、 それを拒否ということで、彼女は骨髄移植を受けられなくなりました。 え、日記にも書いてありますし、先ほどお姉さんと話をしてる時にも教えて いただいたんですが、えー、彼女も相当落ち込んでしまって、えー、10日間 くらいは、人としゃべることをしなかった、そんなことを乗り越え、6月1日 彼女の6回目の出演の声、その時の声を聞いてください。 ドリアン:「もしもし」 かよ:「もしもし」 ドリアン:「こんばんは」 かよ:「こんばんは」 ドリアン:「お名前は?」 かよ:「かよと申します」 ドリアン:「かよちゃん」 かよ:「はい、こんばんは」 ドリアン:「こんばんは」 かよ:「こんばんは」 ドリアン:「かよちゃん」 かよ:「はい、いろいろご心配かけてすみませんでした。元気です」 ドリアン:「本当に?」 かよ:「はい、うふふふふふ。驚異的ですね」 ドリアン:「・・・えーと、こちらも胸がいっぱいになってるんですが。あ、 ごめん、おれ、・・・」 かよ:「はい」 ドリアン:「おれが泣いちゃだめだね」 かよ:「はい、うふふふ、人間技じゃないですね。うふふ。」 ドリアン:「あ、ごめんね、かよちゃん」 かよ:「そんな、そんな、元気ですよ。うふふふ。」 ドリアン:「いやあ、うれしい。」 かよ:「すいませんでした。いろいろと心配をおかけして」 ドリアン:「なんかね、声を聞いた瞬間ね。ごめんなさい。だめです。 だめです。僕は。 えー、良かったねえ。」 かよ:「はい」 ドリアン:「声が元気そうです。」 かよ:「はい、体も元気です。」 ドリアン:「また、いや、回復してるんじゃないかっていうことは言って たんですけども。」 かよ:「はい」 ドリアン:「うん」 かよ:「すごい元気になりました。肺炎ももうほとんど直ってしまい ましたし。」 ドリアン:「落ち着いてきた?」 かよ:「はい、来週退院します。」 ドリアン:「退院!」 かよ:「はい、うちに帰ります。」 ドリアン:「そこまで戻った?」 かよ:「はい」 ドリアン:「いや、あの、まあ、初めて聞いている人も何人んかいると思 うので、えー、きみ、白血病で入院していて、で、骨髄バン クの方で1回はね、」 かよ:「うーん」 ドリアン:「ドナーの希望が見えて」 かよ:「うーん、うふふ、」 ドリアン:「喜んだんだけど」 かよ:「しょうがないですね」 ドリアン:「まあ、いろんな事情があって」 かよ:「はい」 ドリアン:「えー、でも、そこからこうやって回復したってのはなんだろう。 気力かしら?」 かよ:「気力」 ドリアン:「君のこの明るさ。をもって生まれた。」 かよ:「うーん、何かね、死んじゃってもしょうがないのかなと思った時 もあったけど、うーん、負けず嫌いなんで、性格が。」 ドリアン:「負けず嫌いだね。」 かよ:「悔しいんですよね。寝てんのも悔しいし、動けないのがとにかく 悔しいんで。」 ドリアン:「うーん、でも何よりも、退院って本当に?」 かよ:「はい」 ドリアン:「ああ、良かったなあ」 かよ:「はい、うん、でも、入院中もラジオを聞いてて、あのメッセージ とかも読んでいただいて。」 ドリアン:「うん、読んだ読んだ。」 かよ:「はい、すごくうれしかったです。やっぱり。」 ドリアン:「あの時はつらかったんでしょう?」 かよ:「あの、あの時はまだいいほうで、あの、その前とかがあんまり覚 えてないような、ぼーっとしてて、んで、物が聞こえなかったり とか、あと、歩けなかったし、目も良く見えなかったんで、今、 全部それがクリヤーになってるので、」 ドリアン:「薬の作用とかもあったんだろうね。」 かよ:「ありましたね。うーん、だけど、今、とりあえず白血病の再発し てないので、ひとまず、まあ、落ち着いて、うちへゆっくり帰って 次の日に学校行きたいっていったら先生に怒られましたけど。」 ドリアン:「そこはゆっくり行こう、ゆっくり。」 かよ:「はい、うふふ。」 ドリアン:「何よりも君がほら、つらい時にメッセージをくれてね。外歩いて みたいとか、そういう事を書いてくれたよね。それがゆっくりだ けど、また確実にできるようになって、」 かよ:「はい」 ドリアン:「うん、本当に良かったね。」 かよ:「ありがとうございます。けっこう幸せですね。毎日。」 ドリアン:「そっか。」 かよ:「表に出れるので、最近写真とか好きになって、外に出る と写真を撮って遊んでたりします。」 ドリアン:「いやほんとに良かった。」 かよ:「はい」 ドリアン:「うん、このまま行くといいですね。」 かよ:「そうですね、はい。」 ドリアン:「みんなも喜んでいると思います。」 かよ:「ありがとうございます。」 これが、6月1日の彼女の声です。