改めましてこんばんは、ドリアン助川です。今夜の正義のラジオジャンベル
ジャン、えー、リスナーの皆さんからもう一度彼女の声が聞きたいというそ
の熱い願いにまあ、こちらとしても、お応えして、6月30日に白血病で亡く
なったかよちゃんの過去の出演シーン、そしてかよちゃんの日記の一部を紹
介しています。

次にかよちゃんから電話があったのは昨年の暮れ12月30日でした。では、
その時の彼女の声を聞いてください。


ドリアン:「もしもし」

    かよ:「もしもし」

ドリアン:「こんばんは」

    かよ:「こんばんは」

ドリアン:「お名前は?」

    かよ:「かよです」

ドリアン:「あっ、かよちゃん」

    かよ:「こんばんは」

ドリアン:「こんばんは」

    かよ:「こんばんは」

ドリアン:「いま」

    かよ:「はい」

ドリアン:「おうち」

    かよ:「今は病院です。」

ドリアン:「病院」

    かよ:「はい、入院しちゃいました」

ドリアン:「入院しちゃたか」

    かよ:「はい、仕方ないですね」

ドリアン:「あの入院っていうのは大事を取って入院ってことかな」

    かよ:「そうですね」

ドリアン:「そうだね」

    かよ:「はい」

ドリアン:「うーん、いや、かよちゃん」

    かよ:「はい」

ドリアン:「声聞きたかったです。」

    かよ:「ああそうですか、元気でおります。」

ドリアン:「たぶんね、今ラジオこの番組ずっと聞いてる人は今、俺の気持
           ちとみんないっしょだと思います。」

    かよ:「そうですか」

ドリアン:「うん、かよちゃんの声、かよちゃんのところにたくさん手紙い
           ったでしょう。」

    かよ:「あっ、ありがとうございました。」

ドリアン:「みんなからの」

    かよ:「はい」

ドリアン:「ねえ」

    かよ:「はい」

ドリアン:「ふーん、そっか、とりあえず、それで、今、あの、本当に大事
           を取って入院なんだよね。」

    かよ:「一応、でも、無菌室みたいのに入れられちゃってるので、ちょ
           っと」

ドリアン:「その中に電話があるの?」

    かよ:「そうなんです。完全に個室になっていて、まわりから、世間か
           ら、疎外されたばいきんのように」

ドリアン:「いやいやそんなこと言っちゃいけない。あの、それで、今そこ
           から電話して来てくれてるんだよね。」

    かよ:「そうです」

ドリアン:「あの大丈夫かな、この時間に電話で話してて」

    かよ:「ああ、もう看護婦さんの見回りも終わったので大丈夫です。」

ドリアン:「いや、寝なきゃいけない時間でしょ、」

    かよ:「それはそうですけど、ラジオはずっときいてて、お手紙もすご
           くたくさんいただいていて」

ドリアン:「そうだねえ」

    かよ:「はい、で、電話番号とかが書いてあるかたには、直接、お電話
           をさせていただいたりもしたんですけど、でー、取り合えず全
           部読みまして、でー、ちょこちょこお返事を書いてるんですけ
           ど。」

ドリアン:「どんな手紙がありました?」

    かよ:「そうですね、開ける手紙、開ける手紙、がんばってっていう想
           いがすごく、でー、あとは変な話たかがラジオじゃないですか。」

ドリアン:「まあね」

    かよ:「で、まあ、一つの電波を通じてただひとりの若いお姉ちゃんが
           いってることなのにすーごく真剣に一人ひとり考えてくださっ
           て、でー、ご自分のこともいろいろかいてくださって、それで
           も応援してくれるっていう、おはがきがすごく多かったので、
           すごく励みになります。」

ドリアン:「でも、かよちゃんがね、病気と闘いながら、」

    かよ:「はい」

ドリアン:「そうやって、いつも明るい声で話してくれるじゃない。」

    かよ:「えへへへへ」

ドリアン:「どれだけね、かよちゃん、どれだけ君が、みんなに勇気を与え
           ているか」

    かよ:「うーん」

ドリアン:「かよちゃんは、かよちゃんの闘いをやりながら、みんなにね、
           ものすごいね、勇気を与えているんだよ。」

    かよ:「うーん」

ドリアン:「あのね、かよちゃん、第2弾もあるんですよ、まだ、あれか
           らも、続々と届いているんです。」

    かよ:「そうですか」

ドリアン:「年が変わったらお渡しします、というのはね」

    かよ:「はい」

ドリアン:「たとえば、こないだ、僕のバンドのライブでね、あの、曲が終
           わって拍手が起きますよね。その時に女の子が紙袋もって、ス
           テージのところに来ちゃったんです。」

    かよ:「はい」

ドリアン:「何だろこの子、と思ったら」

    かよ:「はい」

ドリアン:「なんか小声で、かよちゃんにわたして、かよちゃんにわたして
           って、で、まあ、何のことだか一瞬わかんなかったんだけど、
           あ、そうか、かよちゃんにわたすものをこのステージの上に届
           けに来たんだって。」

    かよ:「はい」

ドリアン:「で、あけてみたらね、」

    かよ:「はい」

ドリアン:「それも今度渡しますが」

    かよ:「はい」

ドリアン:「千羽鶴だったよ」

    かよ:「すいませーん」

ドリアン:「あと君への贈り物も入ってた」

    かよ:「そうですか」

ドリアン:「みんながね、あの、かよちゃんのことおもってるし、」

    かよ:「はい」

ドリアン:「だからこそその明るさを失わずに」

    かよ:「はい」

ドリアン:「がんばってって言葉はひょっとしたらきみにとってはね、きみ
           はいまほんとうにがんばっているから」

    かよ:「はい」

ドリアン:「がんばってっていっちゃいけないのかもしれないけども」

    かよ:「がんばってないですよ、くじけまくってます、入院してからも
           う」

ドリアン:「いや、それでいいのよ、それでもやっぱりがんばってるよ」

    かよ:「うふふ、うふーん」

ドリアン:「かよちゃん」

    かよ:「はい」

ドリアン:「じゃ、来年あの、その、また、みんなからの贈り物をもってう
           かがいます。」

    かよ:「すいません、ありがとうございました。」

ドリアン:「じゃあね、また、」

    かよ:「はい、失礼します」

ドリアン:「はい」





あの本当に声を聞いていると彼女が入院している、しかも無菌室から、と
いう、そのイメージがどうしても湧きません。それぐらい彼女はいつも明
るい声でこの番組に出てくれました。
  さて日記ですけれどもこの日ですね12月30日に書かれた文章を読みたい
と思います。


「ラジオでた。3回目。ドリアンさんに励まされ支えられている自分がここ
にいる。人間は誰だってひとりじゃ生きていけない。誰かを救うことも大
切だけど、誰かに頼ることも人間には大切なんじゃないかと思う。
  今日、ドリアンさんが来年になったらみんなからのメッセージをもって
伺いますっていったの信じてみようと思う。
  その祈念とドリアンさんへの感謝の意を込めて、このノートをドリアン
ノートと名づけることにした。みんなの前では笑顔を振りまいていても、
本当に自分の気持ちに素直に忠実にそのまんまのかよを出していこうと思
う。それって逃げてるのかもしれないけど、わたしにだって逃げる場所の
一つもほしいよ。頼ったっていいよね、ドリアンさんに、そしてリスナー
のみんなに。ドリアンさんに会うことを楽しみにしている自分がいる。な
んだか不思議。
  リスナーのみんなに手紙いただけてほんとうにうれしい。電話番号のか
いてあるひとには、とりあえず電話したんだけど、30分くらいしゃべって
しまった。何で知らない者同士なのにそんなに話せるんだろうね。
  すっごく不思議。きょうは大晦日。こんなところで年越しなんて、やっ
ぱりせつない。」


これが、昨年12月30日の放送が終わってからたぶん書かれた日記だとおもいます。