戦国時代について好き勝手に語っているサイトです。
前田利家(全三巻) | ||
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著者名 | 津本 陽 | |
出版社 | 講談社 | |
主な人物 | 前田利家、まつ、豊臣秀吉 | |
ひとこと | 戦国の武将、前田利家の半生を描いた大河小説。主君であった信長に勘当されたところからはじまり、加賀百万石の大名への立身出世を、時勢とともに語られてます。前田利家は織田信長、豊臣秀吉に仕え、徳川家康とは、秀吉の死後の豊臣家の中で対等か、それ以上の実力を持った。この三英雄(?)と同時代を生き、天下取りとは行かないまでも、大きく歴史を動かした人物である事が、この書によって再認識させられた一冊です。 | |
お薦め度 | ★★★ | 前田利家 |
前田利家(全二巻) | ||
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著者名 | 戸部新十郎 | |
出版社 | 光文社 | |
主な人物 | 前田利家、まつ、豊臣秀吉 | |
ひとこと | 織田家の戦国武将、前田利家の生年時代からの半生を綴った物語。織田家に仕えていた若かりし頃、まつを妻に娶るが出奔。友人である羽柴秀吉との交流を加えながら、織田家に帰参して出世して行く。しかし天正一〇(1582)年に起きた本能寺の変にて周りの状況は一変する。直属の上官である柴田勝家は自刃、その勝者である友人の秀吉は天下人へ。そして利家は天下人秀吉の良き片腕として、人生の華を咲かせてゆく作品です。 | |
お薦め度 | ★★★ | 前田利家 |
まつと家康−明日を築く闘い− | ||
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著者名 | 祖父江一朗 | |
出版社 | ハルキ文庫 | |
主な人物 | まつ、石田三成、直江兼続、本多正信、徳川家康 | |
ひとこと | 「加賀芳春記」の続編にあたる作品である。前作で石田三成の謀によって殉死させられた片山延高。戦国の世を終わらせようと奔走していた延高の意思、前田家の存続の為に「徳川を本尊とし、加賀前田を脇侍」を実行に移すこと。この意志を受け継いだのは徳川家康の懐刀である本多正信。しかし戦乱の火種は未だに燻っており、ついに石田三成と徳川家康の対立は避けられないものとなっていた。三成は決戦を美濃関ヶ原の地と定め、家康を彼の地へ誘い込む策略を練る。さらに会津上杉家の宰相である直江兼続が抱く野望をも利用して、日本という国をふたつの陣営に隔て、最終決戦へと歩んでゆくのであった。延高の全てを受け継ぐ者や、本多正信の嫡子である政重などの活躍も見逃せない。混乱が続いた戦国時代末期,明日を築く闘いの幕が開かれる。 | |
お薦め度 | ★★★★ | |
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まつと家康―明日を築く闘い
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幻の城 | ||
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著者名 | 風間真知雄 | |
出版社 | 祥伝社文庫 | |
主な人物 | 真田幸村、根津甚八、宇喜多秀家 | |
ひとこと | 大阪の陣を舞台にして、真田幸村という武将が躍動する活劇。こう書けば幸村とそれを慕う忍び、十勇士が縦横無尽に戦場を駆け巡り、宿敵である徳川家康の首を狙う物語に思えてしまう。しかしこの「幻の城」はそうではない。大阪城に入場した幸村は、徳川軍を迎え討つにあたり、総大将に成り得る人物が居ないことに不安を覚えた。そこで幸村は八丈島に流刑に処せられた宇喜多秀家を、大阪方の総大将として迎え入れることを決意し、配下の根津甚八を向かわせるのである。真田幸村という現在でもその人気は衰えることが無い武将を主人公に起き、脇を固めるのが老将の後藤又兵衛。さらには真田十勇士を彷彿とさせる人々を登場させることで読者にサービスを提供してくれている。さらに極めつけは宇喜多秀家。彼の描写が特筆であり、まさに狂気であるその性格がこの物語の本質に迫り、鍵を握る重要な人物となっている。読む前に期待度を設定したとすれば、良い意味で裏切られた気分である。 | |
お薦め度 | ★★★★ | |
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幻の城――大坂夏の陣異聞 (祥伝社文庫)
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まぼろしの城 | ||
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著者名 | 池波正太郎 | |
出版社 | 講談社 | |
主な人物 | 沼田万鬼斎、ゆのみ、金子新左衛門 | |
ひとこと | 戦国群雄の時代、上州(群馬県)の沼田城城主である、沼田万鬼斎を中心に描いた作品である。徐々に大勢力に飲み込まれていく国人領主。そんな中で、沼田の地は交通の要所として重要視される。相模の北条氏、甲斐の武田氏、そして越後の上杉氏といった三大勢力から狙われることになるのは必然であった。こういった背景で万鬼斎は、己の領地はもちろん、そのための城や領民、家臣を外敵から守らなければならないかった。地方の国人領主である沼田氏とその家臣である金子新左衛門。彼らは無事に領地を守ることができるのか、その運命はどうなるのか。 | |
お薦め度 | ★★★ | まぼろしの城 |
三河雑兵心得 足軽仁義 | ||
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著者名 | 井原 忠政 | |
出版社 | 双葉文庫 | |
主な人物 | 茂兵衛、丑松 | |
ひとこと |
大名でも、武将でも、陰で操る軍師でも無い、名も無き足軽が主人公の物語。のちに天下人となる徳川家康を支える足軽の、汗臭く血なまぐさい、戦場を駆け巡った一兵卒から語られる戦国絵巻を彷彿とさせる題名である。
茂兵衛は村の暴れ者であり、周囲からも疎まれる存在である。しかしそれは気弱でうすノロである実弟の丑松を守る行動から出たものである。ある時、ひょうんなことから村を出て行く羽目となった茂兵衛と実弟の丑松。茂兵衛は夏目家に足軽として仕え、そして丑松は寺に奉公することとなった。 さて時は戦国、その地は三河。まさに一向一揆が勃発する時分の頃。いきなり一揆方の城兵として籠城することとなった茂兵衛。実戦を経験していない茂兵衛はそこで、上官や同胞とともに悪戦苦闘する姿は、命を賭しての場面であるにも関わらず、時に滑稽に読めてしまう。けっしておふざけでも、笑い話として書かれているわけでは無いことは追記しておくので誤解の無いように。 茂兵衛と丑松は、三河での一向一揆の騒動という巡り合わせに翻弄され、今後起こるであろう数奇な一歩を踏み出すこととなるのだろう。本書は今後へと続くプロローグであり、「三河雑兵心得シリーズ」として続編が楽しめである。 | |
お薦め度 | ★★★ | |
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三河雑兵心得 足軽仁義
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三河雑兵心得 旗指足軽仁義 | ||
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著者名 | 井原 忠政 | |
出版社 | 双葉文庫 | |
主な人物 | 茂兵衛、丑松、辰蔵、本多平八郎 | |
ひとこと |
「三河雑兵心得」の続編となるシリーズ第二弾。
戦国時代の名のある武将でも無く、エピソードが豊富な人物を描く、歴史小説とは様相が異なる作品だ。本書の主人公は乱世の時代、その末端でありながら命を懸けて、泥臭くとも生き抜いていく茂兵衛。 今作では徳川家康に仕えている茂兵衛が、本多平八郎の旗指足軽へと出世したところからはじまる。 場所は遠州。今川方の城、掛川城攻めである。 前作では籠城の苦労を強いられていたが、今度は攻城方となって苦難を乗り越える姿を読むことができる。しかし敵は攻めている城の兵だけではない。三河の北方の信濃そして甲斐を領する武田家。一応、今川家という敵に対して共同戦線を張っていても、いつ何時、徳川家に刃を向けられることかわからない。 また命を狙われる茂兵衛、そしてヒロインが登場して場を和ませようとしているのだが。この先の展開については、茂兵衛の出世と合わせて次巻以降のお楽しみといったところだろうか。 | |
お薦め度 | ★★★ | |
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三河雑兵心得 旗指足軽仁義
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見知らぬ海へ | ||
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著者名 | 隆慶一郎 | |
出版社 | 講談社文庫 | |
主な人物 | 向井正綱、本多正信、徳川家康 | |
ひとこと | 海を舞台にして、戦国時代を描いた歴史小説です。向井正綱を主人公に据え、正綱が向井水軍を継ぎ、水軍から戦国時代を描いています。まさに戦国を生き抜く武将の一人です。また海に生きる人は、陸に生きる人との価値観の違いなども読みとれます。これは徳川の水軍として天下統一への事業を達成していく物語。になるはずだったと思います。というのも、この「見知らぬ海へ」が未完の作品であるからです。オランダのリーフデ号が臼杵へ漂着したところで幕を閉じています。 | |
お薦め度 | ★★★ | 見知らぬ海へ |
三成の不思議なる条々 | ||
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著者名 | 岩井 三四二 | |
出版社 | 光文社 | |
主な人物 | 石田三成 | |
ひとこと |
関ヶ原の合戦で敗将となり、斬首された石田三成。それから三十年が過ぎ去った太平の世となった時代に、当時の生存者を訪ね歩き、三成の軌跡をまとめる物語。
筆紙商いの文殊屋が、さる筋の者から内密に依頼されたのが、「ありし日の石田三成」について作成せよと言う依頼であった。そもそも関ヶ原の合戦とはどんな戦であったのか。どんな大名方が参陣していたのか。また三成という人物について、なぜ軍勢を率いて戦う必要があったのか。疑問を胸にして江戸から上方へ旅へ出たのであった。旅先で人々から話を聞くうちに、石田三成という人物の実像にせまり、素顔が垣間見えている。 そもそもなぜ、関ヶ原から三十年という時間を経て、わざわざ敗将となった三成の軌跡を追っているのか。それは読んでからのお楽しみであるのでここでは語らない。 また主人公と三成について語る人々との会話はまるで、昔話を読み聞かせてくれているかの様であり、岩井氏の世界へ引き込まれてしまうことだろう。定説で語られる三成像とは異なる解釈は、読み手を飽きさせる事無く、なぜ三成は家康率いる東軍と真っ向から戦いを挑み、そして敗れたのか。その一端を垣間見ることが出来る一冊である。 | |
お薦め度 | ★★★★ | |
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三成の不思議なる条々
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水の城〜いまだ落城せず〜 | ||
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著者名 | 風野真知雄 | |
出版社 | 祥伝社文庫 | |
主な人物 | 成田長親、甲斐姫、石田三成 | |
ひとこと | 関東の武蔵に蓮の沼に浮かぶ城があった。忍城という。人々はこの城を「水の城」とも呼んでいた。この城が歴史的に名を刻んだのが、本書の物語でもある豊臣秀吉による小田原北条攻めである。関東の北条方の城は豊臣方の諸将により、陥落していく中で忍城は持ちこたえていた。さらに本城の小田原よりも戦い続けていたのである。この忍城で采配を振るったのが城代であった成田長親。そして城攻めを慣行した大将は石田三成であった。攻城軍がおよそ五万の兵をそろえるのに対し、籠城兵は百姓兵を合わせても三千ほどの人数。この劣勢の中でその様に城方の武将は采配を振るい、足軽達は戦ったのだろうか。成田長親と石田三成の相反する人柄が,物語を一層おもしろくしている鍵がなのかもしれない。 | |
お薦め度 | ★★★★ | |
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光秀の定理 | ||
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著者名 | 垣根 涼介 | |
出版社 | 角川書店 | |
主な人物 | 明智光秀、愚息、玉縄新九郎 | |
ひとこと |
「定理」とは、公理や定義をもとにして証明された命題で、それ以降の推論の前提となるもの。 題名からして明智光秀を描いた物語であり、本能寺の変を扱った歴史小説であろうと思い込み、手に取ってみたのだが、読んでみると見事に期待は裏切られた。 本能寺の変を追求し、その様相については描かれていない。物語の大半は博打の勝率についてであり、「モンティホール問題」として作中の人物が語っているのだ。これが実に面白く読み込んでしまう。 物語は、剣の達人である浪人の新九郎と博打の坊主である愚息、そして明智十兵衛光秀が出会うところから始まる。この三人の生き様は三者三様であり、どれを肯定するでも否定するものでもない。その中で出世する光秀を中心として物語は進む。 そもそも明智光秀という武将が、主君である織田信長を討った「本能寺の変」は大概の人にとっては既知のことである。しかし光秀がその様な行動をなぜ起こしたのか、その事実については現在まで謎のままであり、その答えはだれも正解を導き出していない。 解答例として考えるのであれば、著者の考え方は大変面白く興味を持たせてくれた。 | |
お薦め度 | ★★★★ | |
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光秀の定理
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密謀(全二巻) | ||
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著者名 | 藤沢周平 | |
出版社 | 新潮社 | |
主な人物 | 直江兼継、上杉景勝、石田三成 | |
ひとこと | これまた関ヶ原の合戦を含んでいる作品です。といっても直接、徳川家康が率いる東軍と石田三成の率いる西軍の戦いを描いている訳ではありません。羽柴秀吉による天下統一目前に、秀吉の軍門に下った越後の上杉家。物語はそこから始まります。秀吉の使者となった石田三成と上杉方の将直江兼継との出会いを通し、上杉方から見た家康の天下取りが描かれてます。これらの武将以外にも裏で活躍する忍びの者や、幼くして母を亡くした剣豪なども登場し、なかなか読み応えのある話しです。 | |
お薦め度 | ★★★ | 密謀 |
武者始め | ||
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著者名 | 宮本 昌孝 | |
出版社 | 祥伝社 | |
主な人物 | 北条早雲、武田信玄、上杉謙信、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康、真田信繁 | |
ひとこと |
「武者始め」。あまり聞き慣れない言葉である。
武者の始まり、武者として武士としての第一歩を踏み出すと捉えれば、初陣や元服といった儀式的なことを思い手に取ってみた。 しかし読んでみると、少々様子が異なる。というよりも勘違いをしていた様だ。つまり命を賭して、物事を成し遂げることが「武者始め」ということの様に思えた。 本書では北条早雲から始まり、武田信玄や上杉謙信といった戦国大名。さらに織田信長、豊臣秀吉、徳川家康の三英傑。そして真田信繁という伝説的な武人の武者始めが描かれた全部で七つの話からなる短編集となっている。 ちなみに一つ推奨するとれば、真田信繁を描いた「ぶさいく弁丸」の物語だろうか。武将としての功績などは、増幅して語り継がれることが多い。 特に武将については、多くが美丈夫に描かれ、そして語られること間違いなし。しかし本書での信繁の容姿は、題名の通りに描かれている。そして信繁の武者始めはどの様なものであったのか。 結末については知られていることだが、武者始めについてはあまり知られていない事が多く、伝説的に後世に語り継がれることも否定できない。 本作品についても史実の様でいて、実際に資料や文献に書かれている描き方だ。疑うことなく読むことに没頭してしまった。 歴史小説として手に取った一読者からすれば、史実だろうが創作だろうが、そんなことは関係無い。楽しく納得ができる内容であるのであれば、それだけで満足を得られるのだから。 | |
お薦め度 | ★★★★ | |
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武者始め
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村上海賊の娘(全二巻) | ||
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著者名 | 和田 竜 | |
出版社 | 新潮社 | |
主な人物 | 村上景、村上元吉、村上景親、真鍋七五三兵衛 | |
ひとこと | 大阪本願寺から兵糧要請が毛利へ向けられた時、運命の扉を押し開く事になったのが、瀬戸内海の海賊である村上武吉の娘であり姫様である景。日頃は領内での海賊家業に勤しみ、合戦に憧れを抱く乙女。しかし彼女の容姿は醜女であり嫁の貰い手も無いというのが父武吉の悩みであった。そんな彼女が本願寺を目指す信者等と出会い、そして舟で向かったが和泉国。そこで出会ったのは真鍋七五三兵衛ら泉州侍。そして本願寺と織田家との間で繰り広げられていた本物の合戦。物語は毛利家が本願寺へ兵糧の搬入を完遂させる木津川沖合戦を主にしてるのだが、そこへ至るまでの時流を景の視点で語っている。堅苦しい歴史小説とは異なり、少々軽い漫画風な娯楽小説とでも言えようか。特に泉州侍が合戦でのその姿は滑稽である。血なまぐさい戦場である現実から逃避し、合戦場であることを忘れてしまうほどだ。その独特で無遠慮な雰囲気を漂わせる世界観を受け止めることができるかどうか。 | |
お薦め度 | ★★ | |
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村上海賊の娘 上巻
村上海賊の娘 下巻
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村上武吉−毛利を支えた水軍大将− | ||
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著者名 | 岳 真也 | |
出版社 | PHP文庫 | |
主な人物 | 村上武吉、小早川隆景、毛利元就 | |
ひとこと | 瀬戸内村上水軍の頭領、村上武吉の半生を描いた作品。はじめて読んだ水軍モノでした。世にも有名な厳島の合戦で、毛利方に就くかのか、それとも陶方に就くのか?迷いに迷って村上家の命運を預かる村上武吉。海に生きる武士の姿を垣間見た気がします。 | |
お薦め度 | ★★ | 村上武吉 |
村を助くは誰ぞ | ||
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著者名 | 岩井三四二 | |
出版社 | 講談社文庫 | |
主な人物 | 斎藤道三 | |
ひとこと | 尾張の織田弾正忠が美濃へ軍勢を差し向けた時、美濃を事実上統治していたのは斎藤道三。さてその勝敗は如何に。いやいやどちらに転がろうと、その地に住む者にとってはどうでも良い話。とにかく勝つ方へ味方すればよいのだから。それではどちらが優位なのか。様々な立場の人が奔走する姿を描いた短編集である。全部で6作品が治められいる。これらの大半の話は、実際に存在している古文書からその題材を引っ張り出してきており、さらに滑稽で人間味が溢れるスパイスを加えた、物語として仕上がっている。殺伐とした戦国時代、こういった小説を読んでみるのも良いものです。 | |
お薦め度 | ★★★★ | |
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村を助くは誰ぞ
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名将 大谷刑部 | ||
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著者名 | 南原幹雄 | |
出版社 | 新潮文庫 | |
主な人物 | 大谷吉継、石田三成 | |
ひとこと | 戦場で武功を挙げることを夢見た平間こと、のちの大谷吉継。豊臣秀吉に仕えその才能をいかんなく発揮していた。しかし戦場での槍働きよりも、事務官としての才覚が認められ、同僚の石田三成と共に豊臣政権下での行政を司っていた。やがて敦賀を与えられるほどの出世を遂げたが、不治の病に掛かり志し半ばで、表舞台から退いた。そんなおりに、隠居の身である石田三成が兵を挙げる。そして事態は関ヶ原の戦へと向かうのであった。吉継は勝算の見込みは薄いと頭では理解しつつも、ひとかどの武将として最後の采配を振るうことを選択する。 | |
お薦め度 | ★★★★ | 名将 大谷刑部 |
名将 佐竹義宣 | ||
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著者名 | 南原幹雄 | |
出版社 | 角川文庫 | |
主な人物 | 佐竹義宣、石田三成、直江兼続 | |
ひとこと | 北関東の大名佐竹氏。北からは奥州の伊達氏に押され、南からは小田原北条氏から攻め寄せられ、奥州と関東の狭間で四苦八苦している時、転機が到来したのが天正一〇年のこと。天下制覇を目指す豊臣秀吉による小田原攻めである。佐竹義宣は、天下人の軍勢である豊臣方にいち早く馳せ参じ、石田三成から厚い信頼を勝ち得た。これにより常陸一国を支配することを天下人よりお墨付きを頂き大名へと躍進する。これによりいつしか、百万石の大名への出世を目論む義宣であった。自より豊臣家の石田三成に接近し、関東へ移封された隣国大名でもある徳川家康とは、意識して距離を置くようになった。そして自らの知恵に奢り、石田三成や上杉家宰相である直江兼続と謀り、密盟を結ぶことになる。これはやがて天下を賭けた決戦を仕掛けるにいたるのであった。この佐竹義宣を名将として語ろうとしているのはよく理解できた。しかしそれがかえって、時に凡将に見えてしまうのは気のせいだろうか。 | |
お薦め度 | ★★ | |
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名将 佐竹義宣
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毛利元就(全五巻) | ||
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著者名 | 榊山 潤 | |
出版社 | 富士見書房 | |
主な人物 | 毛利元就、浄現坊 | |
ひとこと | 安芸郡山の国人でありながら、中国地方一帯に勢力を拡大させた覇を唱えた戦国大名、毛利元就の半生を描いた物語。山陰の尼子氏と周防を中心として力を持つ大内氏。毛利氏はこの両氏の狭間で、なんとか生き延びる術を探る日夜であった。あるときは尼子氏へ頭を垂れ、次の日には大内氏へ手をさしのべてもらい、毛利の家を守っていた。大勢力に飲み込まれず、乱世ならではの困難に遭遇しながら、生存競争に勝ち抜いた毛利元就の姿が描かれている。力が無くとも謀略で勝負。また歴史に名を残す武将だけではなく、弱者である女性の不遇という視点から、読者を戦国という乱れた世を知らせてくれる。主人公は間違いなく毛利元就であろう。しかし物語は浄現坊という元就の隠密であり、僧侶の視点により進行している。やや読みづらい気もするが、読み終えると毛利がなぜに覇者と呼ばれる様になったのか、その源がわかった様な気になってしまう。 | |
お薦め度 | ★★ | 毛利元就 |
森蘭丸 | ||
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著者名 | 澤田ふじ子 | |
出版社 | 光文社 | |
主な人物 | 森蘭丸、八重、平太 | |
ひとこと | 本書では森蘭丸の青年時代が語れいる。森蘭丸といえば織田信長の寵童という印象が深く、多くの人が人物像を先行して想像することでしょう。しかし本書での森蘭丸は、織田家の官僚という役どころ。また戦国時代というと殺伐とした雰囲気が漂うなか、10代の少年である森蘭丸という若者の青春ドラマとして読むことができます。 | |
お薦め度 | ★★ | 森蘭丸 |