吉野川(川島橋〜第十堰) 2006.3.4
3度目の吉野川は川島橋から第十堰までを一日で下る単独行。春を探してきました。
吉野川は、1994年4月、カヌーを始めてから2年目に初めてツーリングに出かけた思い出の川。そのときは池田から半田までを2泊3日。1998年11月に再訪、半田から学島橋まで下りました。
今回7年半ぶりのツーリングは学島橋の少し下流の川島橋から。カヌーで刻んできた歩み、12年の歳月を経て池田から第十堰までようやくたどり着きました。
出発 川島橋 | |
10時半出発。前日の冷え込みで空気は冷たく、彼方の高越山は白く雪化粧。 でも季節はもう春。うぐいすの歌声に耳を傾け、にぎやかにさえずるひばりの姿を 青空の中に探しながらの、とっても楽しいツーリングとなりました。 |
高越山 標高1133メートル。 こうつざんと読みますが、地元の人からは「おこおっつあん」と呼ばれ 親しまれています。美しい姿から阿波富士とも呼ばれています。 山頂には高越寺があります。 |
川島橋と高越山、壮大なパノラマ
柿原堰 | ||
大正8年に完成した農業用取水のための堰で、上流と下流では水面の高さが5メートルもちがいます。 ここはカヌーでは通れません。一人で重いハイビックス艇を担いでの堰越えポテージ。堰の下側には10メートルはあろうかという テトラポットの帯、水辺はさらにその50メートル先。本当に大変な作業となりました。 テトラの帯を抜け肩で息をついていると、川の様子を見に来たというおじさんが現れ、「測量ですか?」と声をかけられました。 遊びに来ているというと呆れ顔になり、「それじゃあ」と行ってしまいました。手伝ってもらおうなんて甘い事考えちゃいけませんね。 今度は溜まった川砂の上、艇を背負って水際を目指しました。約15分の奮闘、この日最大の難関でした。 |
堰の下では、一度地下に潜った水がきれいにろ過された伏流水となり湧き出します。 本流との合流点、透明度の違いがはっきり見て取れます。 |
コーヒーブレイク
あたたかな陽だまりの中で、菜の花が咲き、やなぎが芽をふいていました。 |
第十樋門 この先の流れが旧吉野川の本流。 江戸時代、徳島城下に水をひくために新たに掘られた 別宮川(べつくがわ)が大きくなり、現在では本流と なっています。 すぐ下流に設けられた第十堰で蓄えられた水が、 この樋門をとおり旧吉野川へと流れ行きます。 カヌーで近づきすぎるのは危険です。注意しましょう! |
第十堰 宝暦2年(1752)に築かれた固定堰。河口から15キロの地点に設けられたこの堰により、海水の行き来する汽水域と、上流から流れ 来る淡水域とに分けられます。 老朽化した第十堰を改修し可動堰を建設しようという計画が、2000年1月に実施された住民投票による9割の反対で、白紙化された ことは記憶に新しいですね。この川を愛する人々の気持ちが伝わってきます。 |
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午後からは強い向かい風が吹き上げ白波が立ち、手を止めると見る見る後ずさりしてしまうなかのパドリングは、正直大変なものでしたが、終日見守り続けてくれた、あたたかなお日様とおだやかな青空が、たくさんの歓びをもたらしてくれました。春を探すたび、大成功とあいなりました。
出発地点の川島橋に戻ったとき、ちょうど夕日が山の端に沈んでいきました。お日様、すてきな一日をありがとう!