3.3日目 カヌーデモ

翌朝、長良川に漕ぎ出す。誰もいない河口堰をじっくり観察した。川の中程で気泡が幾筋も川面を目指し駆け上がっていた。いろいろな報告にあるとおり、確実に川は汚れている。

上陸してから日本酒をグビグビ。一人では寂しいので強引に桂を引き込む。朝から酒盛りだ。たちまち私は酔いつぶれて、テントの中で大いびき。これがまずかった。

目が覚めたとき、既にヘリコプターが上空を飛び交い、あたりは騒然としていた。「しまった。」大慌てでカヌーを漕ぎ出す。前方に桂と海野の姿が見える。二人も出遅れたようだ。その時ふと我に返る。なんとライフジャケットをつけわすれてしまった。

カヌーの集団に近づいてきたが、不意に隊列は崩れ、それぞれ河口堰を目指し進み始めた。漕ぎ進む集団に、伊勢大橋の下でようやく追いついた。

先頭は河口堰前のブイの手前で大きく旋回し、円を描こうとする。「よし、先頭に立ってやれ」と、パドルに力を込めた。その瞬間、伊勢大橋から誰か飛び込むらしい。出来かけた円が乱れ、多くのカヌーがその下に集まった。私もその中に取り込まれた。モーターボートの拡声器から飛び出すシュプレヒコールの中、誰かが飛び込む。ムードは最高に盛り上がってきた。

飛び込んだ人が救出された後、そこに固まっていたカヌーは一斉に河口堰を目指し動き出した。

今度こそ旋回。「一番乗りだ!」ブイにたどり着いた私は大きく左に旋回。私の後に美しいカヌーの弧が描かれていると思い、得意になって振り返ってみると、後ろには誰もいなかった。

ブイまでたどり着いたモーターボートからシュプレヒコールがあがる。「ノーモアダム!」「来年もみんな集まろう!」拡声器がうなる。

「来年を語るには早すぎる。堰が開くかも判らないのに」と思いつつも、呼応して声を張り上げる。

テントに戻ってから、桂がつぶやく。「静かに長くやらんとあかん」今回のデモはその反対で、「賑やかに短く」という印象が強かったです。

長良川DAYのトップ

ホーム