リードに付いての2回目です。

季節の変わり目はリードにとっても、余り良くありません。特に、夏に向かって行く梅雨の時期は高い気温と湿度で「腰が抜けた」状態になります。現象面から行くと、五線第3間のeがesになり易いのです。この現象は、水に浸けると著しく出現する事があります。吹いていると乾いて来て直ってしまう事もよくあります。

こんな時は思い切って「0.5〜1mm程チップを切る」「幅を狭める」「厚いリードに替える」と言った対処療法があります。また前にも言った様に乾いた状態で使う事も良いでしょう。(材料の)堅いリードにするのは、音色を損なうのでお勧めはしませんが、人によっては悪いとも言えません。

完全に夏になれば、落ち着いて来ますので1月ほどは我慢しましょう。

リードを選ぶ時に「でかい」音で吹かない様にして下さい。新しいリードは眠り姫の様なものです。乱暴に扱っては壊れてしまいます。mfぐらいで音色むらの無いものが良いのです。高い音が出し易いリードより、低い音が豊かに出せる(でかいのでは無く)リードの方が質は高いと言えます。

ベルリンフィルのヘニング・トローク氏にお会いしてレッスンを受け、紹介してくれた読響の津田さんと3人で色々話をしたことがあります。その時リードの話になり、トロークさんのリード製作法を聞きました。面白かったのは、「お前の使っているのは新しいのか?」というので、当然そうだと答えるました。すると、氏は「自分は新しいのは使わない」と言うのです。意味が良く理解できないでいると、説明してくれました。以下の通り。

  1. リードを作ると、試し拭きをする。時間は不明ですが30〜60分と想像します。
  2. 次にそのリードはリードが立てられる箱の中に入れる。
  3. 次に自分が使うのは、以前に作ってあって、同様の手順でならしたリード。(一ヶ月は経過を見ると思われる・筆者註)

要するに一旦使ったリードは、使わないで置いても年を取る事を利用して寝かせる訳です。いわば新品中古を作るのですね。古いリードとは違いますから、合奏にも使えます。悪い手では無いです。しかし、軽めのリードでこれをすると腰が抜ける危険が大きいし、日本では黴(かび)の出る事も考えられます。そこで、私の考えた手は、新しいリードを試し吹きした後が違います。

  1. リードを水で良く洗い、水を切ってリードケースへ。
  2. 同様にしたリードを2〜3本ケースの中に用意する。
  3. 一日置きに使う。3回ぐらいこれを繰り返したら、一本を決め2週間から1ケ月使用。
  4. リードが駄目になりそうになったら鳴らしたリードに替え、また同様に次に準備をする。

ただし、私の勧めるのは常に新しいリードを使う事です。でも、試しても損は無いでしょう。材料が堅い場合など、上手く行くのでは無いかと思います。

さて、それではこのページを閉じます。また、3ページ目をお楽しみに。

トップページへ  リード3pへ