Cクラス麻雀
- 10.符点攻め(掲載:Vol.2-5)
- 麻雀の点数はあがった役と手牌が持っている符点で決まります(満貫以上は関係ありませんが)。しかし、この点数計算は意外と面倒です。計算方法がちゃんとありますが、普通は丸暗記しています。ですが、なかには点数をよく分かってない奴がいます。
そんな時、内輪では、その奴が上がった時、「何点だ」と問い掛けます。奴が高めの点数を言うと、「違うだろう○○点だろう」と丁寧に訂正してあげます。しかし、安めの点数を言うと、黙ってその点数を払うことにしていました。
奴はもんもんとしていたでしょうが、それも勝負の世界なのでしかたがありません。悔しければ、点数の数え方を覚えればいいだけなのです。
私たちは厳しすぎるのでしょうか。奴に人生の教訓を教えようと・・・。いや、単に高い点数を払いたくないだけなのです。
- 9.開局前のチョンボ(掲載:Vol.2-1)
- 麻雀を始める時は、卓に積んだ山より、親(東家)から右回りに4牌ずつ取っていきます。そして、それぞれ13牌(親は14牌)になると、麻雀が始まります。
その時も小父さんは調子に乗っていました。朝方に近かったと思います。それにちょっと疲労も重なっていたのでしょうか。山を積み終わり、皆で牌を取り出していました。そこで、ハッと気付くと、小父さんは親でも無いのに12牌持っていました。親と小父さんの下家は8牌で、対面(確か金さんだったと思います)は4牌しか持っていませんでした。
「金さん、さっさとやってくれよ。」
小父さんはそんなことを言ってしまいましたが、他の三人はそうは思っていないようでした。
「早すぎるんだよ。」
確かにそうです。小父さんが急ぎ過ぎたのでしょう。悪者探しをすれば、当然不利です。それで、結局チョンボになってしまいました。
何事も調子に乗ってはいけません。落ち着いて物事に取組みましょう。
- 8.四暗刻単騎(掲載:Vol.1-9)
- 友達の小父さんと麻雀をしていた時です。その局は中盤を過ぎていたでしょうか。なんとなくその場の雰囲気で対子場ということは分かっていました。しかし、私の手は順子だらけで苦戦していました。それにどうも場が重たかったので、半分オリ気味でやっていました。
索子の下の方が比較的多くきれていました。刻子としては使えないと思い、手の中にあった二索と三索を捨てようと思いました。とりあえず、場に三枚出でいる三索を捨てました。そして、次の順に、七対子には危ないかなと思いつつ、二索を捨てました。
ロン!下家の小父さんが牌を倒しました。四暗刻単騎です。
でも、よく小父さんの捨て牌を見ると、一巡前に四索を捨てていました。つまり、私が捨てた三索でも三暗刻であがっていたのです。
やられたと思いましたが、なぜか清々しい気持ちだったことを思い出します。
- 7.不思議な奴(掲載:Vol.1-6)
- 奴は変なヤツでした。その日は私と二人で学生街の雀荘に行きました。当然、二人ではメンバーが足りません。それで、雀荘のお姉さんに駄々をこねて二人のメンバーを呼んでもらいました。彼らは、その雀荘によく出入りする学生崩れ(まだ学生かもしれませんが)でした。
奴と私は向かい合って座ることになりました。その日の私はついていました。すると、学生崩れの二人は私をつぶしにかかりました。私の下家は勝負を捨てて、常に染めに走り、私の手を止めようとしていました。ですが、私の勢いは止まりません。
そんなこんだでがんばっていたところ、奴はいきなりチョンボをしてしまいました。場が和んだと言うより、学生崩れの二人は、私達を甘く見始めたようでした。
その後、奴は不思議と変に高い手を上がるようになりました。それも自分勝手に上がりまくりました。私がトップ目で親の時、奴はいきなりハネ満をつもったり、私が親のリーチをかけているのに、平気で危険牌を通して来たり、全くわがままし放題でした。
それで、学生崩れの二人はペースを崩したのでしょう。半荘4回やって、トータルでは私達の勝ちでした。もんもんとした気持ちで彼らは帰って行ったようでした。
結果的には私達はついていたのでしょう。まっ、勝負に勝てば結果良しです。奴との思い出は数多くありますが、結局奴も学生崩れになってしまいました。今はどうしているのでしょう。また、麻雀をしたいものです。
- 6.ささまん(掲載:Vol.1-4)
- 大学生時代、毎日々々麻雀ばかりしていたことがありました。その日は、珍しく3人しか私の部屋に集まりませんでした。そんなに皆な暇ではないのでしょうか。
「ちょっと、一人探してくるよ。」
私は、ジュースを買いがてら、メンツを探しに出ました。いつものコンビニでささまんを見かけました。気軽に麻雀に誘ったところ、ささまんは明日追試験があり、それに受からないと留年してしまうんだと言って断ってきました。
「ささまん。たかが試験に振り回されてどうする。留年するって言ったって、たった1年じゃないか。俺も留年しているし、留年仲間は一杯いる。人生長いんだから、楽しくやろうぜ。」
ささまんはなかなか了解してくれませんでした。それから、延々と説得を続けました。
「分かった。」
ささまんはとてもいい奴です。私達は単に麻雀をしたかっただけなのに。留年覚悟で麻雀に参加してくれました。
数週間後、ささまんの留年が決まりました。たった1回の麻雀で彼は1年を棒に・・・。いや、その答えは彼自身の人生が示してくれるものと思っています。ささまん、がんばれ!
- 5.最強の雀士(掲載:Vol.1-3)
- 私の心の中の最強の雀士といえば、かなり前の麻雀漫画「裏プロ雀鬼」の三日月次郎です。最近の漫画ではアカギがいい線をいっていると思いますが、三日月次郎はその比ではありません。
彼はヒーローでも、アイドルでもありません。ただ、麻雀に対しては常に貪欲かつ冷静沈着で確実に勝負に勝つ男でした。
彼の偉大さを最も感じたのは、ある三人組と卓を囲んだ時のことでした。三人組に上手くはめられ、オーラスまで彼の出番は全くありませんでした。その差はトップに役満を直撃しないと逆転できない状態でした。
オーラスを迎えて三人組はちょっと気を緩めたようでした。確かに、役満ほどの差があればそうなるかもしれません。そこで、かれは逆さ積込みをしたのです。つまり、自分で牌をはじき、相手に自分の意のままに牌山を作らせたのです。そして、彼はトップ目の第一打で上がりました。人和です。
自分が勝つことを当然と、彼のサングラスの奥の眼差しは語っていました。
彼よりすごい雀士を、私は知りません。
- 4.足のにおい(掲載:Vol.1-2)
- 金さんの足の臭いは有名でした。でも、その時は特別だったと思います。
いつものように私の下宿の部屋で麻雀をすることになりました。冬だったのでコタツに電気を付けていました。すると、なんとも言えない臭いが辺りに充満してきました。原因は金さんの足の臭いと分かっていたので、金さんの足の近くに芳香剤を置いてそのまま麻雀をしていました。
すっかり、その臭いになれていたのでしょうか。麻雀は朝まで続きました。そして、終わった後にコタツ布団をはぐったところ、足の臭いと芳香剤の香りが混ざった、この世の臭いとは思えないものが部屋にたち込めてきました。徹夜明けの疲労が倍になったような気がしました。
金さんの足の臭いは今でもすごいのでしょうか。
- 3.チョンボ(掲載:Vol.1-1)
- 確か大学の近くの雀荘だったと思います。徹夜とまではいかないにしろ、かなり遅い時間でした。私はちょっと調子が良かったようでした。それで、調子が乗ったついでに、またリーチ!と元気良くパイを台に叩き付けました。
すると、なんとしたことか。
勢いにまかせて自動卓のパイを落とすボタンを押してしまったのです。おかげで、河パイが全部下に落ちてしまいました。これでは、麻雀になりません。おかげで、リーチが転じてチョンボをとられてしまいました。皆さん、調子がいい時は謙虚にやりましょう。
- 2.プロ(掲載:Vol.0-1)
- これは、私が一番好きな麻雀漫画のタイトルです。実話を基にしたかわぐちかいじの作品です。主人公は小島武夫をモデルにしたようです。その他、阿佐田哲也を筆頭とする麻雀新撰組の面々も登場します。ウー。たまりません。
これを読んだとき、主人公である九佐井一平の一言々々が胸に染みたのを思い出します。引越しの度に捨てようかなと思いつつ、まだ持っています。
- 1.必勝法(掲載:Vol.0-1)
- 必勝法は書かないと言っておきながら、いきなり必勝法とはなんぞやと思っている方もいるかもしれませんが、ちょっと聞いて下さい。ギャンブルの必勝法としては、ギャンブルをしないこと以外には無いと思います。しかし、麻雀には他にも方法があります。それは、
勝つまでやめないこと
負けてもお金を払わないこと
です。こんなことを書いていると、阿佐田哲也の東一局52本場を思い出してしまいます。これも必勝法の一つでしょうか。