Cクラス競馬

9.日本ダービー(掲載:Vol.2-6)
 誰もが日本ダービーへの思い入れは大きいと思います。良血で、人気もあり誰もが優勝すると思っても、勝ったり負けたり。実におもしろいです。
 過去戦跡を見ると、3着だったホワイトストーン12番人気だったり、2着だったライスシャワー16番人気だったりと、往年名馬日本ダービー時点では人気薄なのが、不思議に思えます。既に一流になっている馬とこれから一流になる馬とが激突するので、ファンとしてはたまりません。特に隠れた名馬を見つけるのはこのうえない幸せを感じます。
 最近では、2戦目優勝したフサイチコンコルドを見抜いた時はとても嬉しかったです。ダンスインザダーク圧倒的に強いだろうと思い、これから2点買ったのを覚えています。8畳ワンルーム15インチテレビで見ていました。フサイチコンコルドにゴール板を通過した時は至極幸福でした。
 日本ダービーを語るにはまだ浅はかですが、今年アグネスフライトエアシャカールの叩きあいを見て思わず興奮してしまい、語ってしまいました。でも、個人的には4着に入ったトーホウシデンの今後の活躍期待しています。
 
8.初めての馬券(掲載:Vol.1-10)
 初めて馬券を買ったのは18才の時でした。正月に下宿に一人でいてもやることがなかったので、競馬でもやるかと思い、金杯を買いに出かけました。
 前日から競馬新聞と格闘しながら予想していました。読み方がよく分からなくものすごく時間がかかりました。それに、馬が絞りこめず、結局9点買うことにしました。
 場外馬券場に行くのに地下鉄のホームで待っていると、雀荘のママさんに合いました。ママさんと言ってもおばさんです。昔はクラブホステスをしていたというのですが、その面影は・・・少しありました
 ママさん金杯を買いに行くところだったようなので、一緒に場外馬券場に向かいました。馬券を買ってそのまま、ママさん寿司屋に行きました。奢ってくれるとのことでした。
 そこで、何だかんだ話しているとレースが始まりました。馬がドドッとゴール板前を通過したのは覚えています。でも、何せ9点も買ったので、その瞬間当たったのかどうか分かりませんでした。
 レースの結果が分かりました。当たっていました。でも、900円ちょっとの配当だったので、ほとんど儲けにはなりませんでした。
 寿司屋オヤジは、9点も買ったらそりゃ当たるだろう。まっ、損しなけりゃいいんだと言いました。
 あれから、20年近く競馬をやっていますが、損しなけりゃいいというのが非常に難しいことが身に染みています。また、一度はまってしまうと中々辞められないのも事実です。初めての馬券で当ててしまったことが良かったのかどうか、今だによくわかりません
 
7.ダートの追込み馬 その2(掲載:Vol.1-7)
 久しぶりに彼女と競馬に行ったときのことです。彼女はスターセレッソという馬を買っていました。そこで私は、ダートの追込み馬はそう簡単には来ないよ。などと、知ったかぶりを言っていました。しかし、レースでは、怒涛の追込みを見せて3着に入ってきました。おかげで私の馬券は当たりましたが、もんもんとした気持ちが残ってしまいました。
 そういえば、俺はダートの追込み馬が好きだったではないのか。
 それから3週間目のレースだったでしょうか。最終レースのダート戦にまたスターセレッソが出ていました。その時、彼女はスターセレッソを買っていませんでした。
 ところが、今度は2着に来ました。私は、またも馬券を的中させてしまいました。彼女は、以前の私の指導を正直に受けて買っていなかったのです。ちょっと、可愛そうでしたが、所詮、馬券を買うときは人の意見なんて聞いちゃいけないのです。自分の夢を買うものですから。
 
6.中 館(掲載:Vol.1-6)
 その日はうり坊中山競馬場に行きました。前の日にちょっと深酒をしてしまったため、競馬場についた時は2レースが始まるちょっと前でした。久しぶりに午前から競馬をするので、お互い意気込んでいました。でも、午前中はお互いにサッパリ
 うり坊もやっと二日酔いから覚め、さあ午後からがんばるぞと息巻きました。しかし、それからもお互いに調子は出ません。じっと、競馬新聞を見て、なぜこんなに当たらないのかと思いました。そこで、私は気が付きました。
 (今日は中館騎手との相性が悪い。彼が騎乗した馬を買うと当たらないし、買わないと来てしまう。最悪だ。)
 うり坊は午後から2レースくらいとっていました。私は依然10レースまで当たりはありません。11レースは比較的本命サイドだったので、お互いゲットしました。そして迎えた最終レース。私はふと、中館が騎乗する1番の馬に目がいきました。
 ダートで人気薄の逃げ馬。ウーム。馬と中館との相性は良さそうだ。私は中館に賭けることにしました。どうせ、今日は負けっぱなしだ。中館でやられたのなら、最後まで中館でやられよう。そう開き直りました。
 レースが始まりました。予想通り、中館の馬が先行しました。4コーナーを曲がって、よしそのまま。そのまま。・・・・そのままでした。当たった。確か20倍はついていました。その日の負けはチャラになり、持ち金が倍になってしまいました。
 なんだ。中館は最後のレースのために私に印象付けようとしていたのでしょう。中館を少し好きになりました
 
5.無冠の帝王(掲載:Vol.1-3)
 無冠の帝王といえばモンテプリンスを思い出します。4歳の時、高松宮杯(当時は夏競馬で2,000mだったと思います)を勝ち、その勢いをもってのぞんだ菊花賞で2着でした。その後も、彼はビッグレースになると苦渋を舐め続けました。
 5歳の時の天皇賞もそうでした。スタートと同時に飛び出したのは一番人気のホーヨーボーイでした。そして2番手にモンテプリンスが付けました。その差は鼻か首くらいでした。そのままレースは進み、3コーナー、4コーナーを回ってもそのままでした。そして最後の直線です。モンテプリンスが懸命に追い込みを掛けます。しかし、ホーヨーボーイも負けてはいません。必死に先頭を守ります。
 しかし、この時も天は見方しませんでした。結局、首差でモンテプリンスは2着でした。
 天才と秀才と言ってしまえばそれまでですが、モンテプリンスの無冠には夢がありました今度は勝ってやる。そんな言葉が聞こえたような気がします。
 
4.ダートの追い込み馬(掲載:Vol.1-2)
 ダートの追い込み馬というのは、確かに芝ほど切れると言うか、飛び込んでくるような印象は少ないと思います。でも、時折出てくるダートの追い込み馬にはたまらない感動を覚えます。ファストタイカンはそんな馬でした。
 その日の最終レースに出馬していました。私は、やはりファストタイカンから希望を持って馬券を買っていました。最終コーナーを回ってもまだ、後ろから1、2頭目のところにいました。場外馬券場のスクリーンに現れたのは、ゴール板前の50m位だったでしょうか。ドドドッとなだれ込んできました。1着ではなかったのですが、2着が微妙なところでした。しかし、無情にも3着でした。
 その帰り、後楽園の電車のホームでぽろっと最終レースの馬券が落ちてしまいました。すると、隣のおじさんが、
 「兄ちゃんも、買ったかい。」
と、話し掛けてきました。ダートの追い込み馬が好きな人はいるんだなあと、ちょっと嬉しかったのを思い出します。
 
3.そんなのネェーべや(掲載:Vol.1-1)
 その時彼は、何だか訳のわからない馬が来るといっていました。回りの皆にも、そんな馬来るわけネェーべや(北海道弁)と言われ、ちょっとムキになっていたようです。あまり短気なやつではないのですが、その時はかなり抵抗していました。そして、挙句の果てに、みんなそんなこと言うんだったら、そんなのないよで、7-14を買ってやる。と余計訳の分からないことを言い出しました。
 レースが始まりました。ダートのやや重だったかと思います。ダダダダダッ。ゴールに馬が流れ込んできました。えっ。万馬券でした。神が彼に見方したのでしょうか。
 
2.馬券の遊び方(掲載:Vol.0-1)
 その日は、私も友達も負けっぱなしでした。そこで、負けっぱなしは悔しいと思い、二人は賭けをすることにしました。馬券には分類番号か何か分かりませんが、無意味な数字が入っています。馬券を持っている人は見て下さい。その数字で丁半をやりました。競馬で本気になればいいのに、訳のわからないことに夢中になってしまいました。どっちが勝ったのかは忘れてしまいましたが、暑い夏の出来事だったと思います。
 
1.友達のこと(掲載:Vol.0-1)
 その友達はあまり大学には来ないやつでした。ある日、そいつの家へ行くと終わったばかりの宝塚記念のことを聞かされました。彼は、ある枠にタイコウヒリュウとスズカコバンという馬がいるので、この枠は太鼓判が押されているといいました。また、他の枠にタカラなんとかという馬がいたので、宝塚記念だから、この枠は来ると思って買ったそうです。するとどうでしょう。それが来たのです。やっぱり、競馬は夢があるなあと思いました。


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