3 学生の自主活動 (1)学生の自主活動の意義 (a)学生の自主活動の意義をどう考えますか。 (b)学生の自主活動を施設・予算の面で最大限に保障することについて、具体的にどのように取り組みますか。 村井 (a)(b)一般的には、大学は、自主的活動についても可能かつ「自主」という名を損なわない範囲で、支援する態勢を取るのが望ましいでしょう。 石 (a)学生も主体的にかつ自主的に学園生活のために行動すべき権利と責任があるでしょう。 (b)如水会からの援助が先細りする中で,施設,予算面で従来通り最大限保障することはかなり困難がともないます。その中でいかにやりくりするかが重要です。 富澤 (a)学生の自主活動は、学生の人間発達のためにも有意義だと考えます。 (b)施設の面では小平キャンパスの維持に努力すること、予算の面では全体として予算増をはかること、そして、学生の自主活動を重視する見地から最適な学内配分について検討することが基礎になると思います。 安藤 (a)〜(b)学生の自主的活動は有意義であり、大学としても可能な範囲で支援を続けるべきであると考えます。 (2)学生の自主活動に関して (a)これまで、学生の自主活動は施設の24時間自主管理が事実上認められています。今後もこの状態を堅持し、学生の自主管理をお認めになりますか。 (b)現在、教室の利用・物品貸出しは届け出制となっており、学生はだれでも自由に教室を使うことができます。今後も、教室利用・物品利用の自由を堅持されますか。 (c)学内での宣伝物配布およびビラ貼りについて、学生の自治にゆだねるというあり方を今後も堅持されますか。 (d)小平では学生の自主活動が現在も行われており、施設は実質的に学生管理となっていますが、施設管理に必要なだけの物品支給を大学が行っていないという意見があります。この問題について、具体的にどのような取り組みを行いますか。 (e)98年8月に完成した学生会館では、ガス暖房及び音楽系サークルの空調設備について、大学当局が使用者の「受益者負担」を適用したい考えをもっています。これについてどう思われますか。 (f)小平キャンパスでは学生のバイク入構が認められていましたが、キャンパス移転後は認められていません。キャンパスへのバイク入構をどう思われますか。 (g)キャンパス移転により自転車入構が増加することがわかっていたにも関わらず、大学当局は事前に学生との話し合いなく一方的に「駐輪規制ゾーン」を策定し、その後も十分に駐輪区域を保障していません。このことをどう思われますか。 (h)キャンパス内の治安の悪化について、学生の自由な活動・施設利用を妨げない前提で、具体的にどのような対応を行いますか。 村井 (a)「24時間自主管理が認められている」という事実があることについて、私はよくわかりません。 (b)学生はいつでも自由に教室を使用できるということがあるのでしょうか。職員の勤務態勢上の問題や正規の授業等に支障のない限りというならば、理解できますが。 (c)ビラ貼りについては、無秩序であることが「自治」ということではないと思います。学生諸君が自治を主張するならば、すべての構成員が納得するルールを提案すべきだと思います。 (d)小平については学生管理に委ねられているという事実があることについて、私は知りませんので、答えることができません。 (e)一般的に「受益者負担」原則をとることには賛成できませんが、学生会館の付加設備については、少し別の論理がとられているように思います。 (f)反対です。 (g)学生との話し合いがあったと理解していましたが。 (h)まさにこれこそ、自治の担い手として全構成員が話しあい、協力してできるところから行動に表すべき領域だと思います。自己の使用する施設の管理に責任をもつということがはじまりでしょうか。 石 (a) 公的な建物の管理には当然のこと,火災などに対する責任が大学側に生じます。これとの兼ね合いもあり U 学生の勉学生活の環境 3 学生の自主活動 (2)学生の自主活動に関して ますが,実際の運用は弾力的にできるように努めるべきです。 (b)従来通りの慣行を守るべきです。 (c)大学側との間でルールが存在しているようですが,それを遵守したらよいと思います。だが,まだ問題が残っているなら話し合いを続け,ルールを改めるべきでしょう。個人的には学内の美化にも十分に配慮してほしいと思います。 (d)具体的にどの物品が必要なだけ支給されていないのか詳しく知りません。実態を把握してから,具体的な取り組みを考えたいと思います。 (e)「受益者負担」を求めない場合,一般の校費から充当されることになります。その分だけ一般学生に対するサービスが低下するわけですから,これに関し全学的にもっと議論し,「受益者負担なし」の場合も,一般学生から支持してもらうようにするべきです。 (f)キャンパスを行き交う人が増えた以上,バイクの構内乗り入れは危険だと思います。 (g)話し合いがなかったのは遺憾ですが,あまりに不規則な駐輪が多く迅速な解決のためにやむを得ぬ措置だったと思います。また,駐輪区域が不十分なら,実際に調査したうえでもっと増やすべきでしょう。 (h)守衛さんの巡回を増やしたり,民間のガードマンをもっと利用するしか他に方法がないでしょう。 富澤 (a)学生が自己責任を十分認識して自主管理能力を発揮する限り、学生の自主管理が認められてよいと考えます。 (b)問題が生じないかぎり、慣行は認められてよいと思います。 (c)問題が生じないかぎり、慣行は認められてよいと思います。 (d)実態を調べたうえで対応策を検討することが必要だと思います。 (e)受益者負担の適用については「教育の機会均等」という見地から慎重な検討が必要だと思います。 (f)キャンパスへのバイク入構は、騒音防止と交通安全の見地から規制されるべきだと考えます。 (g)これもまた予算が許せばということになりますが、技術的な工夫によって駐輪スペースの拡大をはかることを検討すべきでしょう。 (h)照明増設などを含めた施設面からの検討と警備強化などの人的面からの検討が必要だと思います。 安藤 (a)〜(h)これらの具体的な問題は学生部長を中心に検討されるべきでしょう。 4「受益者負担」の適用について (a)学費からサークルの光熱費・寮費に至るまで、学生に対し「受益者負担」を適用する風潮が強まっていますが、「受益者負担」の考え方についてどう思われますか。また、法による「教育の機会均等」の原則と受益者負担の考え方が矛盾すると思われますか。 (b)学生は、施設利用・課外活動への受益者負担適用に反対しています。この声に対し、具体的にどのような対応をとられますか。 村井 (a)(b)「受益者負担」原則についての私の考えは、3(1)(c)と(2)(e)で述べたところで示されていると思います。 石 (a)(b) 基本的に上述の (2)-(e) でお答えしてあります。受益者負担をとらない場合に,一般国民の税金を用いることになります。そこで納税者に理解してもらえる範囲での受益者負担の適用反対を議論すべきです。 富澤 (a)受益者負担の適用にあたっては、必要な者には別途補償措置をとるなど、「教育の機会均等」の原則を犯さないような工夫が必要だと考えます。 (b)受益者負担の適用にあたっては、「教育の機会均等」の原則を犯さないように、ケース毎の慎重な検討が必要だと考えます。 安藤 (a)〜(b)国立大学の民営化が議論されるような状況では受益者負担はやむなしでしょう。教育の機会均等は授業料減免や奨学金の拡充で対応するということでしょう。 5学費 (a)98年度の新入生の場合、国立大学の初年度納付金は74万4200円(入学金27万5000円、授業料46万9200円)となっています。学生自治会のアンケートでも精神的苦痛や家計の苦しさを訴える声が聞かれます。日本国憲法に明記されている教育を受ける権利、学問の自由という観点から現在の学費の現状についてどのように考えていますか。また、具体的にどう対処すべきと考えているかも併せてお聞かせください。 (b)国立大学に学部別授業料を導入することについて、どのようにお考えですか。 (c)入学金・授業料免除制度について伺います。昨年度は967人が免除申請を行い、うち186人が申請を却下されています。この制度に対する評価、ならびに今後どのようにしていこうと考えているか、お聞かせください。 (d)奨学金制度について、どのようにお考えですか。 村井 (a)国立大学の授業料が物価スライド方式で値上げされるということは、問題であり、国立大学のメリットが失われます。私は国立大学に勤務する教員として、他の大学の人ととも協力しつつ、このような現状を是正するように社会に働きかけなければならないと思っています。 (b)賛成しかねます。 (c)免除制度の運営が厳しくなってきているのか否かについては、私はよくわかりませんが、このような制度は維持し、できるだけ多くの学生がその適用を受けるのが望ましいと思います。 (d)拡大するのが、当然だと思います。 石 (a)近年,学費の値上げは急ピッチでありすぎます。国大協を通じ値上げさせないように政府に働きかけるべきです。 (b)議論をもっと詰める必要があるでしょう。 (c)全国均一の採用基準が決まっているだけに,一橋の大学だけ優遇することは不可能です。やはり対象枠を拡大するように文部省に交渉するしか方法はないと思います。 (d)授業料が現在のように高水準になっている状況のもとで,授業料免除や奨学金の受給率をもっと上げるべきです。 富澤 (a)「教育の機会均等」という見地からすれば、学費は国庫負担とするのが理想的だと思います。この理想に近づくために、現状においては学費の低額化をはかるための対政府運動を強化することが必要だと考えます。 (b)「教育の機会均等」という見地から望ましくないと考えます。 (c)「教育の機会均等」を実現するためには入学金・授業料免除制度は不可欠であり、この制度の拡充をはかる必要があると考えます。 (d)「教育の機会均等」を実現するためには奨学金制度も不可欠であり、この制度の拡充をはかる必要があると考えます。 安藤 (a)〜(d)国立大学の学費等の問題は、私立大学との関係を含む国の文教政策に掛かっており、結局は文教関係予算のあり方に掛かっています。学費等の具体的な問題については、学生家庭の経済的負担が重くならないように、国立大学協会等を通じて文部省に働きかけるべきでしょう。 6就職問題 (a)昨年から就職協定が廃止され、就職活動の早期化、長期化が進んでいますが、就職協定廃止やその影響についてどのようにお考えですか。 (b)就職情報室発行「平成10年度 就職の手引き」によれば、約8割の学生が講義・ゼミに支障をきたしたと述べています。こうした就職活動によるゼミ・講義への影響をどのように考えますか。 (c)労働省女性少年室などが採用時におけるジェンダー差別に対し、相談窓口などを設けていますが、こうした差別についてどのようにお考えですか。また、具体的にどのように対処しようとお考えですか。 村井 (a)4年生の授業やゼミの運営に大きな悪影響が生じており、憂えています。この点は学生諸君にも考えてもらう必要があります。 (b)(a)に述べたとおりです。とくに拘束日というのを授業に差し支えのある時間帯に置くことは、学生の人権侵害だと思っています。 (c)ジェンダー差別があってはならないことは勿論です。そのことについての相談窓口を設けることは、必要な措置だと思います。大学によっては、学生相談室の非常勤職員として法律家(具体的には弁護士)が勤務しているところもあるようです。参考にすべきです。 石 (a)通年採用が始まって2年間,制度が定着するまでの混乱がまだ続いていると思います。しかし昔の一括採用より利点も多く,いずれ学業に悪影響の及ばないような制度になると考えています。 (b)私のゼミでは全く支障が起きていません。学生の側でも会社に対し明確に学業優先を主張すべきでしょう。と同時に,会社の方にも社会的責任を持ってもらうように,国大協などを通じて公に訴えるべきです。 (c)大学として広く社会に現状を説明し,改善すべき点を訴えるべきです。 富澤 (a)就職協定の廃止は大学教育に悪影響を及ぼしていると思います。 (b)大学教育の見地からすれば、このような事例は望ましいものではありません。就職協定復活案を含めて問題解決の方途について検討すべきだと考えます。 (c)採用時におけるジェンダー差別については、大学としても相談窓口を設けるなど、しかるべき措置を講じるべきだと考えます。 安藤 (a)〜(c)就職協定の廃止で教官も教育活動に大きな支障を感じています。就職活動をめぐるこうした問題等については、国立大学協会等を通じて文部省に働きかけて、採用者側に改善を申し入れる必要があると思います。 7院生の生活について (1)院生の研究環境 (a)院生の研究室は、現在、908人の院生数に対し440机しかありません。二人に一机もないという状態は、院生の研究環境を著しく悪化させています。こうした現状をどう思われますか。また、この問題を解決するために具体的にどのような取り組みを行いますか。 (b)近年、院生の急激な増加にともない、大学院の講義・ゼミが「マスプロ化」し様々な問題が指摘されています。研究科によっては、30人を上回るゼミがあり、院生への研究指導がおろそかになっているなどの意見があります。こうした問題を解決するために、具体的にどのような取り組みを行いますか。 村井 (a)大学院教育に携わる者として、何とかしなければならない問題だと思っています。既に述べたように、大学院棟やゼミ棟などの新しいコンセプトも駆使して、研究室の増加に向けた取り組みが必要でしょう。 (b)大学院教育が多様化することによって、教育プログラムにもきめの細かい配慮が必要になってきています。それぞれの研究科において工夫がなされてきていると思いますが、いまだ十分な成果があがっていないということではないでしょうか。法学研究科では、演習と別に研究指導の時間を設けるなどの措置をとっています。 石 (a)すでにW-1-(3)-(b) で述べました。 (b)院生の急増に対し,教官数が不足している点にまず問題があります。充足率を上げるとともに,目下検討が始められています。ゼミ,ワークショップなどのカリキュラム面での対応も必要です。 富澤 (a)このような現状は改善しなければなりませんが、ここでも予算増による研究環境の改善が基本となります。学内的には研究室の適切な配分について定期的に検討する必要があると思います。 (b)院生の急激な増加にもかかわらず、それに対応して施設と教職員が増加していないところに根本的な原因がありますから、問題を真に解決するためには、大学審議会「中間まとめ」も述べているように、「高等教育改革を進めるための基盤の確立」のために「公的支出を先進国並に近づけていく」文教政策を実現させる必要があります。しかし、だからと言って現状を放置したままでいることは正しくないので、学内措置としてはしかるいべき委員会で現状改善のための方途を検討する必要があると思います。 安藤 (a)〜(b)最近の大学院生の急増に伴う施設設備不足等は、本学に限らず諸国立大学でも大きな問題となっており、文部省でも大学院設置基準を見直す可能性があります。この問題については国立大学協会等を通じて文部省に働きかけるべきでしょう。 7院生の生活に関して (2)院生の就職問題 (a)オーバードクター問題について、どのように取り組むつもりか、お答え下さい。関連して、文部省の大学教員採用枠の抑制政策について、どのように考えますか。 (b)大学教員の任期制について、どのように考えますか。 村井 (a)大学教員採用の状況が厳しい現状においては、オーバードクター対策の妙案は思いつきません。研究者の社会でのニーズを広く開拓する必要があると思います。既に述べたように、大学の教育・研究機関としての重要性を社会に訴え、文教政策の転換を図る必要があるでしょう。 (b)一般的な任期制については、大学教員の流動性のない現状においては賛成できません。 石 (a)学問分野で深刻さに差がありますが,OD問題は古くて新しい問題です。ただ院生の側にも,地域などの選り好みがありますし,また民間および公的セクターなどに就職先を拡大することも必要でしょう。就職でもっとも重要な条件はやはり業績です。いい論文を少しで多く書いてください。 (b)人文系では理科系と異なり,任期制の終了した後のセカンド・マーケットが未発達なので,慎重に考える必要があります。しかし,採用の幅を広げ人材交流を進めるという意味で,やりたいところはやれば良いので,全面的に禁止する必要はないでしょう。 富澤 (a)需要に応じた供給、あるいは社会的ニーズに応じた院生の養成という見地からすれば、研究者養成と並んで高度専門職業人養成としての大学院の機能を強化する必要があると思います。また、院生の研究業績を他学に紹介するなどの活動を強化する必要があると思います。大学教員採用枠の抑制政策は、大学教育を充実させるという見地からして望ましくありません。 (b)大学教員に任期制を適用するのは特殊なケースに限定すべきであり、一般的な適用は避けるべきだと考えます。 安藤 (a)〜(b)全国的な大学院生の増加により、大学院生の就職問題は官民ともに対応が迫られる重要な問題になるでしょう。この問題の解決なくして、国による大学院生の増加政策の前進は考えられません。その問題解決の一環として、国立大学の教員採用の諸問題も検討されるべきでしょう。 8留学生 (1)留学生の地位向上 (a)留学生は、法律によりアルバイトの職種に制限があったり、履修上限の関係で必ず4年間在籍しなければならないなど、一般の学生に比べ大きなハンディがあります。こうした格差は留学生を受け入れる大学が責任を持って是正につとめるべき問題ですが、留学生の地位向上について具体的にどのような取り組みを行いますか。 村井 (a)大学の責任において留学生の地位向上が可能な事柄(たとえば、カリキュラム編成上の問題や留学生の生活相談・援助など)については、大学当局としては、できる限りその実現を果たすように努力すべきでしょうし、そうでない事柄についても、関係機関に働きかけるなどの措置をとるべきでしょう。 石 (a)日本に限らず,どこの国にもあるハンデだと思います。このハンデをできるだけ是正すべく,国大協,文部省に大学として働きかけるべきです。 富澤 (a)留学生に対して日本人学生と異なる扱いをするにはそれなりの理由があると思いますので、留学生の実状を十分把握したうえで、それらの理由の適否を検討し、留学生の地位向上のための方途を検討すべきだと思います。 安藤 (a)留学生が日本および本学に学んで良かったという印象を持てなければ、留学生を受け入れる資格はないと思います。そのために本学としてできる努力は続けるべきですが、他方で、日本への留学希望者に対して事前に十分な情報を提供する努力も大切でしょう。 8留学生 (2)国際交流会館 (a)国際交流会館は、運営形態が「新規格寮」に準じており入居資格も「国費留学生のみ1年間」というものになっています。留学生の地位・経済的負担からみるとこの措置は留学生に充分配慮していないといえますが、具体的にどのような取り組みを行いますか。 村井 (a)国際交流会館の利用希望が多いので、利用の公正を期すために条件が付されていると理解していますが、なお是正の余地があるのか否かについては、勉強不足でわかりません。 石 (a)この問題は新しい留学生寮や混住寮が建設されない限り,根本的に解決されません。この面での予算獲得に全力をあげるべきです。 富澤 (a)国際化の進展を考慮すると、留学生のための居住条件の改善は今後ますます重要な課題となるでしょう。現状の国際交流会館に関しては、その居住スペースが限定されていることを前提とすれば、「留学生にできるだけ公平に」ということを運営原則にすべきだと思います。 安藤 (a)留学生に関する国際交流会館の具体的な問題は、学生部長を中心に検討されるべきでしょう。 9学内における差別・排外主義の問題 (1)民族学校出身者の大学入学資格 (a)国連・ユネスコがこの問題を取り上げ、日弁連がこの問題が「人権侵害」だとして是正を勧告するなど国内外でこの問題の解決を促す声が上がっています。また、大学院では京大がすでに門戸を開放しています。このことをどう思いますか。 (b)「外国人学校卒業者の大学入学資格を求める一橋大学学生の会」が、98年5月に1004名のアピール署名を学長に提出しています。このアピールをどのように受け止められますか。 (c)98年9月、一橋大学社会学研究科は朝鮮大学校学生の大学院受験を、教授会に計ることなく執行部の独断で拒否しています。社会情勢からしても、また大学自治の観点からみても明らかに不当な対応ですが、この「事件」についてどのように思われますか。 (d)97年に引き続き、98年も朝鮮高級学校の生徒が一橋大学に大学受験資格認定の申請を出しています。三自治会は「大学が独自の判断で外国人学校卒業者に大学の門戸を開放する」ことを求める決議を挙げています。99年度入試を含め、今後大学として、独自の判断により民族学校出身者に大学受験資格を認めますか。認められない場合は、その理由をお聞かせ下さい。 (e)学長になられた場合、学長として国大協でこの問題を早急に解決するために特別委員会を設置するなど積極的な対応をなさいますか。 村井 (a)私個人の意見は日弁連の見解と同様です。門戸を開放するように文部省に働きかけるとともに、大学の判断でできることについては、実行するように学内の合意を形成すべきだと思います。 (b)大変貴重な意見だと思います。 (c)この「事件」については、私はよく知りませんので、意見を述べられません。 (d)大学独自の判断で入学資格を認めることができるか否かについて、私個人の見解を述べるだけの用意がありません。 石 (a)-(e)この問題は,文部省の学校教育法上の解釈と日弁連などの対応と真っ向から食い違い,たいへんに解決が難しいと考えています。京大の例もありますが,一研究科の独断によるもので,これをすべての大学に適用することは無理だと思います。現在,国大協の関係委員会で検討されているところで,その審議を見守りたいと思います。いずれにしろ,一国立大学だけで解決できる問題ではないと,現在考えています。 富澤 (a)門戸開放の方向で検討すべき問題だと考えます。 (b)このアピールも参考にしつつ、門戸開放の方途を検討すべきだと思います。 (c)この件に関しては近々、社会学研究科自体が検討するようなので、私としては正確な情報を得たうえで判断したいと思います。 (d)門戸開放の方向で検討すべきだと思います。 (e)国大協としても積極的な対応が必要だと考えます。 安藤 (a)〜(e)この問題については、現在国立大学協会において検討中であり、本学はその結果を待って対応するというのがこれまでの態度です。しかし、指摘されているような最近の諸状況もあって、本学でも入試制度委員会でこの問題に取り組み始めたということですので、その結果を待ちたいと思います。 9学内における差別・排外主義の問題 (2)学内におけるセクシュアルハラスメント・アカデミックハラスメントの問題 (a)教授と学生の権力関係を利用した性的関係の強要や論文の盗用・盗作などが社会問題化し、本学も無関係ではないと思われますが、こうした問題について具体的にどのような取り組みをなさいますか。 村井 (a)セクシャルハラスメントやアカデミックハラスメントはあってはならないことだと思います。他大学では規則を制定するなどの対応を行っていますが、一橋大学も同様な措置をとるように学内の声を結集する必要があるように思います。 石 (a)現在,本学においてこのような問題があるとは考えておりません。しかし,権力関係を利用した性的関係や論文の盗用などあってはならないことです。 富澤 (a)被害者の相談窓口などを設けて被害の実態を調査して、しかるべき措置をとる必要があると思います。 安藤 (a)他大学における取り組みも参考にしながら、必要があれば検討することになるでしょう。 10大学の開放 (a)施設も含め、大学の地域住民への開放については、どうお考えになりますか。過去、大学当局は兼松講堂を利用したいという市民の申出を拒否した事実がありますが、大学と地域社会の関係を考えれば、可能な限り大学は地域に開放されるべきだと考えられます。 村井 (a)地域との関係については、すでに述べました。大学は教育・研究機関ですので、施設の開放には自ずから制約があると思いますが、地域住民の利用可能性についても検討する必要があるでしょう。 石 (a)研究・教育上支障のない限り,大学の施設等は地域に開放されるべきです。 富澤 (a)可能な限り大学は地域に開放されるべきだと考えます。 安藤 (a)大学施設の地域住民への解放については、大学の研究教育および課外活動などに支障がない範囲内で、前向きに検討されてよいでしょう。 1 学寮の意義・生活環境 (a)学寮について、一橋大学の従来の自治寮のあり方を今後も尊重する意思はありますか。また、学寮に関する問題の解決にあたって、現行の自治寮の理念と制度及び1988年1月18日確認書の原則を遵守する意思はありますか。 (b)学寮に対する福利厚生の充実を、具体的にどのように行いますか。 (c)寮問題は学生生活に関わる重要問題であり、学生と合意形成をする際は団交により確認書を結ばねばならないことを今後も堅持されますか。 (d)一橋寮が今後も現行の自治寮として存続し、再開発に当たっては寮生に経済的負担をかけない事を約束した「6・8確認書」第4項(5)を今後も堅持されますか。また、他の3学寮についても、今後も現行の寮自治を堅持されますか。 寮の基本的性格からして寮食堂は非常に重要な施設であり、学寮にとって不可欠だとお考えですか。 (e)寮食堂同様、寮の事務員も学寮にとって重要な人材であるとお考えですか。 (f)大学は、文部省の意向を受ける形で寮食堂炊フ・寮事務員の「校費雇い」の打ち切り・不補充を行っています。この対応についてどのように思われますか。また、職員補充について具体的にどのような取り組みを行いますか。 (g)現在学寮をとりまいている「受益者負担」主義の適用をどのように思われますか。 村井 (a)学寮についての従来の大学の考え方は保持されるべきでしょう。現行の理念や制度、確認書の原則も維持されてしかるべきだと思います。 (b)福利厚生の具体的充実策については、寮生との話し合いを通じて決定されていくことでしょう。 (c)従来の合意形成のあり方を変更する要因があるとは思われません。 (d)具体的な内容はよくわかりませんが、約束したことは守られるのが当然でしょう。 寮食堂が学寮にとって必要な施設であることは理解できます。 (e)そうだと思います。 (f)理想的には、炊婦や寮事務員の経費も国が負担すべきでしょうが、合理的な範囲内での寮費への加算ということも、現実的にはやむを得ないことがあると思います。 (g)「受益者負担」原則についての見解は、既に述べたところと同じです。時代とともに、寮の存在意義と性格が変化してきたということも、無視できない事実だと認識しています。 石 (a)学寮に関連する委員にこれまで就任したことがなく,正直いって勉強不足です。一般的にいって学寮のあり方については,現行の自治寮の理念と制度を基本的に尊重したいと考えています。 (b)厳しい財政事情の中で可能な限り居住環境の充実などの必要性を感じており,積極的に取り組むべき課題の一つと考えています。 (c)学寮問題に関する学生との合意形式については,話し合いが必要な場合には積極的に話し合いに応じていきたいと考えております。 (d)従来の慣行は尊重されるべきだし,三学寮とも現行の寮自治を維持すべきだと考えています。 (e)-(g)寮食堂の問題などについては,寮生の意見などを聞き,可能な限り要望に沿う努力をしたいと考えています。 富澤 (a)慣行はできるだけ尊重されるべきだと考えます。1988年1月18日確認書に関しても同様です。 (b)学生の要望を調べて、実現の可能性をもつ要望について優先順位を明確にして対応する必要があると思います。 (c)慣行は尊重されければなりませんが、私個人としては、Wの3のdで述べたように、団交方式には問題点があると考えています。 (d)慣行はできるだけ尊重されるべきだと考えます。「6・8確認書」第4項(5)も尊重されるべきだと考えます。寮食堂が学寮にとって不可欠かどうかは、条件によって変化すると思います。たとえば、寮食堂の利用者が極端に減るような場合は、寮食堂の意義について再検討する必要があると思います。 (e)寮の事務員は学寮にとって重要な人材だと思います。 (f)定員削減が進行している現在の条件下では、職員補充の形態については弾力的に考えざるをえないと思います。 (g)受益者負担は、適用の仕方によっては教育の機会均等という原則に反することになるので、慎重な検討が必要だと考えます。 安藤 (a)現行の自治寮の理念と制度は尊重されてよいと思います。 (b)学寮の福利厚生の充実についての具体的な検討は、学生部長を中心に行われるべきでしょう。 (c)学寮問題に関する学生との合意形成の形式は、事柄に応じて確認書の他にもあり得るでしょう。最終的な合意形式もさることながら、話し合いの努力を重ねたうえでの合意という実質が大切だと思います。 (d)3学寮とも現行の自治寮を維持していけるでしょう。 (e) 〜(g)寮食堂の問題については、寮生の意見を十分に聞きながら、解決に向けて検討されるべきでしょう。 2 「新々寮(混住寮)」問題 (a)大学当局が提起した混住寮建設案について、現在、大学当局・学生間で検討が進められておりますが、混住寮の建設に積極的に取り組む意志はありますか。また、その過程においてこれまでに大学当局・学生間で行われた会合の内容を尊重する意志はありますか。 村井 (a)混住寮の建設は当然進められるべきでしょう。その際、大学当局と学生間で行われた会合の内容を大学執行部が尊重するのも当然のことと思います。 石 (a)混住案の建設は積極的に取り組んでいくべきものです。その際,個々の寮問題としてではなく,全体的な視野から検討する必要があると考えています。 富澤 (a)混住寮建設に関しては、これまでの会合の内容をふまえて積極的に取り組むことが必要だと考えます。 安藤 (a)混住寮の建設は、学生との話し合いを重ねつつ、積極的に取り組まれるべきでしょう。 3 個別の質問事項 (1)一橋寮 小平キャンパスの治安問題について、照明増設、警備の質の強化などを行う意志はありますか。 村井 (1)大学が、小平キャンパスの治安問題に関連して、照明増設や警備の質を強化するなどの措置を講じるのは、当然だと思います。 石 (1)あります。 富澤 (1)照明増設、警備の質の強化などが必要だと思います。 安藤 (1)小平キャンパスの治安の悪化は放置できない状況にあり、照明設備の改善、警備の質の強化等を急ぐべきでしょう。 3 個別の質問事項 (2)中和寮 大学は文部省の意向を受ける形で、寮食堂の炊事婦及び寮作業員の校費雇用の打ち切り及び不補充を行っていますが、この対応についてどうお考えですか。 村井 (2)V1(f)に回答したとおりです。 石 (2)不補充措置は厳しい財政事情のもとでやむを得なかったと推量しています。しかし,寮の施設管理を行う寮作業員は必要でしょうから,代替措置の可能性を含め検討すべきでしょう。 富澤 (2)定員削減が進行している現在の条件下では、職員補充の形態については弾力的に考えざるをえないと思います。 安藤 (2)国の厳しい行財政事情から不補充はやむを得なかったのでしょうが、何らかの方法で実質的な補充ができないものか、検討されるべきでしょう。 3 個別の質問事項 (3)院生寮 (a)東キャンパスの治安問題について、照明増設、警備の質の強化などを行う意志はありますか。 (b)文部省の大学院重点化政策のもとで近年、院生数が激増しており、院生の住環境の整備が必要になっておりますが、将来的に院生独自寮建設に向けて努力する意志はありますか。 村井 (a)(1)の回答と同じです。 (b)院生寮の必要性は理解できます。大学当局は文部省への働きかけを粘り強く行っていく必要があると思います。 石 (a)あります。 (b)院生数の増加に対して,住環境の整備が不十分なことは認識しています。将来に向かって努力したいと考えております。 富澤 (a)照明増設、警備の質の強化などが必要だと思います。 (b)院生の住環境の整備は必要ですが、寮の形態については院生独自寮という形態がよいのかどうか、検討が必要だと思います。 安藤 (a)東キャンパスの治安を良くすべく、照明設備の改善および警備の質向上を図るべきでしょう。 (b)大学院生数の増加にもかかわらず院生の住環境の整備が遅れていることは明らかであり、院生寮と他の学生寮との関係も含めて、解決に向けた検討が必要と考えます。 申し訳ありません!まだちゃんとできてません!! |