Windows 2000 は本当に必要か?

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Windows Me (Millennium Edition) の真実」を載せています。
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このページは平成12年2月18日に日本で発売された Windows 2000 について 私の評価です。
自宅で既に使っている個人のパソコン用OS Windows 95/98を ウィンドウズ2000に これから買い
替えるべきかどうか迷っている方の参考となれば幸いです。 会社で使っているパソコンのOSを
ウインドウズ 2000  に替えるべきかということではなく 個人が自宅で使うパソコンのOSという視点
から書いていることを お含み置きください。 私の個人的な評価ですので あくまでも参考情報とし
て読んでいただき Windows 2000を購入すべきかどうかの最終判断は自己責任でお願いします。 
全文を読む暇など無いヨ というお急ぎの方の為に 先ず結論を述べます。 

T. 私の結論

私はWindows 95 から98 に乗り換えた経験を持つ個人ユーザーです。 今回のバージョンアップは
単純に 98から2000に替わったのだ と思っていましたが かなり違います。 第U項の中で説明
する 「Windows 2000 の素性」 等を読んでいただかないと 以下の結論に私が至った根拠を良く
理解して貰えないと思います。

Windows 2000 Professional (以後 Win2000と略称) はWindows98 とNT4.0WorkStationが統合
されたものであり 98とNT両方の後継バージョンです。 マイクロソフト社HPのQ&Aでも 98とNTを
統合したのが2000と説明しています。 しかしながら 一般的に 2000はNTの後継だが 98の後継
バージョンでないという見方が強く どちらが正しいのか混乱していました。 この点について 
マイクロソフト日本法人の成毛社長は Win2000発売直後の記者会見で 「Win2000は98の後継で
はないことを周知徹底したい」 と明言しています。 従い Win2000はNTの後継だが98ユーザーに
も使えるように設計されている というのが今や正しい解釈です。 石毛社長は 又 日経産業新聞
(H12.2.24)のインタビューに 「個人ユーザーには パソコン初心者を含め 98を勧めるが 企業
ユーザーには Windows 2000 Professionalを使ってほしい。 パソコン初心者であっても 組み込み
済み(プレインストール)であれば Win2000を利用できる」 と答えています。

Windows 98の後継バージョンとして2000年中に Windows Millennium というバージョンが加わる
予定になっています。 Millenniumは コード名であり正式な商品名ではありません。 その仕様 
価格 発売日 などについては未発表で分かりません。

結論として 現在使っているWindows95/98から Win2000 に乗り換えない方が良いであろう
ユーザーは 95/98で特に不都合を感じていない 自分はパソコンの初心者や中級者と思う 
高度のセキュリティー機能や安定性を必要としない 現在使っているアプリケーションや周辺機器
を使い続けたい といった方です。 Win2000に乗り換えた方が良いであろうユーザーは 以前から
Windows NTを使っている 安定しかつ高性能のOSを使いたい 自分はパソコン上級者と思う
高性能のパソコンを使っている ネットワークの構築を考えている といった方です。
 
これから新たにパソコンを買う方は どうすべきか迷うところです。 Win2000がプレインストールされ
ているパソコンを 初心者であっても この際 思いきって買った方が良いと私は思います。 
プレインストールされていれば インストールする面倒もなく アップグレードに伴うリスクも回避でき
ます。 但し 既に使っているアプリケーション・ソフト (以降 アプリケーション と略称) 今後買う
予定のアプリケーション 周辺機器などが Win2000で動作しなくならないか 充分チェック必要
です。 ゲームデバイスによっては使えないものもあります。

OS(オペレーティング・システム)は裏方の仕事であり Win2000の新しい機能を使う必要がない
のにOSを買い替えるのは無駄です。 Win2000の素性を理解した上で 新しい機能を是非試したい
とか 早晩必要になるなら早い内に買っておきたいというような方は Win2000に変える意味もある
と思います。 パソコンの機種(特に古いもの)によっては Win2000に載せ替えることにより 修復
不可能なトラブルを起こす恐れもあり 心配ならメーカーに確認されることを勧めます。 

既に持つパソコンにインストールされているWindows95や98をWin2000に替える方法として 上書き
によるアップグレードは 従来の環境を残せ簡便ですが 動作が不安定になり不具合を生じやすく
なります。 従い Win2000に載せ変えるなら クリーン・インストール という Windows95又は98を
削除した上でWin2000をインストールするか 今までのOSを残しながら新規にインストールする方法
が理想的です(パソコンに習熟した方でないと削除するのは難しいですが・・・・)。

繰り返しになりますが Win2000は普通の個人が自宅で使うには 余分な機能が多すぎ 上級の
個人ユーザーでない限り Windows 95/98以上に魅力ある機能を備えていると評価できません。 
発売当初はバグの発生で安定しない恐れもあり 急いで買わずに 暫くは買ったユーザーの反応を
聞いたりして 様子を見た方が賢明です。 

Windows 98に代わるOSとして 2000とMillennium 何れを選ぶべきかはMllenniumの仕様が
発表されていないので判断困難です。 Win2000では動作しないアプリケーションや周辺機器を
利用せざるを得ない方は Millenniumの方を選ぶべきであり Winows98よりNT4.0の方が優れてい
たネットワーク対応 アプリケーションの安定 データのセキュアリティー システムの堅牢さ・信頼性
をより重要視される方は Win2000を選ぶべきと思います。 Millenniumは95/98の環境でパソコンを
使い続ける方の為のマイナー・アップグレード版ですが それ以降の後継は全てWin2000をベース
として開発が行われることになっているそうです。

U. Windows 2000 Professional の内容

ご存知の如く マイクロソフトのOSには 主として個人ユーザー向けWindows 95/98と ネットワーク
対応のサーバー用OSや 処理の高速性を要求するソフト開発やエンジニアリングユーザー そして
安定性やセキュリティーを必要とする企業ユーザー 向けパソコン用OSである Windows NT の2種
類ありました。 企業ユーザーのパソコン用OSとしては NTワークステーション 98 95 が
四対三対三 の比率で普及している現状です。 企業ユーザーが使うパソコン用OSは このように
3種類のOSが混在していますが 早晩 各企業レベルでは 2000又はその後継に統一する必要が
出てきます。

マイクロソフトは1996年頃から Windows NT4.0の後継OSとして NT5.0の開発をスタートさせ 
個人ユーザー用のWindows98後継OSとしてMillenniumを予定していました。 マイクロソフト本社内
では 従来 NTと98の開発部隊が別々でしたが NT5.0の開発が大幅に遅れたので 両開発部隊
を一本化し WindowsNT4.0WorkStationとWindows 98の 両方の統合バージョンとして開発された
のが Windows 2000 Professional です。 この開発変更により マイクロソフトはMillenniumを
マイナーなアップデート版に格下げし Milleniumの後継をWin2000ベースに開発する方針です。

Win2000は98とNTの両方が統合された後継OSとして開発されてはいますが OSの土台となる
基本構造(アーキテクチャ)をNT4.0からを引き継いだので Windows NT4.0WorkStationの後継
という素性を色濃く残しています。 NTと98のアーキテクチュアは具体的にどこが違うのかと聞かれ
ても文系の私には良く分かりませんが 例えば Windows 3.1との互換性を保つ為に Windows98は
16ビットと32ビットの混在環境にあったのが Win2000は32ビットだけの環境となり完成度や安定性
が優れているそうです。

従来 95/98で動作するアプリーケーションや周辺機器の一部をNTで動作出来なかったのは 
95/98とNTが異なるアーキテクチュアであったからであり Win2000は同じ問題を一部残してい
ます。  Win2000は企業ユーザー用(NTの後継)に設計され 個人ユーザー用(98の後継)には
不向きという世評があるのは 98とは異なるアーキテクチュアというWin2000の素性にあります。

マイクロソフトのHPは この点について 製品情報とQ&Aのページで次の如く説明しています。

  「Win2000はOSの基本構造である 堅牢なアーキテクチャをNTから継承し 98の優れた操作性
  を融合したもので 企業ユーザーだけでなく 95/98ユーザーにも使えるように設計されています。
  Win2000のアップグレードはWindows NTからが最もスムースでお勧めできます。 逆に 
  Windows95/98からのアップグレードは 過去の古い器へのサポート対応 アプリケーションの
  互換で最も問い合わせの多いものになると想像されます。 Win2000にバージョンアップすべき
  かどうかは 今のパソコンやOSに対して どれくらい不満や限界点を感じているかが判断の基準
  となります。 例えば アプリケーションが よくエラーを起こす PCがフリーズした際に併行して
  作業中の他のアプリケーションを消さずに(OSを再起動させずに)復旧させたい 共有している
  PCのデータを保護したい といった場合には 95/98からバージョンアップするメリットを享受でき
  ます」 

冒頭で書いた私の結論を繰り返すと以下でした。

  「現在使っているWindows95/98から Win2000 に乗り換えない方が良いであろうユーザーは 
  95/98で特に不都合を感じていない 自分はパソコンの初心者や中級者と思う 高度の安定性
  やセキュリティー機能を必要としない 現在使っているアプリケーションや周辺機器を使い続け
  たいといった方です。 Win2000に乗り換えた方が良いであろうユーザーは 以前からWindows
  NTを使っている 安定しかつ高性能のOSを使いたい 自分はパソコン上級者と思う 高性能の
  パソコンを使っている ネットワークの構築を考えている といった方です。 これから新たに
  パソコンを買うなら Win2000がプレインストールされているパソコンを 初心者でも この際 思い
  きって買うべきです。」

マイクロソフトは この結論と異なる見解ですが 上記製品情報とQ&A説明を熟読すると 婉曲的に
私と同じことを言っていると解釈するのは 私だけでしょうか?

Windows 95/98は操作性(ユーザーとのインターフェース)でNTより優れていましたが ネットワーク
対応の強化 アプリケーションの安定 データの保護(セキュリティー) システムの堅牢さ・信頼性
という面ではNTより劣っていました。 Win2000は98/NT両方の良さを兼ね備えていますので 98か
ら乗り変えた方が何かと便利であることは確かです。 しかしながら NTの持つ優れた機能を必要と
する95/98ユーザーは極めて限られており パソコンの上級者と思います。 嘗てWindows 95 を98に
私が載せ変えた時に 予期せぬトラブルが発生し当惑しました。 パソコン通信PC-VANやマイクロ
ソフト葉書スタジオが動かなくなり E-Mailソフトが Internet Mail から Microsoft Outlook Express
に勝手に変えられたことなどです。 Win2000にも同様のトラブルが起こり得るので パソコン初心者
は心構えが必要です。 Win2000が対応するアプリケーションや周辺機器については 公式HP
http://www.win2000j.com/  にある「互換性情報」で調べられます。

自宅でパソコンを使っている極く普通のユーザーで インターネット 電子メール ゲーム ワープロ
表計算 葉書き作成 などを使う程度であれば Millenniumを待つ選択もあります。

Microsoft Windows 2000 Professional の定価(値引き前)は以下です。

      標準版:                              \38800
      95/98からのプロダクトアップグレード版:          \27400
      NT4.0/3.51からのバージョンアップグレード版:       \16800  

Win2000が動作するのに必要なパソコン環境は以下です。

                     最低レベル         快適に動作するレベ     
        CPU         Pentium 133MHz        PentiumV 450MHz      
        メモリー         32MB                 128MB            
        HDD空き容量     850MB                   ?              
        HDD全容量        2GB                  10GB             

Windows 95を98に載せ変える時に必要とされた最低レベルは CPU 486DX 66MHz メモリー 
16MB HDD空き容量 220MB でしたので Win2000となって更に大容量のパソコン環境を必要と
しています。 快適に動作するレベルは某専門紙の指摘であり絶対的なものではありません。
    
Win2000の機能としては Windows98 Second Edition とWindowsNTから継承したもの 及び 独自
の新機能があり具体例は以下です。

1)  マウスカーソルに影がつき ごみ箱のデザインが一新し コントロールパネルのアイコン名称
    が変わるなど見た目が違う。
2)  アプリケーションがフリーズした場合に OSを再起動せずに復元できる。
3)  Windows 98までは 例えば英語版Windowsで日本語版Officeの利用は出来なかったが 
    Win2000からは多言語対応で可能。
4)  インターネット・エクスプローラ IE5.01をOSに統合
5)  スタートメニューで良く使うメニューだけを優先的に表示させるパーソナライズドメニュー。
6)  ノートPCを携えて出先で仕事をするユーザーに便利なオフライン・フォルダ機能により 
    WindowsのPC同士でファイルを自動的に同期する作業環境。
7)  1台のパソコンに接続されたモデムやTAを複数のパソコンで共有し インターネットに接続さ
    せる機能。
8)  WindowsNTをベースにしたOSであることから Windows98よりも より本格的なインターネット
    サーバーやイントラネット・サーバーを構築できる。
9)  ACPI対応によるパソコンの省電力とノートPCのバッテリー寿命延長。
10) 新たに接続した周辺機器を自動的に認識するプラグアンドプレイ機能の進化 DirectX7.0に
    よるゲーム対応 USBやIEEE1374対応など。

V. Windows が進化する功罪

OSがバージョンアップする毎に改善されることは ユーザーにとって更に使い易くなるということで
あり 常識的には好ましいことです。 

マイクロソフト社OSの歴史は 使い難いコマンドという命令の入力を必要としたMS-DOS(Micro
Soft Disk Operating System)で地盤を築き 1985年に発表されたWindows1.0以降 1992年に発表
された3.1で改善されました。 GUI(Graphical User Interface)という 文字入力ではなく アイコン
(絵文字)をマウスでクリックする 初心者にも容易にパソコンを操作できる方法を本格的に採用した
1995年末発表のWindows95により デファクト・スターダード(事実上の標準)OSとしての地位を築き
ました。 1998年のWindows98 今回のWin2000で更にユーザーに使い易いものとなっています。

私は Windows95が日本で発売された直後の1996年の初めに 自宅用パソコンを購入しました。 
その当時 Windows95を搭載したパソコンは HDD全容量 540MB  CPU Pentium 75MHz  
メモリー 8MB から購入できました。 その後4年の間に 先に説明した如く Win2000が動作する
のに必要な最低限のレベルとして 信じ難いほど大容量のパソコンを必要とするに至ってます。

GUIを使った操作性の良いOSとして 各種のアプリケーションを充分に動作させる上で  Windows
95/ 98/ 2000 の差はほとんどありません。 OSというのは各種アプリケーションを動かす裏方の
仕事であり 裏方としての仕事内容はバージョン差が余り無いのに 何故ここまで重装備の
パソコン容量を必要とするようになったのかが問題です。 

マイクロソフト社への批判はこの点にあります。 Windowsのバージョンが新しくなる度に 利用度の
低い新機能が追加され OS自体が肥大化したことは先に説明したとうりです。 重たいOSを動かす
為に ハードウェアに要求される水準が高まり パソコン本体を買い替えなければならない事態と
なっています。 2〜3年毎に繰り返される Windowsのバージョンアップに対応しないユーザーは 
新バージョンに対応したアプリケーション使えなくなるので 新しいバージョンへの買い替えを強い
られます。 パソコンとOSを買い替えるに見合うだけの改良であれば納得できますが Windows98/
2000 に納得できないユーザーは多い筈です。 マイクロソフトのマーケティング戦略に ユーザーが
踊らされているだけと見ることもできます。

Windowsが進化を続けるのは結構なことですが OSとしてWindowsが圧倒的なシェアを占め
デファクト・スタンダー的存在となることにより パソコン本体 周辺機器 ソフトウェアなどを含めた
業界全体が マイクロソフト社の影響を強く受け過ぎる弊害も出始めています。 1999年11月
米国の連邦司法省はマイクロソフト社が不正に市場を独占しているとして 独占禁止法違反で提訴
しました。 判決確定まで長期化しそうですが OS部門とアプリケーション部門が 2社に分離され
る可能性があります。

「OSを制する者がパソコンを制する」 と言われていますが OSの上でしかパソコン・ソフトは動作
せず OSを制したマイクロソフトがパソコン業界全体を牛耳り 健全な競争を阻害していないかが 
独禁法違反訴訟の争点です。 マイクロソフト社のOSは 中身を全て公開していない クローズド・
ソース なので 自社で制作するアプリケーションは 他社より早く新製品を出せるという利点があり
また 自社で制作するアプリケーションに 必要な機能を自社OSにいち早く組み込めることもでき
ます。 こうした 公正な競争を阻害する状況を 米国の反トラスト法がどう判断するかが注目され
ます。 

W. Windows の独占的な地位は将来も安泰か?

マイクロソフトが築きあげたデファクト・スタンダードの地位にあるWindowsは 単にOSだけでなく
周辺機器や各種アプリケーションに圧倒的なシェアを占め 絶大な影響力を持っています。 従い
Windowsをバックに同社の独占的地位は 将来も なかなか揺るがないでしょうし アップル社の
マッキントッシュ用 MacOSに逆転される可能性は考えられません。

しかしながら 世の中には平家物語から学ばなくても 盛者必衰の理(ことわり) というのがあり
マイクロソフトとWindowsの独占的地位が 将来もズット安泰である とは言いきれません。
マイクロソフトを脅かしているものとして 先に説明した如く 独占禁止法違反の提訴がありますが 
同社にとって一番の脅威は 独占禁止法ではなく リナックスかも知れません。 リナックスが人気
を呼んでいる背景に マイクロソフトのOSウィンドウズに対する不満や批判があります。 

リナックス(Linux)はフィンランドの技術者リーナス・トーバルズ氏(現在は米国に在住)が
ヘルシンキ大学在学中に開発したサーバーとパソコン用OSです。 UNIXという高性能・高価格で 
ワークステーションと呼ばれるネットに接続したコンピューター用に開発されたOSを サーバーと
パソコン用に変えたものです。 「リーナスのUNIX」ということからLinuxと命名されています。 

リナックスの特徴は「フリー」で「オープン」という2点です。 フリーとは誰でも無料で使えること 
オープンとはLinuxの中身(プログラム)が公開されており 誰でも改良・改造できるというです。 
マイクロソフトにとって特に脅威なのは 同社のクローズドソースに対し リナックスはソースコードを
オープンにしているので 草の根からのブームとなっていることです。 基本ソフトウェアのOSは
タダであっても故障が多かったり 不便であれば普及しませんが インターネットを使った世界中の
ボランティアによりバグが修正され 改良され続けており 安定性があり 使いやすいOSとして人気
が急上昇中です。 UNIXを使ったアプリケーションをリナックス上で利用できることも魅力です。

リナックスはコンピューター業界に革命を起こし マイクロソフトに対抗できるOSに育つ可能性は有
りますが 未だアプリケーションの数と内容が充実してなく 周辺機器を含めた多様なハードウェア
に対応したドライバーが不充分といった 克服すべき課題は色々と残されています。

日本発のパソコンOSとしてBTRONがあります。 東京大学教授 坂村健氏がリーダーとして
パソコン用のオープンなOSとして 1984年からIBM 松下電気など 複数の大手メーカーを加えた
産学協同プロジェクトとして順調に進んでいました。 ところが1989年4月28日に米国通商代表部
(USTR)は 日本の不公正な貿易(貿易障壁)により米国が貿易赤字になっているとして 「不公正
貿易品目リスト」にTRONを載せました。 その結果 日本のメーカー各社はBTRONパソコンから
撤退しました。 米国から事実無根の横槍により 日本発のオープンなパソコン用OSとして 
BTRONを普及させる絶好のチャンスを失ったのは残念なことでした。 坂村教授が書かれた
「痛快! コンピューター学」(集英社)に この辺の生々しく興味深い記述がありますので 是非
ご一読ください。 TRONプロジェクトは 通信制御用のCTRON 家電や産業機器用のITRON等 
実用段階にあるOSとして高い評価を受けつつあります。 携帯電話にもトロン技術は生かされて
います。

Windowsの地位を脅かし得るものとして リナックスの他にも NC(ネットワークコンピューティング)
やASP(アプリケーション・サービス・プロバイダー)などの新システム開発があります。 パソコンの
代わりに端末を置き インターネットでホストコンピューター又はサーバーと端末を繋ぎ データーや
アプリケーションは通常 ホストコンピューターやサーバーに置き 要求に応じてクライエント(端末
ユーザー)に提供するという 集中管理により管理と維持コストを減らす動作環境への取り組み
です。 負荷をパソコンから減らし 際限なく肥大化し重くなるOSと 大容量を必要とするパソコンの
時代を終わらせようとする 新たな動きです。  又 パソコン機能の内 電子メール インターネット
ゲーム等は 携帯電話 プレイステーション等のゲーム機 電子手帳  デジタルTVでも行える様
に成りつつあるのも マイクロソフトにとっては脅威です。。

X。 エピローグ   

このページではWindows 2000の評価を主テーマに書き始めましたが オペレーティング・システム
全般の論に いつのまにか なってしまいました。 マイクロソフトのWindowsは 余りにも肥大化し
進化の袋小路にはまってしまった恐竜のように 収拾のつかない事態に陥っていないかという
日頃の思いから OS全般についての長文となりました。 

Windows 95/98から2000に乗り換えることに 私は基本的にネガティブであると このページで説明
しました。 しかしながら IT(Information Technology)の発展は 1年間が7年間に相当する Dog
Year と言われており 常に新しい技術に触れていないと時代に取り残される恐れがあります。 
Windows95/98から2000に乗り換えることは こうした意味で 必要悪な投資なのかも知れません。

アンチ・マイクロシフト派の最大の根拠は マイクロソフトが市場を独占し 他社に公平な競争を許さ
ない状況とし ユーザーに不利益をこうむらせているという見方です。 バージョンアップする毎に
利用度の低い新機能が追加され 際限なく肥大化していくWindowsに対して ユーザーからの強い
不満と批判があります。 Windowsに縛られないシステムとして サンマイクロシステムズはJAVAで
オラクルはネットワークコンピューターで対抗しようとしています。 OS市場をマイクロソフトに独占され
ることは好ましくない IBM デル コンパック などのメーカーはリナックス搭載のパソコン開発に
積極的です。 独禁法違反の訴訟も進展中です。

こうした状況や包囲網は マイクロソフトにとって容易な事態でありません。 しかしながら
マイクロソフトは これまでも巧みなマーケティング戦略で難局を乗り切ってきた歴史があり どう
対応していくのか 興味深いところです。 盛者必衰の轍を踏まない為に マイクロソフトに必要な
のは 企業の利益優先よりユーザーの利益を優先させる経営への変身です。 変身できるか鍵を
握っているのは オープンソース(人間が読めるプログラムコードの公開)への転換でしょうが 
同社の企業体質で そこまでパラダイムを変えられるか 私は懐疑的です。

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