アンドリューNDR114
 “1人”のロボットの、200年に亘る“生涯”を追つたドキュメンタリー風の映画(、だと私は思つた)。
 お話は割に普通だつたし、出てくる一見技術的な会話はあまり高度とは言ひ難い薄つぺらなのもので、近未来の風景描写も敢へて(?)陳腐な雰囲気だつたけど、それだけに主人公の一貫した生き方(所詮ロボットだけにそれが信条なのかも。でも結果的には変容を遂げるのだが…)は前面によくあらはれてゐたやうな気がした。
 人間は必ず死ぬものだ。寿命があることは自然の摂理であり、それが人間といふものだ。……。不老長寿の機械を人間として認める訳にはいかない。認めればそれを望む者が羨望し問題を起こす。……。ときには間違ひをして冒険することも必要なのだ。外見の変化より内面のそれがより大切。……。人は何故異性と交はるか。……。などなど、なかなかに哲学的内容も孕んだ人間再発見的主題も扱はれてゐたやうだけれど、恐らくその多くは原作で触れられてゐるのだらうし、こゝではそれらは置いて、映画としてできあがつたものに対する断片的な感想をいくつか書いてみたい。

 オープニング

 時間経過描写

 建物や道具と人々のことなど

 子供の叱り方

 アンドリュー命名の由来

 冗談の字幕翻訳

 音楽

 人命尊重

(2000年6月8日 シャンテ・シネ1)

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このページは長谷部 宏行(HASEBE, Hiroyuki)からの発信です
2017年4月9日版
(内容については実質的には2000年6月9日版)