タイタニック
 11月1日、みゆき座でタイタニックを観てきた。もう公開されてから1年近くになり、廉価な家庭用ビデオが発売されるといふことも知つてゐたが、たまたま日比谷へ行つた折、「まだやつてたのか」と思ひつゝ、所持金も時間も都合がよかつたので、その日の最終回(18時半頃〜)の切符を買つた次第。さすがに席はガラガラだつた。
 あまりの評判ぶりに、生意気にも「本当かいな?」と思つてゐたので、まさか自分が(、それも独りで(!!)…笑)映画館で観ることになるとは予想もしなかつた。しかしだ。この映画は実によくできてゐる、と感心した。感心する前に感動したんだけど、まあそれはお約束といふことで多くは言はないでおかう。
 「滅多に映画館に行かないもんだから、たまに大作を観るとなんでも感心するんぢやないの?」と言はれゝばそれまでだけど、あの3時間に迫る長さに飽きがこなかつたんだね、これが。なにしろいろんなことが描かれてゐた。特撮による海難事故描写や細部にまで忠実に再現された船自体も、確かにそれはそれで苦労も少なくなかつただらうけど、私としては、フィクションも含めた物語だけでも充分に味はうことができた、と思つたね。もちろん「ぢやあ映画ぢやなくたつていゝんぢやないの?」と問はれゝば、さういふことでもない。やはり音楽や具体映像で見せてくれる映画だからこそ、あれだけ感動できたんだと思ふよ。
 「描かれてゐた多く」に「感心したこと」は、例へば次のやうなものだ。もちろん人それぞれだから異論もあるだらうけど。  と、まあ、いろいろと書いたけど、一感想といふことでね。
 だけど、本当によくできた映画だと思つた。家庭用ビデオももちろん買つたので、またゆつくりと観てみたい。
(1998年12月)
後記:ビデオは字幕版と吹替版を買つたのにDVDまで買つてしまつた
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このページは長谷部 宏行(HASEBE, Hiroyuki)からの発信です
2017年4月9日版
(内容については実質的には2000年5月12日版)