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大湯環状列石:〔71〕周辺の謎?

△豊真木沢川のこと
 
 「豊真木沢川」のように、[豊]と「真木」と二つの高尚と云うか、 目出度い文字を有する地名は、なかなか稀であろう。
 
 このうち、「真木」について考えてみたい。
 「真木」とは、Goo辞書によると、
(1)イヌマキ・コウヤマキの別名。特に、イヌマキをいう。
(2)〔よい木の意〕木材としてすぐれたスギやヒノキの総称。
 即ち「真木」は樹木のうちで、真っ直ぐに伸びた、姿の美しい木と云うことである。
 
 ここ鹿角で、「真木」の文字を持つ地名では、まず「真金山 (まきやま、槙山・巻山とも)」と「小真木(白根)」とが挙げられる。 いずれも屈指の旧鉱山で、また金山の誉れ高い山でもあった。
 このことから、まず「真木」=「真金」と考え得る。  
 なお、真金山は、大字八幡平の夜明島川の支流である。夜明島川流域の国有林名を「杉沢 国有林」と云う。この一帯では、天然の秋田杉が生育していた形跡があり、真金山沢には、 明治時代に植栽したと思われる立派なスギが生育している。いわゆる「真木」の生えている 山と云うことも出来る。
 このことからは、「真木」=「立派な樹木」と考え得る。
 因みに、鹿角の郷は、歴史的に「スギ(天然)」の産地でもあったと云う記録もある。
真金山のスギ林
 豊真木沢川の上流域には、根市という集落がある。「根市」とは、山麓に開かれた 知名度の高い市の所と推定することが出来る。
 
 この豊真木沢川と、隣接する草木川流域とに、鹿角の郷の大昔のことを語り継いできた、 いくつかの特筆すべき伝説がある(下記「鹿角物語」)。
 時代が下ると、戦国時代の難を逃れた落人の伝説も伝わっている(下記「草木の里・落人の村」)。
 このことからの考えると、「なぜ、この地域に限って、鹿角の歴史を髣髴させる伝説が 集中しているのか」と云うことである。
 居住環境としたら、鹿角には他にも沢山あるのに………である。

 ここ大湯環状列石を含む一帯は、例えば貴重な産物(金とも)のとれる所で、 太古ないし有史以来、非常に賑わっていたものと考えられよう。
 
[地図上の位置(豊真木沢川上流に位置する根市集落)→]
[参照]
@「鹿角物語」 (八郎太郎伝説・錦木塚伝説・マタギ伝説「左多六とシロ」など)
A「草木の里・落人の村」
(H18.02.05)
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