「松館今昔:家庭の年中行事」

一月の行事

元日未明 「歳旦祭」 於菅原神社本殿
 即ち神前には既に鏡餅、お神酒などが供えられている。修祓(しゅばつ。お祓い)、 一拝、宮司祝詞奏上、一同拝礼、一拝する。 祝詞奏上のときは、併せて五穀豊穣の祈願をする。
 歳旦祭を終えて帰宅、軽い飲食、就寝……。
 
 以前の朝食は、家族の人数分の料理を作るのであるが、供える所は、 @奥座敷の神前、A先祖の御霊代、B恵比寿様、C竈(台所)、 D入り口などであったので、 お膳は最低でも五客分は作り、家族が多いときは、二つ並べたりした。 入り口の戸は、少し開けていた。
 一同が揃うと、順次拝礼した。食べるときは、どのお膳を選んでも良かったが、 神前のお膳は、一応主人(長兄)が食べるのであった。
 
二日 「初釜」
 正月二日は、祖母の命日に因んで、親戚(わが家の、いわゆる「孫」たち) が集まるので、この日に「初釜」をする。
 終わって、会食となるが、この日には、各人が持参する物を分担、例えば、抹茶は誰、 お菓子は誰、果物は誰、お餅は誰、漬物は誰……。
 
鏡開き 「雑煮」
 松の内が過ぎる頃、お供え餅を焼いて、ジョゥニ(雑煮)やアヂギモヂ(お汁粉)にして 食べた。
 この期間は、お汁と云うか、おかずと云うか、ケェの汁(膾カイの汁)や、 納豆汁なども食べた。
「ケェの汁」参照
「納豆汁」参照
 
二十五日 「天神講(トッコ)」
 毎月二十五日は、当家を宿として「トッコ」を営んでいる。
 数日前から、祝詞を書いたり、話題作りのための印刷物を作成したり、 また料理(弁当)を手配したりする。
天神講

 即ち、神前に「菅原神社」及び「菅公のご肖像」の掛け軸を掲げ、料理(弁当)、 お神酒、また講中は参加費一千円と白米五合などを供える。
 修祓、一拝、宮司祝詞奏上、一同拝礼、一拝、続いて直会(なおらい。会食のこと) に入る。

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