下タ沢会によせて(覚書)

名まえの話し − 熊さん八さん −

 さてこの沢出可禄だが、名前は何んと読むだろうか、私はわからないので、その 字のまま「かろく」と読んでいるが。人の名前とか、土地の名前は本当にわからな い。私はいつも新聞記事とか小説などみても、カナをふってくれればいいものをと 思う。
 昔の公卿とか殿様や侍などの名前は、字も難かしくてほんとうに読めない。とこ ろが今は、また漢字制限とかで使える漢字は限られているので、字は簡単?なった が、二字三字と組合せて親の願望をこめて、ひとひねりもふたひねりもしているの で、これまた何んと読んだらいいか迷ってしまう。それで、昔は我々階級の名前は 熊さんだ八っあんだと単純だったナ、と思って先に書いた「御警衛人数覚(241P、 たゞし名前は省略しているので、元になった阿部恭助日記から)」の金掘部隊の中 から一字名前を拾い出してみた。
 竹、酉、吉、寅、鶴、石、鉄、豊、熊、杉、春など11人、これは獅子沢出張人数 の組子131人のうちの11人だが、外の三沢は人数だけで名前を書いていないのでわか らないが、全体としてみれば約500人の組子がいるので、どういう比率になるのか、 とにかく小組頭は全部で48人いるが、いずれも二字名か三字名で(外の役付の人も) 一字名は一人もいない。一字名がいいとか悪いとかでなく、恭助日記を見てみたと きに、一字名も案外いるもんだと思ったので、数えてみただけで。今でも一字名は 多いと思うが(私の孫も「慧」でサトシ)、それを呼ぶのには、ほとんど二音でな く三音だと思う。が私の妹(栄子)の孫は「大」でダイ、というのは珍しいかもし れない。

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