下タ沢会によせて(覚書)

元山こぼればなし − 火の海・泥の海 −

 こうして栄えた元山も、大正14年の大火で消えてしまったわけですが、話しは大 正の中頃(だろうと思う)元山のお寺(元光庵)に若い坊主がいた。その坊主、元 山は火の海になる、カゲ(といったかどうか)の方は泥の海になる、といったとい う。それで元山の人達は、ロクでもねぇこといって、人をまどわすクソ坊主メ、と いうことで、お寺から追い出してしまったという。それからその坊主どうなったか 知らないが、その後何年もしないで元山は大火で丸焼け、いわゆるカゲの方は昭和 11年の中沢ダム決潰で泥の海となった。
 この話しは昭和62〜3年頃、新堀にいた照井富衛さんから何にかの会で一しょに なったとき聞いたが、その照井さんは前に中沢にいた佐藤久造さんに聞いたといっ ていたが、その佐藤さんは瓜畑にいた鈴木清一さんから聞いたといっていたという が、その照井さんも鈴木さんも亡くなってしまった。もっとくわしいことを知って いる人はいないだろうか。

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