下タ沢会によせて(覚書)

高等科は消えてゆくのか

 この明治40年に義務教育を6年にしたとき、同時に高等小学校の修業年限を2年に したというが、3年に延長できるともしたという。これは中学校に進学しない国民大 衆のための教育の充実を、将来に期してなされたものであるという(これら学制に 関することは「学制100年史」から拾い出したものである)。
 私達の頃(昭和10〜11年)高等科は2年までで、3年というのはなかったが、私達 の先輩の時代にはあったかもしれない。

 また小学校の100周年記念誌をつくったとき、高等科はどうなるんだ、と思った。 私達にとっては、尋常高等小学校と常に小学校と一体であった。しかし戦後学制が 改革されてから30年近くなる。先生達の頭の中には、高等科などというのはなかっ たと思うから(小学校の歴史だから当然として)、それはそれでいいか、と一人つ ぶやいて終ってしまったが、尾去沢小学校も間もなく創立130周年(平成16年)を迎 える。中学校も平成9年には50周年を迎えて記念誌をつくった。これまでもいろいろ の補修学校とか実業学校などが出来ては消えていったと思うが、明治以来続いてき た私達の高等科は、どこへ行くだろう。今は小学校に行っても関係なく、もちろん 中学校に行っても関係なしで、宙に浮いて消えて行くのだろうか。とはいっても小 学校へ行けば、高等科の記録も残っているのではと思うので、せめて高等科卒業の 名簿でもつくって、以て冥すべし、とするか。

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