下タ沢会によせて(覚書)

銅の旅支度 − 荷造り −

 さて、出来上った銅は、どのようにし荷造されて牛の背中に乗せられたろうか。 麓さんの本には、次のように書いている。
 「いま陸路の経路を述べるに先って(先だって、か)、銅の箇立と唱えた梱包の 方法を記しておこう。積荷としての銅は、箇(こおり)を単位とし、一箇は七五斤 即ち十二貫目を標準とした。「銅蔵働方定目」に「銅壱箇正味十二貫三百五十匁つ よめにいたし、夫に莚風袋皆掛一三貫目に成、目形少々出入も有之」とある。銅を 計量して莚包とするとき、平銅何枚というように内容を記した紙札を添えて、莚包 の上に縄がけにする。そしてこの莚包一箇毎に『山栄 長崎御用 南部銅 大小何 枚入』と認め、裏に貫目を記した木札を結びつけた。運送の途中、荷姿がくずれた り、破損して抜銅が出来るので、終着地において更に目形が改められた。なお一箇 七五斤というのは、野辺地並に石ノ巻港廻しの場合であって、能代廻しの場合は一 箇百斤即ち十六貫目として包装された。」そして、(以下次頁へ)

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