下タ沢会によせて(覚書)

彼岸だんご

 彼岸には、ダンゴがつきものだった。米の粉をねって、中にアンコを入れて、テ ニスボールくらいにつくった。イロリに大きいナベをかけて、湯がグラグラと煮立 っているのに、ポトン、ポトンと入れると、スーッと沈んでいって、間もなくポカ ッと浮き上くると、ハイでき上りで、シャクシなどですくい上げた。  次の日、固くなるとワタシにのせて焼いた。あのキツネ色のこげめがなつかしい。 ギュッとかじると、熱いアンコがニュッと出てきて、ホッペタにくっついて、アッ ツッツとあわてたのも、なつかしい思い出だ。

 戦中戦後は、ダンゴどころではなかったと思うし、いつ頃からつくらなくなった かわからないが、ワタシはシベリアから帰った後、つくったことはないような気が する。

[次へ進む]  [バック]  [前画面へ戻る]