彼岸には、ダンゴがつきものだった。米の粉をねって、中にアンコを入れて、テ
ニスボールくらいにつくった。イロリに大きいナベをかけて、湯がグラグラと煮立
っているのに、ポトン、ポトンと入れると、スーッと沈んでいって、間もなくポカ
ッと浮き上くると、ハイでき上りで、シャクシなどですくい上げた。
次の日、固くなるとワタシにのせて焼いた。あのキツネ色のこげめがなつかしい。
ギュッとかじると、熱いアンコがニュッと出てきて、ホッペタにくっついて、アッ
ツッツとあわてたのも、なつかしい思い出だ。
戦中戦後は、ダンゴどころではなかったと思うし、いつ頃からつくらなくなった かわからないが、ワタシはシベリアから帰った後、つくったことはないような気が する。 |