下タ沢会によせて(覚書)

2月

 2月になると節分の豆まきをやるわけですが、私の家(相馬家)ではやらなかっ た。なんでも、鬼神さまを祀っているからやらなれない、ということだった。鬼神 さまといっても、どんな神さまかわからなかったが、そういえば、稲荷さんのお祭 りのときであったか、私の伯母(幸子の母)が、稲荷さんの広場の山ぎわりところ の大きな杉の根本のそばに、石のほこらのようなものがあって、それに何にか上げ て、ローソクをつけているのを見たことがあるような気がするが、もしかして、あ れが鬼神さまだったかもしれない。それで私の子供達は節分になると、すぐ後ろに 妹(千鶴子)がいたので、そこで豆まきをしてもどってきて、福も内、鬼も内とい いながら、豆を食べたものだった。

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