38 日本人の創った色(藍) 〈藍〉 染色において、青を表現するには「藍」と云う色材が欠かせません。この藍染の濃淡 によって、様々な色相の青を表現するのです。紺色、水色、浅葱アサギ色、空色などの色 名のほか、縹ハナダ色、甕覗カメノゾキ色、褐カチ色、納戸ナンド色、青鈍アオニビ色なども全て藍染 によって表します。 藍染には、わが国ではタデ科の蓼藍を用います。亜熱帯の沖縄ではキツネノマゴ科の 琉球藍、もっと南下するとマメ科の印度藍、中米諸国やアフリカ東海岸では同科のナン バンコマツナギ、ヨーロッパではアブラナ科の大青タイセイが使われます。 また藍は繊維、例えば木綿、麻、藤、絹などどんな素材でもよく染まります。藍染は 「ジャパンブルー」と云って称賛されていますが、実は世界中の民族で藍染をしている のです。 わが国では昔から、野良仕事をするときは、古くなった藍染の布を撚り合わせて燻イブ し、それで虫を逐オったと云われているので、事実、藍にはそのような虫除けの効能があ ったことは間違いありません。 [詳細探訪(古来の植物染色「草木染」)] 関連リンク 「藍」[次へ進む] [バック]